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岸田秀『唯幻論物語』

2014年01月29日 23時54分12秒 | 文学
岸田秀『唯幻論物語』(文春新書)を読んだ。
この本は小谷野敦の『すばらしき愚民社会』の岸田秀批判の反批判として書かれたものらしい。
しかし『すばらしき愚民社会』を読んでいないので、反批判が正当なのかどうかはわからない。
あとがきでは小谷野敦のことをものすごく持ち上げている。まあ社交辞令かもしれない。

それにしても、岸田秀は僕にとってものすごく重要な存在だった時期もあるのだが、最近二冊続けて読んでどちらも何にも響くものがなかった。
いや、何にも、とは言いすぎで、この本では、自分のことを自分で考えてもよくわからないので、嫌いな人にその行動を置き換えて動機を探ったら、それが自分の動機である、というようなところはおもしろかった。
しかしほかの著書も読んでみようという気にはならなかった。
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ヒッチコック監督『マーニー』

2014年01月28日 00時16分03秒 | 映画
ヒッチコック監督の『マーニー』を録画していたので見た。
昔見たことがあるのだが、全く忘れていた。そしてまた忘れてしまうと思う。
おそらく当時フロイトの心理学が流行っていて、それをネタにヒッチコックが撮ろうと思ったのだろうと思う。
心理的な病には明確な原因があり、それがわかった瞬間に病が治るというのは、たぶんフロイト心理学にまつわる伝説のように思うが、ほんとうにそんなものなのだろうか。自分に経験がないのでわからない。でもそんなに簡単なものでもないのではないかと思う。
治ったと思っていても治ってなかったり、理解したと思っていても理解していなかったり、もうしないと思っていてもまたやってしまったり、そんなことはよくあることだと思う。
いまたまたま岸田秀の本を読んでいるので、おもしろかった。
まだしばらく心理学の本を読むつもり。

司馬遼太郎の『播磨灘物語』を読み始める。
まだ黒田官兵衛は登場せず、彼の曽祖父高政が出てきただけ。
いまのところ、エッセイみたいで読みやすそう。しかし四冊終わるまで興味が続くかどうかは不安。司馬遼太郎の本で最初から最後まで面白かった本は私にはない。
でも司馬遼太郎を読むと司馬遼太郎の本をほかにも読みたくなる。
いまは『この国のかたち』や『風塵抄』などのエッセイを読みたい。また講演集がおもしろかったのでまた読みたいなと思う。
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山田洋次監督『東京家族』

2014年01月27日 01時08分52秒 | 映画
山田洋次監督『東京家族』をテレビで見た。
私の両親がこの映画のことを、ひさしぶりに映画館で映画を見たがとてもよかった、と言っていた。
世代で言えば私の両親くらいの年代がターゲットの映画なのかもしれない。私にはずっと違和感があり、最後まで違和感の残る映画だった。
妻夫木聡が蒼井優を紹介するときに「なんて紹介したらいいのかわからない」と言っていたが、「カノジョ」でいいんじゃないだろうか。それ以外にない。田舎から出てきて東京で何年もひとりで生活してもこんなにすれていない青年はいるだろうか。母親にあんなに恋人とのナレソメを語るのだろうか。たぶん、入り口としてはこの映画の私のようなものの入り口は妻夫木聡なのだろうが、どうも入りにくい入り口だった。
小津安二郎をものすごく意識していて、撮り方とか、セリフの言い回しとか、こういうものを「小津調」というのだな、と改めて思った。「小津調」がどういうものかを知りたければこの映画を見て違和感を感じたらいいと思う。西村雅彦はずっと笠智衆の物真似をしているようだった。こんなへんな映画はない。そこは違和感を感じたが、素晴らしいと思いました。
『東京物語』を大学生で見たときに杉村春子は鬼のような娘だと思ったが、中嶋朋子はわりとソフトでどちらかと言えば優しい娘だった。もっと杉村春子は鬼だったと思う。
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岸田秀『性的唯幻論序説 改訂版 「やられる」セックスはもういらない』

2014年01月27日 00時48分41秒 | 文学
岸田秀『性的唯幻論序説 改訂版 「やられる」セックスはもういらない』(文春文庫)を読んだ。
『ものぐさ精神分析』はものすごく好きで、岸田秀には結構影響を受けていると思うのだが、こんなにもおもしろくなかったっけ、と思った。
なにひとつ興味深い話がなかったように思う。
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西研『集中講義 これが哲学! いまを生き抜く思考のレッスン』

2014年01月24日 23時03分08秒 | 文学
西研『集中講義 これが哲学! いまを生き抜く思考のレッスン』(河出文庫)を読んだ。
前半はおもしろかったが、後半はそうでもなかった。
フーコーやデリダよりもフッサールやヘーゲルのほうがすごい、みたいな話はもういいのではないか。「いまを生き抜く思考のレッスン」とまで言っているのだが、ふつうに生きていて、ふつうに読めて、ふつうに使えるものを読みたい。哲学史上のどっちが偉いかなどはふつうのひとにはあまり興味のない話じゃないかと思う。
たぶんそういうことを西研は目指しているのだと思うのだが。

松たか子が映画『小さいおうち』の宣伝のためテレビに出ているので見た。
「徹子の部屋」と「ぴったんこカンカン」を見た。
『小さいおうち』は吉岡秀隆に松たか子が惚れるというところに無理を感じるが、実際に映画を見たらそのようには感じないだろうか。
いまもっとも興味のある映画だ。
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「軍師官兵衛」第三話、岸田秀

2014年01月21日 00時36分38秒 | テレビ
大河ドラマ「軍師官兵衛」第三話の録画していたものを見る。
最後のほうで主人公がキリスト教に惹かれる場面があり、このひとがどのように入信するのかに興味を持った。やはり司馬遼太郎を読むべきだろう。
ちょうどこの前読んだ『梟の城』に登場した今井宗久がドラマに登場し、それも今回わりとおもしろかった原因だと思う。『梟の城』ではそういう設定だったのだが、秀吉暗殺を企てるようには見えなかった。官兵衛に鉄砲を売っていた。小西博之(コニタン)だった。

是枝裕和監督の『奇跡』を見たあとに、山田洋次監督の『東京家族』が見たいと思っていたらテレビでやるので録画して見てみようと思う。NHKでないのが残念。
山田洋次の『小さいおうち』にも興味がある。
岸田秀の『性的唯幻論序説 「やられる」セックスはもういらない』を読んでいると、女性のセックスについてさんざん語られるので、『小さいおうち』の不倫についても女の性欲という面から読み解きたい、というほどたいそうなものでもないが、興味がある。
しかし岸田秀のこの本は、同じ話をなんどもなんども聞かされているような気分にさせる本で、あまり論理の飛躍というか、読んでいての驚きのようなものはない。岸田秀がまわりの女子大生から聞かされた性体験の話を、おじさん的な興味と論理で解説するというような本で、ちょっと退屈である。しかも強姦の話が多く、気持ちがへこむ。
「あの先生は強姦の話を真摯に聞いてくれるらしい」という噂が岸田秀の周辺に広まって、数々の不幸な経験をした女子大生たちが彼のところで、夜ごと物語をしたのではないかと思われる。
周囲に同じような経験をした同じような傾向のひとたちが集まり、その人たちの話を聞き続けていると、なにかしら聞いている人もある傾向を持った考えになってしまうのは仕方のないことで、この本では岸田秀の考え方の癖みたいなものをちょっと強く感じるなと思う。こういうことは瀬戸内寂聴にもよしもとばななにも感じる。もともと岸田秀は「人間の本能は壊れている」という思想だけでやってきたような人なので、思い込みの強い人ではあるのだろうと思う。ある方向に振れるとそっちに突っ走るのだろう。
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司馬遼太郎『梟の城』

2014年01月17日 00時28分36秒 | 文学
司馬遼太郎『梟の城』(新潮文庫)。
もっと秀吉の話をするのかと思ったら、秀吉は最後に登場するだけだった。
忍者の話が中心だった。
忍者の話を聞くつもりだったら楽しかったのだろうが、秀吉の話を聞くつもりだったのであまりおもしろくなかった。
次は秀吉の話を聞く。
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大河ドラマの徳川家康予想、心理学、健康診断

2014年01月14日 22時08分40秒 | 文学
録画したNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の第二話をインターネットをしながら見た。
たぶんもう続かない。そのうち見なくなると思う。
初恋って必要かなあ。
気になっているのは、黒田官兵衛がどこかに幽閉されて見つかるあたりが見たいのと、徳川家康をだれがやるのかの二点くらい。
私の予想では、永井大が出ているので渡辺謙が徳川家康をやるのではないかと思う。そうでなければ、なぜ永井大が出ているのかわからない。
ちょうど朝ドラ「ごちそうさん」に杏が出ているし、話題になるんではないかと思う。
そこを追いかけておきたいとは思うのだが、大河ドラマは退屈なところが多い。司馬遼太郎の『播磨灘物語』を読んでしまったら、見なくなるかもしれない。却って見るかもしれない。わからない。

最近岸田秀が気になっている。
ひさしぶりに本が読みたいのだが、あまり本屋に本が並んでいない。
なんで読みたくなったんだろう。たぶん、この間NHKの「100分de幸福論」を見ていて、フロイトについて話しているのを聞いて、ひさしぶりに読みたくなったんだと思う。
最相葉月の『セラピスト』という本が出るようなのだが、それも気になっている。
いま心理学に惹かれている。

それと近藤誠も気になっている。
メガネを子どもによく悪戯されて、ツルが拡がってしまうので眼鏡屋で直してもらうのだが、この間も直してもらっているときにそこに置いてあった雑誌(「日経おとなのOFF」)を見ていた。メガネがないのでものすごく顔に寄せて読んでいたのだが、ちょうど近藤誠がインタビューに答えていて、健康診断はできるだけ受けるものではない、医者の数が相対的に多くなっているから患者を増やすためにやっているのだ、会社が親切でやっているわけではない、という意見を言っていて、「なるほどそうだ」と思った。
このひとの意見をもっと聞きたいという気にさせる。
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是枝裕和監督『奇跡』

2014年01月13日 21時38分24秒 | 映画
是枝裕和監督『奇跡』を見た。
この監督の作品の、子供は親の言葉を繰り返すという思想は健在で、今回は孫が祖父の言葉を繰り返した。「今日は積もらへんな」。
両親の離婚により鹿児島に引っ越してきて、桜島の火山灰が嫌いな主人公が最後に自分の環境を受け入れる、という簡単に言うとそういう話だった。
是枝裕和監督の作品の子役の演技はいつも自然なのだけれど、今回はあまり、だった。まえだまえだの兄が主人公なのだが、頑張ってお芝居している感じが出ていた。芝居をしない、または芝居をしない芝居をする、というのは難しいのだと思う。
ここまで来たら、『誰も知らない』も見ないといけないと思う。

「かるかん」というお菓子を祖父(橋爪功)が作るのだが、聞いたことのないお菓子だった。おいしそうではない。
橋爪功を見ていたら、山田洋次の『東京家族』が見たくなった。
早くNHKでやらないかなあ。
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芥川龍之介「魔術」「杜子春」、司馬遼太郎の忍者もの、黒田官兵衛

2014年01月09日 00時39分08秒 | 文学
正月に甥に本をプレゼントしたのだが、贈った本(『ふしぎな話 (中学生までに読んでおきたい日本文学)』)の目次を見ていて、芥川龍之介の「魔術」という短編が気になり、ちょうど家にあった本に入っていたので読んでみた。
ついでに同じ芥川龍之介の「杜子春」も読んでみた。
たまたま気になったので読んだだけなのにどちらの話も「約束を破ってしまうことで何かを得られない話」だった。
もしかすると芥川龍之介はこの話が好きなのかもしれない。
芥川龍之介全集で確認するほどの気持ちにはなれないが、たまに芥川龍之介の短編を読むのもよい。

司馬遼太郎の『梟の城』を読んでいる。
司馬遼太郎は『坂の上の雲』で挫折しているので、なんだかそのイメージがわりと強く、長くてちょっと読みにくい、というイメージがあるのだが、そういえば『竜馬がゆく』を読んだときは改行が多くてものすごく読みやすいと思ったはずだ。
『梟の城』はそのイメージに近い。
このあと同じ忍者ものの『風神の門』を読んだあとに、しばらくすると本屋に平積みされるであろう『播磨灘物語』を読みたいと思っている。黒田官兵衛について一冊くらいは読んでおくべきだと思う。
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