昨日はふたつの会がありました。ひとつは茅ヶ崎保健所主催の「思春期世代の健康問題への対応~地域連携・協働の意義と出会いづくり~」という長谷川俊雄氏(愛知県立大教授)の交流型研修会でした。もうひとつは私が推進役のサポセン福祉ネットワーク推進PJ主催の「路上生活者自立支援誌『The Big Issue』路上販売員さんと語る勉強会」だった。
前者は参加者が小学校の養護教員・茅ヶ崎保健福祉事務所の保健師・民生委員などの皆さん、いわばプロの研修会。後者はNPOサポートちがさき会員の方を中心とした福祉領域横断の勉強会でした。前者は社会的引きこもりの青少年を軸とした課題にどう迫っているか、参加者の経験交流をはさんだバズセッション。後者は茅ヶ崎・藤沢の路上販売員さんと同誌東京事務所スタッフの方とのQ&A懇談形式の集まりで、身寄りの無いニート・引きこもりの方の生活破綻と連続している課題として、社会的企業の典型的な事例紹介として話し合いました。
まず前者の様子から。
みなさん顔見知りの方ばかりです。今回は「思春期」ですから12~17歳位の方が対象です。ところがこの世代に関わる現場の方の話はあまり聞こえてこない。小学生の不登校の話が土台になってしまいます。やはり湘南にフリースペースをという地域交流拠点居場所作りの話が、万年一日のごとく登場します。私はフリースペース反対論者ではありません。ただ現代の課題は、そのフリースペース拡張では抱えきれなくなった社会問題としての社会的引きこもり・無業者を支援していくのかという課題であって、一方では愛国心と鍛錬による精神建て直し論が出てくる「危ない時代」のワクチン作りをすべきという社会政策をめぐる問題なのです。恐ろしいほどに、この辺が空洞化していて無策なのです。
私は機軸が就労支援なのでその上の世代の課題を語る形となって、むしろ青年期というくくりの方が話しやすかったのですが、小学生を軸に実践されている方には学齢期というくくりの方が話しやすかったという事情でもあるでしょう。
しかしこの「思春期」というくくりが、賃労働が始まる社会の中で生み出された歴史的な概念であって、人類史普遍の課題ではないという押えがあって、ある固定的な生物発達の脳の生理学的な段階を示しているのではないという長谷川氏の投げかけが,空しく抜けていった場でもありました。
つまり公的な立場では新機軸は無理という限界を感じさせるものであって、あとは長谷川氏の論に登場する「自立とは孤立しないこと」というような、語録的な言葉が浸透していくだけだった。次回は3/16「社会的引きこもり」を同じく長谷川俊雄氏が語ります。
次は後者です。
(つづく)<ダウン
前者は参加者が小学校の養護教員・茅ヶ崎保健福祉事務所の保健師・民生委員などの皆さん、いわばプロの研修会。後者はNPOサポートちがさき会員の方を中心とした福祉領域横断の勉強会でした。前者は社会的引きこもりの青少年を軸とした課題にどう迫っているか、参加者の経験交流をはさんだバズセッション。後者は茅ヶ崎・藤沢の路上販売員さんと同誌東京事務所スタッフの方とのQ&A懇談形式の集まりで、身寄りの無いニート・引きこもりの方の生活破綻と連続している課題として、社会的企業の典型的な事例紹介として話し合いました。
まず前者の様子から。
みなさん顔見知りの方ばかりです。今回は「思春期」ですから12~17歳位の方が対象です。ところがこの世代に関わる現場の方の話はあまり聞こえてこない。小学生の不登校の話が土台になってしまいます。やはり湘南にフリースペースをという地域交流拠点居場所作りの話が、万年一日のごとく登場します。私はフリースペース反対論者ではありません。ただ現代の課題は、そのフリースペース拡張では抱えきれなくなった社会問題としての社会的引きこもり・無業者を支援していくのかという課題であって、一方では愛国心と鍛錬による精神建て直し論が出てくる「危ない時代」のワクチン作りをすべきという社会政策をめぐる問題なのです。恐ろしいほどに、この辺が空洞化していて無策なのです。
私は機軸が就労支援なのでその上の世代の課題を語る形となって、むしろ青年期というくくりの方が話しやすかったのですが、小学生を軸に実践されている方には学齢期というくくりの方が話しやすかったという事情でもあるでしょう。
しかしこの「思春期」というくくりが、賃労働が始まる社会の中で生み出された歴史的な概念であって、人類史普遍の課題ではないという押えがあって、ある固定的な生物発達の脳の生理学的な段階を示しているのではないという長谷川氏の投げかけが,空しく抜けていった場でもありました。
つまり公的な立場では新機軸は無理という限界を感じさせるものであって、あとは長谷川氏の論に登場する「自立とは孤立しないこと」というような、語録的な言葉が浸透していくだけだった。次回は3/16「社会的引きこもり」を同じく長谷川俊雄氏が語ります。
次は後者です。
(つづく)<ダウン