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万城目学『とっぴんぱらりの風太郎 下』

2017年02月25日 17時20分30秒 | 文学
万城目学『とっぴんぱらりの風太郎 下』(文春文庫)を読んだ。
最後までおもしろくならなかった。
最初のほうがまだおもしろかった。
蛾が出てくるあたりは『羊たちの沈黙』を思い出し、金のひょうたんと銀のひょうたんが出てくるあたりは『キン肉マン』を思い出した。
どこを楽しめばいいのか私にはわからなかった。
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万城目学『とっぴんぱらりの風太郎 上』

2017年02月24日 23時19分29秒 | 文学
万城目学『とっぴんぱらりの風太郎 上』(文春文庫)を読んだ。
忍者ものの何も考えなくて読める話を期待していたのだが、なかなかおもしろくならない。
山田風太郎の忍者ものを意識して主人公を「風太郎」という名前にしたのかと思ったが(そしてそうなのかもしれないが)、「ふうたろう」ではなく「ぷうたろう」と読むらしい。プータローとは働いていない人のことで、主人公が忍者をやめさせられて何も職業についていない時期があるからこういう名前にしたのだろう。
「とっぴんぱらり」がどういう意味なのかは不明。
あまりおもしろくないのは、先が見えてしまうからのような気がする。
万城目学がそういうふうに話を持って行こうとしているのが先に見えてしまって、ちょっと退屈してしまう。いま目の前で話が進んでいる感じが、あまりしない。
話が思うように進まないとひょうたん(因心居士)が登場し、話を無理矢理進めるという印象を受ける。そんなに先のことが決まっているなら、もうとっとと終わらせたらいいじゃん、こんなに長く書かずに、と思ってしまう。
適当に読んでいるせいで、だんだんと誰がだれやらよく分からなくなってきている。
最後まで読めないかもしれない。
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「龍の歯医者」前編

2017年02月24日 14時35分39秒 | テレビ
アニメ「龍の歯医者」の前編をちょっと前に見た。
宮崎駿をどうしても思い出してしまうのだが、それはもう仕方のないことなのだろう。宮崎駿を思い出さないよくできたアニメというのはないのかもしれない。アニメ作品にとって、「よく出来ている」ということは「宮崎駿のようである」ということと同義であるのかもしれない。
おそらくこのアニメを作った人の誰か、または大勢、あるいは全員は、龍の歯医者という職業を、原発作業員の比喩として描いているのではないかと思った。
そんな風な気がしたのでメモしておく。
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『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』の最終回

2017年02月12日 20時49分27秒 | テレビ
昨夜もAbemaTVで、アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』を見ていた。
最終回だった。
ずっと前にテレビドラマの『SPEC』についてネットで調べていたときに、このドラマに『ジョジョの奇妙な冒険』の影響があるというのをどこかで読んで「へえ」と思ったのだが、すごく参考にしているのだなと思った。ディオの時を止める能力というのは、『SPEC』の一十一(にのまえじゅういち)のスペックといっしょだった。
『ジョジョの奇妙な冒険』はとってもおもしろいのだということがよくわかった。絵の感じから僕には合わないなとずっと思っていた。
いつか、何かの比喩に「スタンド」というのが使えるな、と思っている。

僕がちょうど『週刊少年ジャンプ』を読んでいたときに(確か小学校五年生の短い時期)、『バオー来訪者』というあんまりおもしろくない漫画が載っていて、『ジョジョの奇妙な冒険』を見たときに絵が似てるなと思って、『バオー来訪者』みたいなもんだろうと思って興味を持てなかった。今調べると同じ作者だとわかった。
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渡辺京二『さらば、政治よ 旅の仲間へ』

2017年02月11日 23時27分09秒 | 文学
渡辺京二『さらば、政治よ 旅の仲間へ』(晶文社)を図書館で借りて読んだ。
最近の政治は戦時中に近づいているのではないかという危惧に対して、それは左翼的な思い過ごしで、どこがそんなに似ているのだ、そんなことないじゃないか、という話をして、僕がよく読むものとは少し立ち位置の違う本だった。
同じ話をずっと聞いていると息が詰まる感じがするのでたまには別の話を聞くことも大切だと思った。
同じようなことで、最近仕事が少し忙しいので、休みの日には何もせずにいたいと思うこともあるのだが、本を読んで江戸時時代や明治時代について考えることもリフレッシュできていいものだとこの本を読んでいて感じた。
何もせずにいるよりはぜんぜん別のことをしたほうが気が晴れる。

前半はとてもおもしろい本だった。
後半の読書日記で少し飽きてきて、最後のカール・ポランニーについての講義は興味が持てなくて読まなかった。
しかし、渡辺京二はちょっといまを生きていない感じの人なので、ちょっといまの、今いまという感じに疲れたときに読むといい。これからも読んでいきたい。
かつては内田樹が僕にとってそういう感じの存在だったが、流行りの思想家で政治にも文句を言う(というか、最近は政治についての話しかしない)という立ち位置になってしまった。
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岡潔『夜雨の声』

2017年02月05日 20時38分15秒 | 文学
昨夜AbemaTVで、アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』を見ていたら、非常におもしろくて惹き込まれた。
カードゲームのいかさまの話だったが、とてもおもしろかった。
『ジョジョの奇妙な冒険』は漫画もアニメも一度も見たことはないのだが、おもしろいんだな。
毎週見たいと思った。

今日図書館で万城目学の『とっぴんぱらりの風太郎』を借りようと思ったのだが、単行本はものすごく分厚くて、これはちょっと、と思い、諦める。
やはり文庫を買って読むかな。

岡潔『夜雨の声』(角川ソフィア文庫)を読んだ。
小林秀雄との対談は以前も読んだことはあるのだが、そこが最もおもしろかった気がする。
初めて『春宵十話』を読んだときは、他で聞いたことのないことを言う岡潔に強く惹かれたのだが、ちょっと飽きたのか、あまりおもしろくなかった。こんなひとが親戚にいたら、めんどくせえだろうな、とすら思った。同じことしか言わない。子育てについて、たぶん偉そうに言うのだろうが、自分で孫の世話なんかすることもないじゃないか(オムツを替えたり、離乳食をあげたり、夜泣きに悩まされたことはあるのだろうか)、とも思い、勝手に腹を立てた。
家庭の中に、そして自分の傍に置いてみると、岡潔はどこにでもいるめんどくさいジジイだ。と思った。
多分、私は無明が強いのだ。
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小林秀雄『学生との対話』

2017年02月05日 02時04分42秒 | 文学
小林秀雄(講義)『学生との対話』(新潮文庫)を読んだ。
小林秀雄の講演CDはすべて聴いたことがあるが、「こんな質問あったかな」と思うものがあった。たぶんCDにはすべてが収められているわけではないのだろう。「はじめに」にもそのように書かれているふうに読めた。
佐藤優も『いま生きる「資本論」』で、資本主義を離れた人間関係を持つことが大切だというようなことを言っていたが、小林秀雄の話を読んでいても、いまの時代の考え方にとらわれて考えるだけではいけない、というようなメッセージを読み取ることが出来る。
たとえば歴史について、過去の人間が考えたことを想像して考えなければならないというようなことを言ったり、超常現象について、嘲笑するような態度しかとれないのはいけないと言ったりする。学生の質問にも、そのような抽象的な質問には答えられないというようなことを頻繁に言う。自分の経験から出た質問でなければ駄目だという態度を示す。
小林秀雄を読むと、だいたいにおいていつもそのような感想を持つのだが、いつの間にかすぐに忘れ、時代の考えにとらわれてしまう。
しかしたまに小林秀雄に触れるのはいいことだと思う。
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佐藤優『いま生きる「資本論」』

2017年02月04日 00時59分50秒 | 文学
佐藤優『いま生きる「資本論」』(新潮文庫)を読んだ。
この本はもともと図書館で借りて読むつもりだったけれど、文庫になったのを立ち読みしていたら「まあ買ってみるか」という気になって、隣に置いてあった小林秀雄の『学生との対話』といっしょに買った。
佐藤優って、顔を見ると悪人のような印象なのだが、読んでみるといいひとの印象である。
この本はマルクスの『資本論』を岩波文庫で読んでいく講義で、いろいろと引用などもあって、最初のほうはまあまあおもしろいのだが、途中からだんだんと難しくなってくる。『資本論』からの引用もだんだんと読み飛ばしていくことになる(そうじゃないひとももちろんいるのでしょうが。僕はそうでした)。この講義に実際に出席した人たちはリップサービスもあるだろうが、佐藤優によるとものすごく出来が良かった人たちのようで、読んでいると自分がもっとも出来の悪い生徒のように思えてくる。レポートも出さないし。質問もしないし。
しかし、最後あたりに、
《相性の合う友だちが十人もいれば、人生って充分ではないでしょうか。そしてそこには商品経済を介在させないでおく。》(313頁)
というような話があると、ほっとして、やっぱりあんまりカネカネカネカネって言うべきじゃないな。そういっていると息苦しくなるな、ということを思ったのでした。
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