![演劇入門 (講談社現代新書)](http://ec2.images-amazon.com/images/I/41B60WZHEVL.jpg)
平田オリザ『演劇入門』(講談社現代新書)を図書館で借りて読む。
平田オリザの言っていることは非常によくわかる気がする。
・今の日本には知っている人同士の「会話」はあるが、知らない人と話をする「対話」はあまりない。なので演劇の中で知らない人と話をする場面があってもそこが不自然になってしまう。
・登場人物に対話をさせるためには情報量の差が必要である。情報量に差がなければ、情報の交換は行われない。
・演出家は権力を持っているので俳優に怒鳴り散らすひともいる。しかし平田オリザはそのようなことはしたくない。きちんと言葉で演技指導したい。
特に、怒鳴る演出家というのはたくさんいるのだろうなと思う。怒鳴る演出家がたくさんいるなかで怒鳴らない演出家でいようと思っているところに平田オリザの素晴らしいところがあると思う。僕もほんとうにそういう人が嫌なので平田オリザの気持ちはよく分かる。人間関係は上下関係しかないと思っているひとがほんとうに多いように思う。
テレビ番組の「アメトーーク!」で、雨上がり決死隊の宮迫が「先輩やぞ!」と突っ込むのを聞くたびにこのひとはいったい何回この突っ込みをし続けるのだろう、いったいどれだけ先輩後輩の関係に疑いを持たずに生きているのだろう、と思う。そこだけが「アメトーーク!」で嫌いなところだ。