湘南オンラインフレネ日誌

フリースクール湘南オンラインフレネ学習的就労支援活動・災害ボランティアの実践を書き溜めていきます。

東大先端技術研の中邑先生を湘南に呼ぶために(前)私のどうでもいい話

2006-05-14 05:53:58 | 引きこもり
 私が関わっている傾聴ボラ&オンライン学習(SOF)の当事者の方々の大半は、川崎北部と東京南部在住。私の生業のひとつの、通信塾(創樹)も東京南部の子たちだ。塾の方は小中学生数名、傾聴ボラのひとは高校生以上になっている。自然とそうなったのだ。以前は帰国子女の高校生で筋金の入ったホームスクーリング登校拒否の人たちが中心だったが、今はもとの塾の関係者が中心で年齢層があがる傾向にある。その中の自閉症スペクトラムを抱える人の障がいの傾向も様々に拡がっている。

 昨日は傾聴の相手で、IT工学系に進んだ**君が駒場からさほど離れていないので、呼び出して会った。1年ぶりだった。オンラインフレネ(SOF)の教材集を使って彼の友人と3人で、富ヶ谷の図書館や参宮橋で合流してうろついた話が昔話になってしまうほどの時間が流れていた。もう6年経っているのだ。(当時はグループは3つ。大井町・自由が丘・初台。彼は初台G)

 「あんな教材集、何の役にも立たなかった」とうそぶく**君は、私が交通事故退院して自由な美術批評教育のアメリア・アレナスの方法を始めたときに、見かねて人集めに奔走してくれた理解者でもある。(つまり傾聴の相手は常にスタッフとも連続している、ここが面白いところなのだ。)

 しかし、彼は私が一緒に連れて行った高機能自閉の子の感性に触れて自爆してしまった。その子とやるときはその子の自作表現に中心を置くのだが、岡本太郎の作品の対話を私の真似をして鑑賞をやろうとしたのだった。それ以降、トラウマか文句が絶えないのだが、それは彼が悪い。自閉の子たちは流儀が違うのだから。

 「今年、砂のアートをやらないか」と**君は言い出した。条件を整えるには人も時間も足らない。呼びかける相手もむずかしい。私は中腰が出来なくなっているし、「やるとしたらスタッフ作って来年だ」と言ったら悲しい顔をした。彼は4年で就職活動で動けなくなるだろうということ。私は交通事故入院で一度死んだのだと思って生きてきたから、彼のように連続して関わっている者は、従来の活動と照らして、私の身勝手さをたしなめる貴重な存在でもある。しかし彼がいうような強いネットワークは事実、すでにないのだ。私の教材集でさえ、たまに街のフィールドワークとして参加したいという希望者があるが、二人目を探すのに苦労して、結局爺ぃとふたりで歩くことになってしまって続かないのだ。私は教材の価値が落ちているとは思わないが、進学に役にしない教材集が生き延びる隙間は、支援者がこじあけなければ閉じてしまうものだと思っている。これが現実。

 夏場、湘南に遊びに来ることを約束して、彼は広くなった背中をうつむき加減にゆすって、地下鉄の階段を降りて行った。

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 私は退院後、地元湘南に戻った。しかし空白の10年、地域は私を根無し草にしていた。湘南に戻ってからは、オンラインで東京南部と細々つながっているだけだ。既存の地元諸活動の団体をつなぎながら、様々な企画を実現しながらも、常にホームグラウンドがない宙ぶらりんの仕掛屋稼業だ。だから、私の活動は黙っていても仲間が経過を知っているというものではない。だから企画賛同者に活動経過レポートを書く。異様に思われる方も多いと思うが、黙れば私の活動は闇に消える。和を乱す自己主張と嫌がる協力者もいる。しかしそれは比較と競争のエゴの論理への読み違い。当たり前の前提が彼らと私では違っているのだ。湘南では私は団体代表というより仕掛人、つなぎ屋が現状だということなのだ。

 蛇足を書こう。私の生業は東京と横浜の複数の契約講師(外勤が主)と受験問題集屋(季節労働者)、零細以下のオンライン塾である。いずれも湘南に根付いているわけではないのだ。これから就労相談カフェ実現のそのまた彼方に四流オンライン和菓子屋も加わるだろう。絵の中の絵、これは稼業だ。しかし就労しゃべり場カフェのオヤジの方は公的な出会いの場、もともとボランティアなのだ。

 彼の寂しさが伝染したか、これは提唱した企画が何万人の集いに拡がろうと消すことが出来ない感情なのだ。

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 私は夜が仕事。昼前に何かやるとろくなころが起きない。引きこもり青年並みなのだが、東大先端科学技術研究センターの3号館を、大学構内の3号館をうろうろしてしまった。皆さんが話を始めているところに、こっそり入ろうとしたがなんと中邑氏の目の前しか席が開いていなかった。見て見ぬふりが出来ないほど露骨な着席、いや冷や汗をかいた。

 と後ろからLD学会の井上さんがひょっこりと入室。なにやら救われたような、でもなにやら気まずいムードが…。

 まあそれはそうと、中邑賢龍氏は話し慣れている。ぐいぐいと人をひきつける。障がいが求める機能のツールが開く可能性の話や、ツール開発の中で見えてくる、人の関係性の世界を語ってくれる人だ。休憩の時、中邑さんに湘南に講演しに来てもらえないかと話をぶつけた。当然、何者かを聞かれるのだが、私は急に口ごもった。**君の話の後遺症に違いなかった。自閉症児者の親の会の話をしても、協働まち研の話をしても、ひとのふんどしで相撲を取るような違和感が残る。誰の代表として語るのか突然見えなくなった。

 中邑氏の話は、発達障がいの特に親の会や施設関係者にぴたりとはまる。しかし私を明らかにせず、つなぎの結果を持ち帰るのは越権でもあるのだ。連続講演会の後半プログラムのなかには勿論はまる。しかし、彼の語りの価値が出るのは、親の会や施設関係者が主催する会だとの思いがあるからだ。

 改めてメール経由でお願いを出す道を残して、お暇した。(ツールの話などは次回。)

今日は藤沢で通信巡回後、17時から茅ケ崎サポセンでNPOちがさきの事業説明会、その少し前に5/21講演会関係の印刷をする。

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