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『川端康成と東山魁夷 響きあう美の世界』

2023年02月26日 22時27分20秒 | 文学
『川端康成と東山魁夷 響きあう美の世界』(求龍堂)を図書館で借りて、ふたりの往復書簡のところだけ読んだ。
ふたりが行き来しあって、お互いにお土産をあげたりもらったりしている関係が少し羨ましい。こんな関係の人は私にはいない。
手紙の末筆に奥様によろしくと書かなければいけないのも初めて知りましたが、そのようなやり取りをすることは今後もないと思う。
東山魁夷の絵もカラーでたくさん掲載されているが、やはり樹木が題材になっているものが素晴らしいと思う。ヨーロッパの風景もまあいいが、樹木ほどではない。何と言ったらいいのか、マンガっぽく描かれているものもあるが、そういうものではなく遠目に見ると一瞬写真かなと思うくらいのもののほうが好き。
題材は樹木ではないが「年暮る」は見るたびに心を打たれるものがある。
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プラトン『テアイテトス』

2023年02月24日 22時48分23秒 | 文学
プラトン『テアイテトス』(光文社古典新訳文庫)を読んだ。
これで光文社古典新訳文庫から現在出ているプラトンの本は全部読んだことになる。
『テアイテトス』はよくわからない。ついていけているように思っていたが、「字母」とか言い出したところから取り残されたように思う。
結局は「知識」とは何かわかったのだろうか。
「どうせ結論ないんだろ」と思ってしまうと気持ちが変わり熱心に追う気もしなくなる。どうせソクラテスは話を細かく細かくして相手を煙に巻くだけだろうと思ってしまう。この人のいったいどこから何を学べばいいのだろうか。
よくわからないところではある。
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尾崎正明監修・鶴見香織著『もっと知りたい東山魁夷 生涯と作品』

2023年02月24日 00時20分25秒 | 文学
もっと知りたいと思い、尾崎正明監修・鶴見香織著『もっと知りたい東山魁夷 生涯と作品』(東京美術)を図書館で借りて読んだ。
もっと知りたいと思ったきっかけは、若松英輔の『考える教室 大人のための哲学入門』という本を読んでいたら、最後の参考図書リストのところに東山魁夷の『風景との対話』という本が出ていてそのタイトルと画家が書いたエッセイというところに興味を持ち、調べていると東山魁夷の絵にも興味が出てきて調べてみることにした、というようなことです。
本を読んだことはないし、あまり興味もないが、原田マハも『風景との対話』をお勧めしているようだ。

東山魁夷の絵については、この本の表紙になっている「道」はあまり好きではないのだが、これを描いた後の1958年の「秋翳」以降の絵がものすごくいいと思う。
森や樹を描いたものはぜんぶいいなと思った。部屋に飾りたいほどいいと思う。
白馬が出てくると「白馬は必要かな?」と思う。
親交のあったという川端康成にも興味が湧く。
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『アラジン』

2023年02月22日 22時41分54秒 | 英語
『アラジン Aladdin and Other Tales from The Arabian Night (ラダーシリーズ Level 3)』(IBCパブリッシング )を図書館で借りて読んだ。
「アラジン」だけじゃなく「アリババと40人の盗賊」と「船乗りシンドバッド」も入っている。
『千一夜物語』を読もうかなとも思ったが、もう少しやめておこうと思いとどまった。やっと『三国志』を読み終えたばかりだし。
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吉川英治『新装版 三国志(五)』

2023年02月21日 21時41分32秒 | 文学
吉川英治『新装版 三国志(五)』(講談社文庫)を読んだ。
ようやく読み終わった。
主要メンバーがみんな死んで、孔明だけが残り、ずっと戦っているだけの話になりつまらなかった。最後は孔明も死ぬ。
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ドストエフスキー『白夜/おかしな人間の夢』

2023年02月19日 22時28分06秒 | 文学
ドストエフスキー『白夜/おかしな人間の夢』(光文社古典新訳文庫)を読んだ。
「白夜」
「キリストの樅ノ木祭りに召された少年」
「百姓のマレイ」
「おかしな人間の夢」
「一八六四年のメモ」
が収録されている。
昔、角川文庫で「白夜」を読んだときにものすごく感動した記憶があり期待したが、そこまで心動かされることはなかった。純粋だったのかもしれない。
「おかしな人間の夢」が特別印象に残った。ちょうどニーチェについて考えていたからかもしれない。
「どちらでも同じこと」と思い自殺しようとしている男が、現在の地球とは別の、原罪の無い地球に行く夢を見る話だった。彼がそこに行くことで人々が「悪く」なる。
ドストエフスキーはなんだかすごいんだなと思い、長篇小説を読んでみる気持ちになる。『悪霊』とか。
古いSF、『ガリバー旅行記』なども読みたくなった。
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ニーチェ『この人を見よ』

2023年02月19日 12時45分51秒 | 文学
ニーチェ『この人を見よ』(光文社古典新訳文庫)を読んだ。
改めて思えば、ニーチェは何を言っているのかよくわからない。文章が読みにくい。なんでこんな書き方をするのだろう。バカなのかもしれない。
この人はだいたい同じことをずっと言い続けていたのだと思うが、なんでもっとわかりやすく言えなかったのだろうか。
知り合いにも評判の悪い『ツァラトゥストラ』の自慢をし続け、ドイツの悪口を言い、ワーグナーの話ばっかりして、なにかといえばディオニュソス。
残念だ。もうちょっと読者への歩み寄りみたいなものがあったら良かったなと思う。
同時代の一般のドイツ人の評判はどうだったのだろう。そこらへんがわからない。

コーヒーよりも紅茶が好き。しかも濃いめの紅茶。
スタンダールのここが大好き、とかそういう話をしてそこからキリスト教批判を軽くするみたいなそんな話が書けていたらもっと読みやすかっただろうなと夢想する。しかしそれはもはやニーチェではないかもしれない。
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柴崎友香『待ち遠しい』

2023年02月18日 09時33分21秒 | 文学
柴崎友香『待ち遠しい』(毎日文庫)を読んだ。
随分前に雑誌(「クロワッサン」か何か)を読んで興味を持ったのだと思う。文庫になったのを機に読んだ。
前半はたいへん愉しくて、このままずっと読んでおきたい気分になった。谷崎潤一郎の『細雪』とか、夏目漱石の『吾輩は猫である』を思い出し、再読したくなった。おそらく淡々と話がすすむところが好きだったのだろう。
後半になると、物語に起伏を持たせようとする気持ちが見えて、少し愉しくなくなる。
語り手が辛い目に遭って、自分の気持ちを宣言するということが文学では行われるが、それが繰り返されると少しうんざりもしてくる。「人生つらいなあ」と思って。
意識を強く持たなければ平気で生きていけることも多くあるので、生き方は難しいものだと思う。
いろいろ言われても何も気にせずにへっちゃらで自分の気持ちを何も宣言しないということは実際にはよくあることだと思うが、そのような語り手は文学では想像できない。
意識がはっきりしていて自分の気持ちを明確に定義できることが善しとされている。
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竹田青嗣『ニーチェ入門』

2023年02月13日 23時17分59秒 | 文学
竹田青嗣『ニーチェ入門』(ちくま新書)を読んだ。
『プラトン入門』を読んで、ニーチェにも興味を持って読んだ。この本は昔読んだことがある。
ニーチェはなかなか近づきがたくて、彼の著書を読んでも、アフォリズムだったり、意味のわからない詩的なものだったりして読んでも楽しいものではない事が多い。ちょっと読んでみようとは思っているが、『道徳の系譜学』くらしか読めないかもしれない。
『ニーチェ入門』は、サングラスをかけて竹刀を持って校内を歩いている先生を、「あのひとは生徒のことをいちばん思ってくれている先生だ」と教えられているような雰囲気がある。ニーチェってそんなにすごいひとなのかな、と思ってしまう。
少なくとも「永遠回帰」のすばらしさがやっぱり私にはこの本を読んでもわからなかった。
ニーチェが思想史的にすごいということはその通りなのだろうと思うが、私が読んで時間の無駄にならないかどうかはわからない。
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プラトン『ゴルギアス』

2023年02月12日 00時24分40秒 | 文学
プラトン『ゴルギアス』(光文社古典新訳文庫)を読んだ。
『ゴルギアス』に登場するカリクレスは、私たちのソクラテスに対する不満を代弁してくれている気がする。
ソクラテスは話をすり替えるし、細かいところを突いてきて混乱させる。いくつか読んでいると、そのようなソクラテスの印象がある。
『ゴルギアス』のソクラテスは、若いカリクレスにわりと誠実に対していて、この若い人にほんとうに正しくなってほしいと思っているように読める。いつもよりも議論が途中やめになっていない印象だった。自分の思っていることをストレートに言っている。
私たちはいまいろいろなところで誠実さを失い、詐欺のようなものばかり見せられているように思うが、ソクラテスに歯向かうカリクレスに、そしてカリクレスの話に説得させられる自分に、いまの世の中の不誠実さの原因があるような気がする。
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