ダブログ宣言!

ひとりでするのがブログなら、
ふたりでするのがダブログ。

☆堀辰雄覚書(「幼年時代」ほか)

2006年06月03日 01時54分07秒 | 文学
レイクサイド マーダーケーステレビでやっていた青山真治監督の「レイクサイド マーダーケース」を見た。
薬師丸ひろ子の出演映画を見たのは「Wの悲劇」(澤井信一郎監督)以来だと思う。豊川悦司は「Love Letter」(岩井俊二監督)以来。黒田福美はたぶん「スウィートホーム」(伊丹十三製作総指揮、黒沢清監督)以来。
「黒田福美」の漢字を見ると、「笑ゥせぇるすまん」を思い出す。ドーン!!!!
映画はなかなかおもしろかった。
世間の掟よりも家族が大事、ということでしょうか。ドーン!!!!

堀辰雄の「幼年時代」「花を持てる女」「燃ゆる頬」を読んだ。
「幼年時代」と「花を持てる女」は、江藤淳の「昭和の文人」に滅茶苦茶引用されてたので憶えているシーンがいくつもあった。江藤淳はだいたい引用が多いし長い。「花を持てる女」で、堀辰雄が自身の出生の秘密を知ったのは養父が死んでから、ということになっているがそれは嘘で本当はずっと知っていた、というのが江藤の本の後半の主な内容だった。
「花を持てる女」で、養父はいいひとだった、というふうに書かれているが、「昭和の文人」のなかに掲載されていた養父に宛てた「金を早くよこせ」の手紙を見るととてもそう思っていたようには思えない。
まあしかし、生きている頃にはずっと文句ばかり言っていた息子が父親が死ぬとけろりとして優しい父だったと言い出すのは世間にはよくあることのような気もする。ただ文章で書いて発表するのが江藤には許せないのかなあ。しかも自分に都合のいいことばっかり嘘も含めて書いて、だから。
江藤淳の気持ちもわかる気がする。江藤淳は真剣だもんな。
「燃ゆる頬」は少年期の、同性に惹かれる気持ちを描いたもの。こんなものも書くんだなあと思った。
堀辰雄は予想を超えておもしろい。なにより読ませる。読みやすい。全集を読もうとまでは思わないけど、機会があれば他のものも読んでみてもいい。でもしばらくは読まないけど。
コメント