湘南オンラインフレネ日誌

フリースクール湘南オンラインフレネ学習的就労支援活動・災害ボランティアの実践を書き溜めていきます。

9/14 茅ヶ崎市障害者団体連絡会アンケートに答えて(補足)

2011-09-16 04:21:49 | 引きこもり
2011/09/14 記 (補)
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突然災害が起きたとき、障害者・高齢者・乳幼児をはじめとした社会的弱者は、災害から自らの身を守ることが難しいだけでなく、人々の混乱の犠牲になりかねない状態におかれます。社会的弱者のみならず一般市民も、予測される災害はもとより、突然の災害に対して、社会生活の中に、緊急時の事前の行動の約束事を育てていく政策的活動が必要です。

まず災害からの避難行動について、今回の津波からは、自主判断による即時避難の大切さが教訓化されましたが、私たちは状況判断や避難行動の困難を抱える方を保護する必要があります。また流言飛語による混乱に対する手立ても打たなくてはなりません。

今回私が「誘導員制度」を提案した時、念頭においたのは、自主判断と即時避難に困難のある方が、どうしたらいいのかを直感的に判断できる援助法、一般の方にも、パニックという状況を回避する直感的な方策でした。この方策は、社会環境によっても最適化する必要があるものです。

例えば、近所の熟知している場所で被災する場合と、ショッピングモールのある高層ビルや、観光地など地元以外の方が多い場所とでは、対応が違います。ましてや職場や学校などのように管理された集団のときや、野球場・劇場・列車内のように管理者は居ても、圧倒的多数が見ず知らずの方の集団のときでは対応が異なります。

私の提案は、障がい者・高齢者・乳幼児を抱えた母子等が居る確率の高い、居住地域社会の中で被災した場面を想定しています。その関係から、案の制度化を行うフィールドは市町村です。実現には市町村レベルの条例と、それを社会的に認知させていく啓蒙活動が不可欠です。凝った制度ではなく、知らない方にもわかりやすく、特別な資材は極力抑えて、準備期間を大げさに取らずとも、すぐに開始可能な活動にしたいと考えました。この制度がたたき台になれば、場面の手直しは、やりやすいでしょう。

この間の対策は訓練された担当者や専門家が、烏合の衆を誘導していくと言って過言ではないほどに、一般市民は受動的な対象にされてきました。提案した「誘導員」は二段に分けました。この「上級誘導員」は、救急法等の消防署の研修を受けた方達で、団体や商店会など地域の担当者です。しかし主眼は集団被災回避の自主判断を含む指定避難所への誘導を主な任務とするいわば役割を特化した消防団のような存在です。これに対して「初期誘導員」は、中高生を含むできるだけ広範の研修資格にし、災害に備える自覚的一般市民に役割を提供するものです。避難場所も二段に分けました。「一次避難所」は、被災地点の近くのより安全な場所のこと。「二次避難所」は、市町村が指定した避難所のことです。「一般誘導員」は、被災地点から「一次避難所」までの誘導を主な任務としています。

この「初期誘導員」が提案の肝になります。つまり現場の混乱の回避を一般市民が自覚的に取り組む限定的な資格です。他者を誘導する任務を帯びることで、自主判断の錯綜する場面を制し、自覚的な一般市民として、当面行動を引き受ける案内人になるのです。制度を実現することで、被災回避の当座の目安ができることになります。地域防災教育の生み出すひとつの形です。誘導のために、社会的弱者の保護を被災地点の一般市民から選び委託する権限を持ちます。「一次避難所」までの安全誘導という、被災から危険回避移動までを、パニックを抑制する役割を果たします。

この「初期誘導員」は、地元繁華街で被災したとき、最低数名が登場できるほどの人数が資格を得ている状態をつくります。「上級誘導員」の指示に従い補佐します。自主判断の錯綜する被災現場で、誰に従えば安全かということが、「見える」ということが、社会的弱者にとって大事なことなのです。誘導員研修を職場・学校・地域などで行い、自主参加を促します。研修修了証をカード携帯できるようにし、いざ被災現場では、両手の挙手という形で、資格のアピールとするのです。

これ以外の諸提案は、原案の詳細部分というべきものです。視覚・聴覚障がいの方や、重度の自閉症の方などのように、支援に経験がいる方の場合は、同伴者や寄り添い経験者の応援が大きな意味を持ちます。現場に立ち会った看護師さんなどの場合はむしろ「上級誘導者」等のより高度な指導に合流してもらうこととして、居合わせた障がい者のご家族等誘導経験者の方に、他の同様な障がいの方の誘導に協力していただくために、薄手の黄色い布手袋片手分を外出時携帯していただくように奨励します。
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話は一転します。東日本大震災規模の災害が起きたとき、交通手段も携帯電話も使えなくなります。また状況の理解が難しい知的・精神障がいの方や、認知症の方などとの対話促進には携帯電話副次機能の「フラッシュカード」が有効です。

「便器のイラスト」とか「赤十字マーク」や「水の入ったコップ」、「自宅の住所・電話番号・自分の名画面」などの画像を表示するソフトです。これを所持することで、自己表現が音声言語を視覚化することで容易になるというものです。

また健常者がこのソフトを携帯電話に入れておくことにより、視覚的に対話を図れるという効果が得られます。被災現場では案外筆記用具が使えません。紙を支える台がなかったり、紙が汚れ、湿ってしまうことなどが原因です。

携帯電話副次機能のメモを使って文字を対話に使ってもいいのですが、この画像掲示ソフトは案外役に立ちます。文字を媒介にするときも、文字の拡大機能があるソフトを利用するとお互いが文字が読みやすくなります。聴覚障がいの方に適しています。

制度的には「地域代表帰宅と消息カード」があります。商店街の放置自転車流用という検討課題を含む部分がありますが、何丁目まで細分化して現場のご近所さんと出会えれば、天候が荒れていたり火災・水害が発生していなければ、代表帰宅と消息カード配達により、家族の消息が災害掲示板より早く伝えることができます。交通機関停止・電話回線パンクの自体の中で、古い手段が活きます。外出中の自分の消息を家族に伝える一方的なものですが。状況が少なくとも小康状態になってからの話です。

最後に、長期戦になるとき、商店街に携帯電話の充電設備をぜひ設置してください。携帯電話による代用公衆電話を準備することも必要ですが、回線パンク
状態の時は、充電させて、各自が使える状態を作るのです。商店街なら自家発電機から携帯充電環境を設置するのも不可能ではないでしょう。


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