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隆慶一郎『吉原御免状』、井上陽水「氷の世界」

2013年12月29日 01時04分32秒 | 文学
隆慶一郎『吉原御免状』(新潮文庫)読了。
網野善彦の学説の影響を受けているということで読んだ。
明智光秀が生き残っていたり、徳川家康が実は死んでいたり、という結構はちゃめちゃな話で最初のほうはおもしろかった。司馬遼太郎か山田風太郎かで言えば、山田風太郎だった。
途中から興味を失ってしまった。
なぜだろう。網野史学の話が出そろってしまうと、あとは物語の決着をつけるだけになるので、私にとって裏柳生と主人公の対決の話はどうでもよくなっていたからかも。
話にあまり入り込めていなかったのだと思う。
続編もあるが読まない。
網野善彦の『無縁・公界・楽』を読もうと思う。

井上陽水のアルバム「氷の世界」についてのNHKの番組(ドキュメント「氷の世界40年」)を見た。
おもしろかった。
「心もよう」という言葉は当時斬新で、「心」と「模様」の組み合わせはなかったという話が驚きだった。(しかもタイトルは井上陽水がつけたものではない。)こういうことはその時に生きていないとわからない。あとからでは普通になってしまっている。「空模様」も実は最近の言葉なのかもしれない。
「帰れない二人」が洋楽っぽかったというのも驚きだった。私の感覚では「帰れない二人」は歌謡曲っぽい。強いて言えば井上陽水の歌謡曲っぽい。
宇多田ヒカルが「Automatic」で登場したときに、「これはものすごく洋楽」と驚いたものだが、たぶんそんな感じなのだろう。いまの若い人が聞くと「Automatic」も歌謡曲なのかもしれない。いや、歌謡曲という言葉がすでに死んでいるような気がするので、「ふつうにJポップ」と言われるのかもしれない。
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スタンリー・ドーネン監督『シャレード』

2013年12月29日 01時02分59秒 | 映画
スタンリー・ドーネン監督『シャレード』を見た。
少し前にNHKでオードリー・ヘプバーン特集をしていて録画していた。年末なので時間があるので見た。
感想は、別になし。おもしろくは、ない。
ケーリー・グラントが悪い人のわけないんだよね。
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年末に気になる音楽

2013年12月28日 00時11分28秒 | テレビ
この間NHKの「あさイチ」に黒柳徹子が出演したので録画して見た。
黒柳徹子の話はいつも通りで特に新たな発見もなかったのだが、グッチ裕三担当の別のコーナーで2チェロズという音楽グループを知り、興味を持った。
これまで何度かどこかで、マイケル・ジャクソンの「ヒューマン・ネイチャー」を楽器のみの演奏で(いわゆるインストゥルメンタルで)流れるのを聞いたことがあったのだが、これだったのかと思った。
要チェック。
また、小田和正が毎年やっている番組「クリスマスの約束」も録画して見た。小田和正にはあんまり興味はないのだが、桜井和寿が出るので見た。ちょっとミスチル(Mr.Children)でも聴いてみようかという気になった。
アマゾンのミスチルのCDの低評価のレビューを見ていて、そういえばきちんとした音楽評論というものはいつか竹田青嗣も言っていたように、あまりないのだな、と感じた。あまり目にしたこともないし、音楽評論家と言われても思い浮かぶひともいない。音楽評論ということで真っ先に思い浮かぶのは小林秀雄の「モオツァルト」で、評論家というと吉田秀和しか出てこない。どちらもクラシック。やってることもやってる本人もクラシカル。
ほんとうはきちんとしたJ-POP評論家がいるのかもしれないが、私のような門外漢の目に触れることはない。
で、アマゾンの低評価のレビューを見ていたら結構熱く語られていて、おもしろかった。

好悪を離れた(離れなくてもいいけど)、きちんとした日本のポピュラーミュージックの音楽評論の本があれば、そういう本を私は読みたい。(なんとなく宮沢賢治ふう)
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江藤淳『近代以前』

2013年12月27日 22時22分29秒 | 文学
江藤淳『近代以前』(文春学藝ライブラリー)を読んだ。
私には難しすぎました。
しかも引用が多く、江戸文芸からの引用なのでさらっとは読めない。
近松とか西鶴とかを読む日が私にも来るのだろうか。(来ないだろうな。)
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カレン・ジョイ・ファウラー『ジェイン・オースティンの読書会』

2013年12月23日 00時29分12秒 | 文学
この前テレビドラマ「ドクターX 外科医・大門未知子」の最終回を見ていて、このドラマを最初から見ておけばよかったと少しだけ悔やんだ。
このドラマはいろいろな作品の引用があり、思い浮かぶだけでも「プロジェクトX」、「ブラック・ジャック」、「外科医有森冴子」、「白い巨塔」、「家政婦は見た!」などが引用されていると思う。
引用が多い作品は素晴らしい。
名医紹介所で麻雀をしているのを見ると、自分もそこに行って麻雀をやりたくなる、そんな雰囲気がうまく出せていたと思う。

カレン・ジョイ・ファウラー『ジェイン・オースティンの読書会』(ちくま文庫)を読んだ。
この本はいつかジェイン・オースティンの小説を読みなおすときに、再読しようと思う。
「私たち」という言葉の使い方が独特で、「私たち」に含まれるのがAとBとCであると思っていると、AでもBでもCでもなくなっていくという使われ方をしていた。
しかしこれは英語がどうしても主語を立てなければ話ができないということから起きていることなのかもしれない。
つまりずっと「私たち」とは言っているが、同一の「私たち」で話をしているわけではない、または誰を指しているわけでもない、ということなのかもしれない。
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是枝裕和監督『歩いても歩いても』

2013年12月21日 16時16分27秒 | 映画
是枝裕和監督『歩いても歩いても』を見た。
作家性を感じると、同じ監督の作品を続けて見たくなる。この場合の作家性というのは、個々の物語とは関係なく感じられる共通点、のようなもの。
といってもまだこの監督の作品を意識して見るのは二作品目で、『そして父になる』との比較しかできないのだが、それでも俳優をはじめ、いろいろなところに共通点があった。

特におもしろいと思って、書いておきたいのは「子供は親の言葉を口にするとき、親と和解できる」というような思想だ。
『そして父になる』では、福山雅治が父親の夏八木勲の、「(血のつながった)子供は大きくなるにつれて親に似てくる」という言葉を繰り返す。それと、「スパイダーマンが蜘蛛だって知ってた?」みたいなことをリリー・フランキーが言ったのを、子供が最後に口にしたように思う。
『歩いても歩いても』では、阿部寛が樹木希林の言葉「黄色いチョウチョは去年死ななかったモンシロチョウである」を繰り返すことで物語が終わる。
他の映画でもこの思想が現れているのかを確認しておきたい。

『歩いても歩いても』は樹木希林の演技を見るための映画だった。
実際に自分の親でもこんな感じのところあるなという場面が満載で、人間は立派でも極悪人でもないということがあらためてよく知れる映画だった。
タイトルがいしだあゆみの「ブルー・ライト・ヨコハマ」から取られているのが驚きだった。そんなふうに思わなかったので。
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梅棹忠夫『知的生産の技術』

2013年12月17日 23時45分30秒 | 文学
梅棹忠夫『知的生産の技術』(岩波新書)読了。
カードの使い方だけ興味を持って読んだが、ほかの部分は今となってはあまり参考にならない話が多かった。
一箇所、これはと思う部分に付箋を貼った。
≪わたしのやりかたでいけば、本は何かを「いうためによむ」のではなくて、むしろ「いわないためによむ」のである。≫(116頁)
まるで内田樹が言いそうなロジックだと思った。実際に読んだことがあるような気がする。
それにしても梅棹忠夫はひらがなの多い文章で、いま読むと少し読みにくい。
「只棹埋男(たださお・うめお)」という人物が出てくる小説を読んで驚いた、とあるが(199頁)誰の本なのだろうか。

有名だけれど、ほんとうにこのひとは偉いのだろうか、と思っていた人の本を初めて読んだが、ほんとうにこのひとは偉いのだろうか、という気持ちは変わらない。
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『ジェイン・オースティンの読書会』第四章で重大なことに気付く。カードの使い方。

2013年12月16日 23時37分49秒 | 文学
カレン・ジョイ・ファウラーの『ジェイン・オースティンの読書会』を読んでいるが、あまり評価していなかった。おもしろくないことはないけれども、アメリカの創作教室で習う(知らないけど)、読者を飽きさせない方法を満載した小説だなというくらいの感覚で読んでいた。
第四章まで読んだところで重大なことに気付いた。
この小説は各章でジェイン・オースティンの六つの長篇小説の読書会が順番に行われるという設定の小説なのだけれど、読書会についての描写は少なく、もっとジェイン・オースティンの小説について登場人物が語り合うことを期待していたので物足りない思いがしていた。
第一章の『エマ』の読書会から順番に読んでいて、ついこの間僕が読んだばかりの『ノーサンガー・アビー』が第四章で取り上げられた。
ここでも『ノーサンガー・アビー』の読書会そのものはあっさりと描かれるのだが、そのあと登場人物がよく知らない邸宅に行き、その家のクローゼットを開ける場面を読んで、これはこの話全体が『ノーサンガー・アビー』の引用なのだと気付いた。
ということは、これまでも、そしてこれからも取り上げられるジェイン・オースティンの小説がそこかしこで引用され続けた(る)のだろう。
これでは読む前にジェイン・オースティンの小説を読まねばならないのではないか。『ジェイン・オースティンの読書会』は各章を読者もジェイン・オースティンの読書会に参加する覚悟で臨まないといけないのだろう。
とてもおもしろい試みだと思う。

『ジェイン・オースティンの読書会』で読書会用にカードにメモを残す、という場面があった。またこの間NHKの小津安二郎の番組で、脚本を書くときに小津安二郎と野田高梧がカードに場面を書いていたということを知った。
この「カード」というものに興味を持って調べてみると、梅棹忠夫の『知的生産の技術』にカードの使い方が書いてあるということが分かったので、読んでいる。
今後カードを使ってみることを検討している。
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山本博文『歴史をつかむ技法』

2013年12月15日 22時35分07秒 | 文学
この間テレビで岩井俊二の『Love Letter』をやっていたのでひさしぶりに見た。
やはりとてもいい映画だと思った。

NHKの小津安二郎の特別番組(「隠された視線」)を見た。
小津安二郎の『秋日和』が見たくなった。NHKでそのうちやるだろうから録画しよう。

ドラマ「クロコーチ」の最終回を見た。
やはり最初だけがおもしろいドラマだった。
なんで途中からこんなに面白くなくなったんだろうか。桜吹雪会がほんとうに存在していて、圧力があったんじゃないかという気すらする。

そのほかドラマでは「リーガルハイ」と「ドクターX 外科医・大門未知子」を先週はちょっと見たが、どちらも失敗しない(負けない)主人公というのが共通していて、なんか時代を反映しているのだろうなと思う。どう反映しているのかは知らないが。

山本博文『歴史をつかむ技法』(新潮新書)を読んだ。
最初と最後はおもしろかったが、途中の日本史総おさらいのところは退屈した。
タイトルからの期待でいえば、歴史学のようなことが知りたいのであって、日本史自体はそこまで詳しく書かなくてもいいんじゃないかという気がする。
藤沢周平の『用心棒日月抄』では赤穂事件が描かれるらしく、読みたくなった。
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網野善彦『歴史を考えるヒント』

2013年12月09日 23時56分04秒 | 文学
網野善彦『歴史を考えるヒント』(新潮文庫)を読んだ。
以前新潮選書版を図書館で借りて読んだことはあるが、少し歴史について勉強しようと思い、まずは網野善彦の本から、と思い読んだ。
一度読んだことがある本なので(当たり前だが)、聞いたことのある話ばかりだなと思った。
「日本」ができたのは七世紀、百姓は農民ではない、庭は最高の権力者に直結する場、など興味深い話のたくさん詰まった本だと思う。

「考えるヒント」と言えば、新潮社の雑誌「考える人」はわりと注目している雑誌で、毎号特集が何になるのか気にしている。気にして、相当興味があれば買う。値段が高いのでちょっとの興味であれば買わない。
一番最近では小林秀雄の特集を付録のCDを目当てに買ったが、内容は薄いように思った。
TED特集もたまたま英語の勉強をしていたので少し興味を持ったが買わなかった。ちなみに英語の勉強は今はしていない。
次回は「こころよく はたらく」ということで、興味深いが買いはしないだろう。
「考える人」について考えていて、私がこのテーマなら買うかもしれないという特集を考えたのでメモしておく。「英語」「歴史小説」「対談・鼎談・座談」「江藤淳」「丸谷才一」。
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