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頭木弘樹『絶望名言 文庫版』

2023年05月31日 23時52分51秒 | 文学
頭木弘樹『絶望名言 文庫版』(飛鳥新社)を読んだ。
ラジオ番組を書籍にしたもの。
ラジオ番組は聴いたことはないが、頭木弘樹の本をいくつか読んだことがある。この本の単行本も一冊分は読んだことがあるが、二冊分を一冊にした文庫で前半は読んだことがなかった。
中島敦の話などは僕には身につまされる気がした。

頭木弘樹がところどころで病人としての自分の話をしていて、はっとするようなことがいくつもあった。
病気になると立派になることを期待される、とか、体に悪いことをして病気になった人がいてもその人を責めるのは酷だ、病気というのはそのくらい辛い、というようなことを語るが、ほんとうにこの人は病気の中を切に生きたのだなと感じさせる。
この本に登場した人の本を読むときは再読したい。
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北杜夫『楡家の人びと 第三部』

2023年05月27日 22時04分47秒 | 文学
北杜夫『楡家の人びと 第三部』(新潮文庫)を読んだ。
最後まで読んだがあまりおもしろさがわからなかった。
太平洋戦争の悲惨さはよくわかった。
どう考えても、こんな戦争勝てるわけないよなと思った。お腹が空いてふらふらしている人たちがどうやって戦えるのだろう。どう思ってこの戦争を続けていたのだろう滅茶苦茶だと思った。やめる決定が下せる人は何をしていたのだろう。
昔から戦争中の話は、お腹が空いていて暴力ばっかりで訳の分からない人たちが威張っていて、という話をずっと読んできたわけだが、そういう戦争の話しか読んでいないので戦争というものはそういうものだと思ってきたような気がする。でも改めて思ってみるとこの戦争の戦い方というか負け方は日本独自のものがあるような気がするなと感じる。そしていまもその根本のところは変わっていないのではないかという気もする。
泥沼の戦いをしている日本の会社員は多いのではないかと思う。
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ヘンリー・D・ソロー『ウォールデン 森の生活 (下)』

2023年05月25日 22時51分59秒 | 文学
ヘンリー・D・ソロー『ウォールデン 森の生活 (下)』(小学館文庫)を読んだ。
多くを求めすぎて複雑になり大変になっているのではないか、もっと単純に生きたら良い、というようなことをソローは言って、確かにその通りだと思うことも多かった。
いい本だと思うが、そんなに(私にとっては)必要のない風景描写とかが多くあり、一冊読むのは長いなと感じた。
下巻では第11章「法の上の法」と第18章「結論」だけが良くて、あとはいらないなと感じた。
最近、『森の生活』を抜粋したような本や、雑誌などで一言書かれているようなものを見ることがたまにあるが、たしかにそのように誰かに選ばれた一部だけ読むので良い本かもしれない。全部は長すぎる。
長すぎるがソローの思想を知りたい、惹かれるというひとは多いのだと思う。
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北杜夫『楡家の人びと 第二部』

2023年05月22日 20時15分03秒 | 文学
北杜夫『楡家の人びと 第二部』(新潮文庫)を読んだ。
二冊読んだがあまりおもしろさがわからない。
この本を読み始めたのは『きみに贈る本』という中高生向けくらいの本で薦められていたからだが、中学生か高校生がこれを読んでおもしろいのだろうかと心配になる。
三島由紀夫もどこかでこの本を評価していた。
戦時中の感じがよく出ているという評価を『きみに贈る本』に書かれていたように思うので、第三部がおもしろいのかもしれないと思い期待しよう。
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『ビートルズ・ストーリー』

2023年05月21日 23時50分29秒 | 英語
『ビートルズ・ストーリー The Beatles' Story (ラダーシリーズ Level 4)』(IBCパブリッシング )を図書館で借りて読んだ。
ビートルズの曲をよく聴いていたこともあったのだが、どんな出来事があったのかはほとんど知らなかった。ジョン・レノンが殺されたことと、一度テレビでジョン・レノンとオノ・ヨーコがベッドに横になって記者会見のようなものをしていたのを見たことがあるくらいだった。
リンゴ・スターとジョージ・ハリスンの顔がどっちがどっちだか分かってなかった。
マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーのことも聞いたこともなかった。ジョン・レノンはスピリチャルなものにはまりそうなイメージはあったが、他のメンバーもいっしょにインドに行って、しばらく過ごしたということらしい。とくにはまっていたのはジョージとのこと。
少し前に藤井風がサイババの影響を受けているとの報道があったが、ビートルズにもそんなことがあったのだなと思った。(ちなみに、藤井風のサイババ問題については、目についた記事を読む限り何が問題なのかよくわからなかった。サイババが怪しいから駄目で、それがガンディーとかマーティン・ルーサー・キングとかだったら問題にならなかったんだろうなと思った。)
怪しい宗教にはまったり、有能なマネージャーが死んでメンバーの仲が悪くなったり、メンバーのひとりが女に夢中になりその女性を勝手にレコーディングに連れてきたり、自分では才能があると思ってるのに相手にされないメンバーがいたり、いまでもありそうな話がたくさんあった。
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青木亮人『学びのきほん 教養としての俳句』

2023年05月21日 17時44分07秒 | 文学
青木亮人『学びのきほん 教養としての俳句』(NHK出版)を図書館で借りて読んだ。
年を取ってくると誰でもそうなのかどうかわからないが、自分の人生には驚くようなことは起きず、ただただ日常が続いていくだけということがわかってくる。というか観念する。諦める。
それがべつに悪いことだとも思わなくなる。
『プレバト!!』というテレビ番組を見て、俳人の夏井いつき先生の添削の鮮やかさにいつも感心していて、俳句にも少し興味を持ったのでこの本を読んでみた。俳句を作れたら日常の細やかな季節の移り変わりに目を向けることができて楽しいかもしれないなと思う。
とってもいい本だった。
このかた(青木亮人)の書くものであれば他のものも読みたいと思った。
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松浦弥太郎『あなたに贈る人生のくすり箱 愛さなくてはいけない ふたつのこと』

2023年05月20日 22時09分41秒 | 文学
松浦弥太郎『あなたに贈る人生のくすり箱 愛さなくてはいけない ふたつのこと』(PHP研究所)を図書館で借りて読んだ。
夫婦喧嘩をして滅茶苦茶腹を立てたまま読んだせいで、あんまり頭に入らなかった。(松浦さん、ごめんなさい。)
この本で言う「ふたつのこと」とは不安と寂しさ。
まるでいま時点で私がぶつかっている問題(夫婦喧嘩)とは関係ないが、文章を一冊分読むことで少し落ち着く。(松浦さん、ありがとう。)
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松尾芭蕉『おくのほそ道』

2023年05月20日 21時57分59秒 | 文学
松尾芭蕉『おくのほそ道』((河出書房新社『日本文学全集12』所収))を図書館で借りて読んだ。松浦寿輝訳。
翻訳で五十ページほどで短いのだが、きちんと読めもしないし、ちっともおもしろさがわからなかったがそういうものだろう。
旅をして読んだ俳句が書かれている本なので、俳句を愉しめないひとには読めない本だ。
安田登の言う、能というのがどこらへんなのかさっぱりわからなかった。
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安田登『学びのきほん 役に立つ古典』

2023年05月19日 14時12分59秒 | 文学
安田登『学びのきほん 役に立つ古典』(NHK出版)を図書館で借りて読んだ。
『古事記』と『論語』と『おくのほそ道』と『中庸』について語られている。
『論語』についてのこの人の話は以前別の本で読もうとしたことがあって、不惑の「惑」の字はじつはこれではなくて「或」だったはずだということで、意味は「惑わない」ではなくて「区切らない」だ、という話を以前も読んだが今回も同じ話が載っていた。
そのように、ほんとうはこうだったはずだと言われると、現在出版されている本で『論語』を読む意味って僕には無くなってしまうなと思ってしまう。買って読んでもほんとうは間違っていることを読んでいることになるから。
なので『論語』の部分はあまり感心しなかった。
『おくのほそ道』の話はおもしろかった。芭蕉が実際にあったことを書き残しているわけではなく、能の中の旅人を演じているようなことを『おくのほそ道』でやっているというのは初めて知った。であれば読んでみても良いかもしれないと思った。創作が入っているらしい。
太宰治の『津軽』なんかも実際に太宰治が体験したことのみが書かれているわけではないと思うが、そのような感じなのだろう。
夏目漱石の『草枕』の主人公も、「この旅中に起る出来事と、旅中に出逢う人間を能の仕組と能役者の所作に見立て」ようと決めて旅をするという話がこの本に書かれてあり、松尾芭蕉と同じなのだなと思った。
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松浦弥太郎『なくなったら困る100のしあわせ』

2023年05月18日 23時10分09秒 | 文学
松浦弥太郎『なくなったら困る100のしあわせ』(SBクリエイティブ)を図書館で借りて読んだ。
基本的には古いものがいい、という話だった。読みやすいので暇つぶしに読むにはちょうどよい本だった。

068「歌という贈り物。」
 贈り物に歌という発想がなかった。
075「近所の人との立ち話。」
 確かに近所の人と(とくにお年寄りと)話すべきかもしれない。
090「週末の夜に楽しむボードゲーム。」
 なにかの集まりの折にボードゲームを持っていくということは憶えておいていいことのように思った。

このあたりが印象に残った。
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