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ドラマ『キッドナップ・ツアー』(再)

2017年08月30日 23時36分56秒 | テレビ
NHKで『キッドナップ・ツアー』というドラマが夜中に再放送するのを番組表で見つけて、妻夫木聡出演というのと小学生の娘との二人旅というところに興味を持ち、録画して見た。角田光代原作。
娘が出来て良かったと思えるのは、小さな女の子が出ている物語をほんとうに心の底から楽しめるようになったことだ。
どんな子どもでも(自分の子どもほどではないが)ある程度かわいい。
笑ったり泣いたりして芝居をしているのを観ると、「よくできるな」とか「うちの子に似ているな」とか思って虚実両面から愉しめている。
こんなことは子どもがいないうちはなかった。
妻夫木聡はずっと注目している。
いつからか、と言えば『ジョゼと虎と魚たち』を観てからだ。
どんな映画でも妻夫木聡が泣いていれば見れる。共感できる。「わかる、わかる、ジョゼと別れちゃったもんね」と思って、こっちも悲しくなる。
今回も夫婦喧嘩をしたあとに妻夫木くんは泣いていて、どうして泣いているのか、ドラマを観ただけではよく分からないのだが、僕にはわかる。ジョゼと別れたからだ。
ドラマの最後で電車を降りて娘を、独特な論理で叱る場面があったのだが、とてもいい場面で、観ながら泣いてしまった。
(ろくでもない人間だけれど、自分がろくでもないのは誰のせいでもない。ろくでもない人間になることを親のせいにするな。逃げ道を作るな。というような論理。)
妻夫木聡はとてもいい役者だということと、自分が小さな女の子と父親との交流を描いたドラマに只ごとではないほど共感してしまうということを再認識した。

最後の娘を叱る独特な論理は、角田光代でなければひねれない論理のように思うのでそこを確認するために原作を読んでみたく思った。
また、父親がどういう理由で娘をユウカイしたのかもきちんと書かれているものならば確認したい。
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桐野夏生『天使に見捨てられた夜』

2017年08月29日 00時41分04秒 | 文学
桐野夏生『天使に見捨てられた夜』(講談社文庫)を読んだ。
とてもおもしろい。
書き方が上手いので、主人公の探偵村野ミロといっしょに、探したり傷ついたり失望したり「憮然」としたりできる。いや。「憮然」の使い方の怪しさなどはもう言う必要もないくらい些細なことで、おもしろい。
ミロの部屋の隣に住んでいるトモさんも魅力的に描かれている。隣人愛が世の中で一番崇高な愛、のところで笑ってしまった。
完全に物語の世界に浸っていた。ずぶずぶ。
今回はミロの父親の探偵がきちんと登場するが、ハードボイルドな父親で原りょうの小説に登場する沢崎を思い出す。(原りょうの新作はまだだろうか。)
最初から最後までおもしろく、桐野夏生のファンになりつつある。
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長嶋有『観なかった映画』

2017年08月28日 21時25分49秒 | 文学
長嶋有『観なかった映画』(文藝春秋)を図書館で借りて読んだ。
観なかった映画の話をえんえんと続ける本なのかと思い、期待したのだが、観た映画の話だった。
著者は、映画の話をするときに監督の名前や俳優の名前を言い合うことに違和感を感じるようで(言われてみると確かに映画の話をするときには名前を言い合って、たくさんの名前を言えたほうが勝ちという雰囲気がある)、できるだけ名前を言わないように映画評を書いていた。
ちょっと偉い。
しかし、この切り口すごいな、と思わせるような映画評はあまりなく、「これが観たい」と思うこともあまりなかった。
観たくなったのは、
『テイク・ディス・ワルツ』
『君の名は。』
『永い言い訳』
だった。
長嶋有がどんな評価をしていたか、これっぽちも憶えていないだろうが(すでに憶えていない)、観てみよう。

ふと、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』ってまだ観ていないなと思い、猛烈に観たくなったのでレンタルショップに行ったが置いてなくて、「あいかわらず品揃えの悪い店だ」と思ったのだがよく調べてみるとまだ発売されていなかった。
早く観たいものだ。
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桐野夏生『顔に降りかかる雨』

2017年08月26日 12時17分22秒 | 文学
桐野夏生『顔に降りかかる雨』(講談社文庫)を読んだ。
おもしろくて夢中になって読んだ。
話も途中でどうでも良くなることもなく最後まできちんとおもしろく読めた。
このシリーズを引き続き読むことにする。
ジュヌヴィエーブ松永が次も出てくることを期待する。
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三浦綾子『光あるうちに(道ありき第三部 信仰入門編)』

2017年08月23日 21時17分10秒 | 文学
三浦綾子『光あるうちに(道ありき第三部 信仰入門編)』(新潮文庫)を読んだ。
これまでの『道ありき』と『この土の器をも』と違って自伝という感じではなかった。キリスト教勧誘の冊子といった印象だった。
三浦綾子がほんとうにキリスト教徒なんだと分かった。
どうしても聖書に書かれていることを信じろと言われても、比喩としてならまだ信じることが出来るかもしれないが、書かれてあることをそのままあった出来事として信じることは出来ないなと思う。三浦綾子はキリストが復活したことを信じていると言っていてすごいなと思った。
まわりにキリスト教徒の知人がいないので知らないのだが、みんな信じているものだろうか。
ちょっと分からない感覚だなと思った。
そういえば読んでいて思ったのだが、キリストは復活したあとどうなったのだろうか。復活したあときちんと死んだのだろうか。復活しても死ぬのだろうか。復活したら死なないのだろうか。いまでも生きているのだろうか。
いままで復活後のキリストの寿命について考えたことがなかった。いつか聖書を読むことがあれば調べたい。
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桐野夏生のこと

2017年08月21日 11時29分30秒 | 文学
少し詳しく書いておくと、ちょっと前に原武史のツイッターに桐野夏生の『夜の谷を行く』について書かれていて、連合赤軍事件の話ということで興味を持った。読もうかと思ったが、文庫になってからでいいかと思って読んでいない。
桐野夏生は読んだことがない。
ドラマや映画になることが多いので、作品についてこれまでもあらすじを聞いたことはあるのだが、妻たちが夫を殺すとか、無人島で女ひとりと多数の男が生活するとか、興味をもったことがなかった。
つい数日前に新聞に新作『デンジャラス』のことが載っていて、谷崎潤一郎を題材にしているらしく非常に興味を持った。これは絶対に読みたい。
しかしこれももちろんまだ文庫になっていないので、ほかに読むものがないかと思って調べていると『ナニカアル』というのが林芙美子と太平洋戦を題材にしているようでおもしろそうだった。
まずはこの辺から読んでいけばいいのではないかと思っている。
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手塚治虫『ブッダ』第11巻から第12巻

2017年08月21日 11時08分41秒 | 漫画

手塚治虫『ブッダ』(潮ビジュアル文庫)を図書館で借りて全巻読み終えた。
釈迦の思想を知りたいと思って読んでいたのだが、あんまり分からなかった。
手塚治虫らしい、人の裏切りの物語だった。
最後の、人の中に神がいるという思想もよく理解できなかった。
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瀬戸内寂聴『釈迦』

2017年08月16日 00時28分58秒 | 文学
瀬戸内寂聴『釈迦』(新潮文庫)読了。
手塚治虫の『ブッダ』よりも、男と女の話が多かった気がする。
私が『ブッダ』や『釈迦』に期待したのは、生きる苦しみを釈迦がどんなふうに解こうとしたのかというようなところなのだが、あまりどちらも納得いくものではない。手塚治虫は手塚治虫らしく、瀬戸内寂聴は瀬戸内寂聴らしく釈迦を描く。
もうちょっとハッとするようなことがあっても良かったのではないかと思う。
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手塚治虫『ブッダ』第6巻から第10巻

2017年08月15日 23時24分48秒 | 漫画


手塚治虫『ブッダ』(潮ビジュアル文庫)を図書館で借りてきて引き続き読んでいる。
瀬戸内寂聴の『釈迦』(新潮文庫)も読んでいるのだが、アーナンダという人物が語り手になっている。そのアーナンダ(漫画ではアナンダ)が登場する。
第10巻ではブッダと二人で旅に出ることになった。
確かに、ブッダのまわりにたくさんの弟子が集まって、なんだか退屈だなと思っていたのでこのへんですっきりと二人旅にでも出て命を狙われたりするとちょうどいいと思う。
ブッダはしばらく横になっているうちに風貌がすっかり変わってしまった。大仏パーマであることしか過去の自分と共通点がない。
これは何を意味しているのかわからなかった。(宮崎駿はこれをヒントに『ハウルの動く城』を作ったのだろう。)
みんな丸坊主で着ているものも布切れ一枚なので、区別がつかなくなってくるためにブッダだけ突然年を取らせたのかもしれない。
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司馬遼太郎『十六の話』

2017年08月10日 21時15分53秒 | 文学
司馬遼太郎『十六の話』(中公文庫)読了。
「二十一世紀に生きる君たちへ」という国語の教科書のために司馬遼太郎が書いたという文章があり、わりと有名、なのかどうか、NHKの番組で二度ほど紹介されるのを見たのだが、この文庫に控えめに収録されているのを知り読んだ。
「華厳をめぐる話」というのがおもしろかった。釈迦について知ろうと思うきっかけになった。
「二十一世紀に生きる君たちへ」はなぜ有名なのかよくわからなかった。
緒方洪庵について、いつか『花神』を読みたいと思っている。「洪庵のたいまつ」は印象に残らなかった。
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