ダブログ宣言!

ひとりでするのがブログなら、
ふたりでするのがダブログ。

マイケル・オンダーチェ『映画もまた編集である ウォルター・マーチとの対話』

2015年02月28日 00時56分32秒 | 文学
マイケル・オンダーチェ『映画もまた編集である ウォルター・マーチとの対話』(みすず書房)を読んだ。
非常におもしろくて刺激的な本だった。
『ゴッドファーザー』シリーズを見た暁には読み返したい。
いろいろとおもしろかった部分はあって、読みながら付箋を貼りまくったのだが、なかでもいちばんと言えば「フレーミング」の話で、映されている人物がフレームのどこに位置しているかによってその人物の印象が変わる(誠実であったり誠実でなかったりする)というようなことはいままで考えたことがなかったのでよく考えてみたい。
洋画を見るときは特に、字幕を読んで誰が映っているかをだいたい把握するというような見方をしている気がする。戯曲を読んでいるのとあまり変わらない。
これでは駄目だ。
と思った。

テレビで「日本アカデミー賞授賞式」を見た。
もっとも興味を惹かれたのは周防正行監督の『舞妓はレディ』。富司純子ってなぜか見たくなる。しかも歌って踊るとは。
あとは、吉田大八監督の『紙の月』かな。でも明るい気持ちになりそうな映画が見たいので、おもしろそうではあるが見ないかもしれない。その他の映画も明るい気持ちになりそうな映画があまりなかったように思う。
コメント

アンソニー・ミンゲラ監督『イングリッシュ・ペイシェント』

2015年02月26日 22時43分56秒 | 映画
アンソニー・ミンゲラ監督『イングリッシュ・ペイシェント』。
三日かけて見ましたが、今日は退屈した。昨日はおもしろかったが。おそらく今日は眠いせいだ。
どういうお話なのかよくわからなかった。
砂漠で既婚の女性を愛した男が、女の夫に殺されかけたが助かり、夫が死に、動けなくなった女を飛行機で助けに行ったがそのときにはもう死んでいて、飛行機で帰るときに大火傷を負う。自分に関係する人はみんな死んでしまうと思っている看護婦は大火傷の男をひとりで看病する。看護婦はある男と関係を持ち、その男が爆弾処理中に死ぬのかと思われたが死なない。そこで戦争が終わる。
黒い手袋をした親指のない男は大火傷の男に復讐をしようと思っていたが勘違いであることが分かる。
僕に理解できたのはだいたいこのくらいだろうか。
わからない。なんだこの話は。
誰を見て何を思えばいいのかよくわからなかった。
編集の確認しかできなかった。

教材を一つ見たので引き続き『映画もまた編集である』を読むことにする。
コメント

オンダーチェ、クンデラ

2015年02月25日 23時49分04秒 | 文学
マイケル・オンダーチェの『映画もまた編集である』を読んでいるが、おもしろいのでなかなか読み終われない。読み終えたくなくて、ちびちびと読んでいる。
読んでいると出てくる映画が気になるが、長い映画が多く、躊躇している。それでも気になるのでこの前NHKで放送していたのを録画した『イングリッシュ・ペイシェント』を見る。長くて、砂漠が舞台の映画という、僕が最も苦手とする映画なのだが退屈せずに見られる(『アラビアのロレンス』も『シェルタリング・スカイ』も苦手です)。
カットが変わるときに見ている人の注視している場所が変わらないように編集するという話をウォルター・マーチが本で語っていて、「そんなものかな」と思っていたが、確かに気にしているとそのように編集している。イギリス人の患者の顔が画面の右側にあり、そのまま暗くなり、次に朝日が出るというシーンがあったのだが、朝日はきちんと画面の右側、ちょうど患者の顔が消えたあたりに出てきた。
今後もきちんと書いてあることを確認したいと思った。
しかし問題は字幕を追わないといけないので、基本的には目は画面の下あたりに行っていることが多いということだ。
映画は半分くらいで見るのをやめる。
一度に全部を見なければいけないという意識が長い映画を見られなくするのだが、どうせ録画したものをテレビ画面で見るのだから好きにさせてもらう。三時間の映画は三回に分けて見るくらいの気持ちでやります。『ゴッドファーザー』シリーズは九日くらいかかる。

通勤時にはクンデラの『冗談』を読んでいる。
非常におもしろい。冗談ではない。
クンデラってこんなに切実な話を書くのだっけ、と思っている。なんとなく、高踏で軽やか、というイメージだけれど。
ドストエフスキーの『死の家の記録』のような感じ。しかもあちらは退屈したがこちらはおもしろい。
あることがきっかけで政治犯として扱われるが、自分としては政治犯であるつもりはない。ただの間違いであると思っている。同じく政治犯として扱われている周りの人間とは自分は違うと思っている。
そのような状況は、就職したり、転職したり、そんな新たな場所に行ったときに持つことがある意識だなと(僕にはよくあった)、そんなことを考えながら読んでいる。
コメント

モーツァルトのCD

2015年02月24日 01時37分32秒 | 音楽

CDを二枚買う。ひさしぶりすぎて、最後に買ったのが何のCDだったか思い出せない。
どちらもモーツァルトのもので、ヴァイオリンソナタとピアノ協奏曲。
よくYouTubeでヒラリー・ハーンの演奏を聴いている。それで彼女のヴァイオリンのものを買った。ピアニストのマルタ・アルゲリッチは、よく知らないのだが、なんとなく心惹かれる風貌で、興味を持っている。演奏家の風貌というのはとても大事なのだと思う。素人は演奏よりも風貌から入る。素人だけじゃないのかもしれないが、素人なので玄人のことはわからない。
CDを買うと、やはり形があり、愛情がわく。
コメント

丸谷才一『快楽としてのミステリー』

2015年02月22日 22時53分46秒 | 文学
丸谷才一『快楽としてのミステリー』(ちくま文庫)を図書館で借りて読んだ。
発表された時期がわりと古いものが多く、いま読みたいと思っても手に入りにくかったりするものもあったのだが、ぜひ読みたいと思う推理小説(いや丸谷才一に倣って探偵小説と言うべきか)は、
ジェームズ・M・ケイン『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
ロバート・B・パーカー『約束の地』
池波正太郎『鬼平犯科帳』
ジェフリー・アーチャー『百万ドルをとり返せ!』
の四つ。
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』はカミュの『異邦人』との関連から。『約束の地』は料理の記述があるのと会話がいいということから。『鬼平犯科帳』も料理と、あとは倒叙ものということから。『百万ドルをとり返せ!』はなんとなく。
『約束の地』と『鬼平犯科帳』はシリーズ全体が長いのではまるとしたらどちらかにしたい。
コメント

茂木健一郎/江村哲二『音楽を「考える」』の話はほとんどしない

2015年02月21日 23時07分27秒 | 文学
茂木健一郎/江村哲二『音楽を「考える」』(ちくまプリマー新書)を図書館で借りて読む。
あまり興味を惹かれることのないまま読み終える。

クラシック音楽を聴きながらミステリーを読むというのはなかなかいい趣味かもしれないとふと思い、ミステリー関係の本も図書館で借りた。
丸谷才一の『快楽としてのミステリー』(ちくま文庫)を読んでいる。
カミュの『異邦人』は、ケインの『郵便配達は二度ベルを鳴らす』を参考にしているという話があり、興味を惹かれる。そのほかにも多少興味を惹かれる本はあるが、読んでみようかと思わせるほどの本はまだない。この『郵便配達は二度ベルを鳴らす』くらい。コリンズの『月長石』はおもしろそうだが長いかな。
池波正太郎の『鬼平犯科帳』が犯人の側から描いたいわゆる倒叙ものということで気になった。

図書館からはほかに、『ザ・ベストミステリーズ 2013』と『ベスト・アメリカン・短編ミステリ 2012』を借りた。前者は日本、後者はアメリカの短編ミステリ集。
『ザ・ベストミステリーズ 2013』は最初の「父の葬式」(天祢涼著)が最後まで読めなかった。読まずに返却することになると思う。図書館で借りてくると、気に入らなければ読まずに返せるので良い。
『ベスト・アメリカン・短編ミステリ 2012』は最初の「大胆不敵」(ブロック・アダムス著)が読めたので次のも読んでみようと思っている。「大胆不敵」はぜんぜんミステリー小説ではないのだが、最後まで読めた。スリの少女との出会いと別れの話。
やはり日本のものは距離が近すぎて、話しているひとの口の臭いやら体臭やらが分かる感じで、好きな人ならいいのだけれど、未知の作家のものをずっと十いくつも読むと思うと、気が重くなる。
コメント

宮崎駿監督『風立ちぬ』

2015年02月21日 00時56分13秒 | 映画
病院に行ったら蓄膿症だと言われて薬を飲んでいる。
以前もそうだったのだが、もらった薬のなかに呑むと憂鬱になる薬があり、やはり呑むと調子が悪い(気分が乗らない)ので薬を替えてもらうことにした。こういうのはなかなかほんとうにそれが原因なのか決めかねるのだが、自分の身体を使って実験するわけにもいかず、早々に替えてもらった。もらう前に気付けば良かったのだが、そのときは財布に二千円しか入っていなくて、足りるかどうかが気になってそこまで気が回らなかった。
憂鬱なときはほんとうに何もしたくなくて、なんだか泣きたくなる。こどもの泣き声を聴きたくない。
「それってほんとうに薬のせい?」と自分でも思うのだが、呑まないとなんともないのでたぶんそうなのだろう。しかしその症状のときはその症状の頭で考えているから冷静な判断が難しい。
それにしても蓄膿症とは。たしかに洟がよく出るなとは思っていたけれど。
蓄膿になったらお金を貯めて手術しないといけないのだと伊丹十三の『マルサの女』を見て以来思っていたのだが、そんなこともなく、薬で治るらしい。

宮崎駿監督『風立ちぬ』のテレビ放送を見た。
おもしろくないとはっきり言うほどおもしろくなくもないが、もう一度見るかと言うともう見ないだろうな。『カリオストロの城』や『魔女の宅急便』はテレビでやっていたら、(いまでも)チャンネルをちょっと変えてみようかという気になるが、そういう映画ではない。自分が大人になったからかな。それだけでもない気がする。
話題だった主人公の声優に付いては、そんなに騒がれるほど悪くもないと思った。
堀越二郎と堀辰雄の話はまっぷたつに分かれているのだなと思った。なぜ主人公が軽井沢のホテルに泊まっているのか状況がよくわからない。長期休暇をとったのだろうか。とったのだろうな。しかし見ていると『ヴェニスに死す』を思い出した。
他にも音楽を聴いていたらイタリア映画を思い出す雰囲気があった。
夢のシーンが多かった。これはいいかわるいかよくわからない。無責任にどちらか言えば、悪い。
主人公の上司に黒川という背の低い人物が出てくるのだが、黒川紀章にしか見えない。この人物のいる設計所に主人公が配属されるがそのシーンを僕はNHKの朝ドラ「ごちそうさん」でも見た気がする。
コメント

ヘミングウェイ『海流のなかの島々(下)』

2015年02月17日 22時18分39秒 | 文学
ヘミングウェイ『海流のなかの島々(下)』(新潮文庫)を読んだ。
最初の「ビミニ」はおもしろかったのだが、だんだんとつまらなくなり、最後の「洋上」はきちんと読めなかった。
ただ大岡昇平の『俘虜記』を読んでみようかなという気になった。戦場で敵と対峙する感じをもう少し読んでみたい。
「洋上」は最後、主人公のトマス・ハドソンが死にそうなところで終わる。こんな感じの終わり方のものはありそうであまり読んだことがない。子どもころテレビドラマの最終回は、主人公が死ぬか、結婚するか、どちらかだった気がするが、小説ではあまり主人公は死なない。いま思い出しても、主人公が最後に死ぬ、または死にそうな小説ってあっただろうか、と思う。たぶん、あったんだろうけれど、思い出せない。カミュの『異邦人』はたしか死刑なんだろうからたぶん死ぬのだろう、というのと、トーマス・マンの『魔の山』がたしか死んだように思う。思いつくのはそのくらい。
「ビミニ」で次男と三男を交通事故で亡くし、「キューバ」で長男を亡くし、最後の「洋上」で自分が死ぬという、暗い話だった。
コメント

フリードリヒ・ヘルツフェルト 『わたしたちの音楽史(上)』

2015年02月15日 00時53分11秒 | 文学
フリードリヒ・ヘルツフェルト『わたしたちの音楽史(上)』 (白水Uブックス)を図書館で借りて読んだ。
バッハとヘンデルとハイドンとモーツァルトとベートーヴェンなどが登場する。
ざっと音楽史を知るには良いのだが、ざっとなので誰にも大きな興味を持てないままに読み進んでしまっている。
しかしベートーヴェンには興味を持った。気難しくて誰とも打ち解けることができない。いつか、ベートーヴェン単独の本を読んでみたい。
モーツァルトは映画『アマデウス』を思い出した。いつかまた見たい。
コメント

『映画もまた編集である』を読んでいる

2015年02月12日 02時03分53秒 | 文学
マイケル・オンダーチェの『映画もまた編集である』(みすず書房)を読んでいる。一冊で四千円を超える本を買うのは滅多にないのだが、おもしろそうな本なので買って読んでいる。
新潮社の期間限定サイト「村上さんのところ」で、村上春樹がこの本について言及していたので興味を持った。
マイケル・オンダーチェと映画編集者のウォルター・マーチとの対談。
『ゴッドファーザー』くらいはこの機会に見てみないといけないかなと思っている。『イングリッシュ・ペイシェント』は近々NHKで放送するので録画して、(可能な限り)見たい。長い映画が多い。
本はとてもおもしろい。

村上春樹と映画と言えば、映画『ノルウェイの森』に村上春樹がバーテンダーの役で出演したという噂があるらしく、僕は知らなかったのだが「村上さんのところ」でそれについての質問が掲載されていた。村上春樹本人は否定していたが、そもそも村上春樹の回答というのは本気なんだかどうなのだかわからないことも多いものなので(とくにこのサイトのこの回答が特別、というわけではなくわりといつもそう)、確認してみた(見ようと思えば何でも見られてしまうインターネット)。
この映画は映画館で見たのだけれど、そんなシーンのことは全く覚えていなかった。おもしろい映画ではなかったということは自信を持って言える。
で、確認。
うーむ、確かに村上春樹の雰囲気はあるのだが、たぶん別人だろうという結論です。
髪型が違うかな。あと、素人が映画に出ている雰囲気がない。素人が映画に出ると、素人が映画に出ている雰囲気が醸し出されるものだがそれがない。自然。
で、決定的には声が違う。
村上春樹の声って僕の記憶では「思ったより低い」。だけれどこのバーテンは普通か、高いくらい。
顔だけ長い間知っている人の声を後から聞いたときって、どうしてもそのギャップで「思ったより低い」か、「思ったより高い」になってしまう。
吉本隆明は「思ったより低い」、内田樹は「思ったより高い」。
高橋源一郎や大江健三郎は顔とほぼ同時に声を知るパターンなので、「思ったより」も何もなく、普通なのです。
話が横道に逸れたが、村上春樹は映画『ノルウェイの森』に出演していないと思う。

『名探偵登場!』(講談社)はもう読まないことにしたが、そうすると名探偵の登場する小説が読みたくなった。
なにかいい本ないかなあ。
コメント