![もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら](http://ec3.images-amazon.com/images/I/51xgGdRt0QL.jpg)
会社で借りた、岩崎夏海「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(ダイヤモンド社)を読んだ。名前から作者は女性だと思っていたが、あとがきを見ると「ぼく」と言っているので男性なのだろう。
小説は、高校野球のマネージャー(川島みなみ)がドラッカーの「マネジメント」を読み内容を実践して甲子園を目指すという話だった。
大江健三郎の小説で、主人公がダンテの「神曲」やセルバンテスの「ドン・キホーテ」を読みながらそれに重なるような出来事を経験する、ということがよくあるが、そんなようなものだろう。
ドラッカーに興味を持ったし、もともと高校野球の話が好きなので非常に愉しく読めた。特に前半。
以下、読みながらメモしたことを書き残す。
・これまでのマーケティングは製品からスタートしている。真のマーケティングは顧客からスタートする。
・フォアボールを出したくて出すピッチャーはいない。
・働きがいを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。
・高校野球で死につつあり、陳腐化したもの
――「送りバント」と「ボール球を打たせる投球術」
・送りバントという作戦は、選手や監督の考え方を硬直させ、最近では野球をつまらなくさせる一因ともなっている。
・甲子園の長い歴史の中で、イノベーションを起こした監督は、池田高校の蔦文也監督と取手二高の木内幸男監督。
特に「送りバント」は、甲子園を見るたびに「くだらん。そんなことをするくらいならやめちまえ」と思っていたので、とても共感した。