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岩井俊二監督『リップヴァンウィンクルの花嫁』

2017年12月24日 01時32分21秒 | 映画
岩井俊二監督『リップヴァンウィンクルの花嫁』を見た。
岩井俊二の映画は好きなのだが、この映画も岩井俊二風の描き方でたらたらたらたら描かれる。とても長い。
とても「もう一度見たい」とは思えないが、岩井俊二風を感じたいときに一部を見てもいい。だがそんなことをするくらいなら『Love Letter』か『花とアリス』を全編通して見る。
綾野剛がとても良い。綾野剛をずっと見ていたいと思った。
あとはCoccoの母親役のりりィが見ていたい感じだった。
黒木華に「別れさせ屋」を送りこんだのは誰だったのか最後まで分からなかったのだが、綾野剛なのだろうか。それともCoccoなのだろうか。原日出子が綾野剛に頼んだわけではないだろう。そこがはっきりしなくて、しかも最後までそこが気になった。
女同士の友情というものよりも一歩踏み込んだ描き方で、これまで岩井俊二はそこまで踏み込まないでいたと思うのだが、これまでのファンからするとそこまでやらないのがいいところだったのにという気もする。が、ファンというのはそういうもので作家が変わると前のほうが良かったと思ってしまうものなのだ。

あ、そうそう黒木華とCoccoがカラオケならぬ生演奏で歌えるバーのような場所で、ピアノを弾いているのが野田洋次郎だった。
映った瞬間に「野田洋次郎?」と思うことが出来て、にわかファンとしては嬉しかった。
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幸田文『流れる』

2017年12月22日 00時18分33秒 | 文学
幸田文『流れる』(新潮文庫)を読んだ。
成瀬巳喜男監督の映画『流れる』を見て、その原作を読みたくなり読んだ。
先に映画を見たので映画の配役で読んでしまう。
染香は杉村春子がしゃべっているようにしか読めなかった。勝代は映画では高峰秀子なのだが、そのつもりで読んでいるとひどく不細工であるという設定になっていてちょっと違うなと思う。蔦次は映画ではいなかった。
本では”しろうと”と”くろうと”の対決という面がとても強調されていた。
梨花はしろうとで、主人はくろうと。勝代はくろうとの娘だが、芸妓の仕事はしていない。
梨花と主人のしろうと対くろうとの闘いが何度か描かれてそこが見せ場となっているように思った。
最後の闘いは、主人の清元の稽古を梨花が聴いていて、うまくいっていないところを主人がうまくできるようになったその感じを梨花がわかったということで、なんでしろうとに分かるのかと主人に問いつめられる場面だ。客はしろうとなのだからしろうとにも分からないはずはないという梨花の考え(主人に対して語られるわけではない)は、伊丹十三の映画『タンポポ』でラーメンを食べるのは素人が食べるのだから素人が分からないものを作ってどうするんだという考えを思い出した。
梨花が大晦日に熱を出して一度従姉のところ(しろうとの世界)に戻る。しかしまたくろうとの世界に帰る。ここは映画では描かれなかった。梨花が子どもを亡くしていたり、離婚していたり、というようなことも映画には描かれない。
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柳宗悦『南無阿弥陀仏 付 心偈』

2017年12月20日 16時23分18秒 | 文学
柳宗悦『南無阿弥陀仏 付 心偈』(岩波文庫)を読んだ。
仏教入門書である「南無阿弥陀仏」に、短文のうた「心偈(こころうた)」が付いている。案外「心偈」が良かった。
柳宗悦の本は以前読んだことがあるけれどあまり惹かれず、読んでいなかった。中島岳志と若松英輔の対談を読んで、読んでみる気になった。
なにかふたつのものがあって、それがふたつではなく「不二」になるという話が何度も出てくるが、柳宗悦がそういう思想を好んでいたのだろう。
仏教も、法然から親鸞で浄土思想が完成されたという話はよく聞くが、そのあとに一遍がいるという話はあんまり聞かない。一遍が「不二」の思想を語っているから一遍が好きなのだろうと思う。
自力と他力も最終的な到達点は同じ二つの道で、最終的には「不二」になるというのもあんまり聞いたことがない。他力のほうが上であるというニュアンスの話はよく聞く。

しかし、二つのものが二つではなく「不二」になるというのは、言葉としてはわかるのだが、それが一体具体的にどういうことを指して、それに至ったときにどういう心の安定に向かうのかというようなことになると(つまり僕の人生に何の関係があるのか)、よくわからない。
なんども聞いて言葉では分かっていることが、いつか了解できて「ああ柳宗悦の言っていたのはこのことか」と思える日が来るのであろうか。
そんなふうな深い思想があるのだろうか。まだ分からない。

「見テ 知リソ 知リテ ナ見ソ」
という心偈があり、「知識からは信心は出て来ぬ」という意味だが、まさしく僕はそういうところがある。しかし納得できないものはしょうがない。
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『刑事ゆがみ』と『監獄のお姫さま』感想

2017年12月20日 11時13分56秒 | テレビ
今期のテレビドラマは『刑事ゆがみ』と『監獄のお姫さま』のふたつを見ていたが、どちらもおもしろかった。

『刑事ゆがみ』はオチが性癖というか、性の好みというか、そういうものが原因であることが多く、「ちょっとワンパターンだな」と思うこともあったが、どうなっていくのだろうというわくわくする感じとか刑事二人の関係とか良かった。稲森いずみのことが好きになった。今後注目したい。
最終回は、思わせぶりだけで話が進み、結局オダギリジョーはなんだったんだろうなと思った。

『監獄のお姫さま』は宮藤官九郎の脚本ということで見た。
クドカン独特の感じで他のドラマでは見ない(といって他のドラマをそんなにたくさん見ているわけではないのだが)、独自の感じでおもしろかった。
タランティーノ的な感じだった。
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佐久間健一『モデルが秘密にしたがる体幹リセットダイエット』

2017年12月16日 21時24分29秒 | テレビ
昨日たまたま見たテレビ番組の『金スマ』で比企理恵がダイエットして痩せていくのを見ていて、これはすごいと思い、今日本屋で「昨日のテレビで比企理恵さんと歌手のジェロさんがダイエットして三ヶ月で20キロくらい痩せてた、あのダイエットの本をください」と言ったら店員に、「ジェロじゃなくてクリスハートですね。はいこれ」と言って、『モデルが秘密にしたがる体幹リセットダイエット』を渡された。(テレビを見たことと本を買ったことは本当です。)
今日やってみたが、ほんとうにこれで痩せられるのだろうか。ちょっとやってみようと思う。
一日五分であれだけ痩せられるのならいいなと思う。10キロくらい痩せたい。
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司馬遼太郎『花神(下)』

2017年12月13日 21時36分09秒 | 文学
司馬遼太郎『花神(下)』(新潮文庫)を読んだ。
花神とは、中国語で花咲爺のことらしい。
そこだけ「へえ」と思って、あとは印象に残っていない。
大村益次郎は暗殺されて、それでもすぐには死なないで、最後は敗血症で死んでしまった。
来年の大河ドラマで大村益次郎が描かれるかどうか知らないが、一応見ておこうと思っている。
このところ、ずうっと、司馬遼太郎を読んでもおもしろいと思うことがないので、他の歴史小説家の本を読んでみたほうが良いのかもしれない。
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アレハンドロ・G・イニャリトゥ 監督『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 』

2017年12月13日 21時19分33秒 | 映画
アレハンドロ・G・イニャリトゥ 監督『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 』を見た。
映画を見る前にNHKの「100分de名著」を見ていて、レムの『ソラリス』で過去の記憶の人物が実体化して現れるという話を聞いていたので、バードマンもそのようなものかなと思った。
最初、マイケル・キートンがパンツ一丁で宙に浮いていて驚いた。
そういう映画なのかと思ったが、そういう映画ではなかった。いや、最後はそういう映画だったのだろうか。娘が上空を見て微笑んでいた。(ここでいう「そういう映画」とは超常現象が存在するものとして描かれている映画というような意味)
ずっとワンカットで撮られているような、ヒッチコックの『ロープ』のような映画で、ほんとうは昨夜途中まで見て眠るつもりだったのだけれど、切るところがなくて結局最後まで見てしまった。
しかし何か深い思想が語られるような作品ではなくて、行ったり来たりして話を盛り上げて最後まで見てしまうというような、そんなに長く心に残るような映画ではない。
主人公のマイケル・キートンが三度ほど死んだのではないかと思わせるようになっている。死んだのではないかと思わせて、実は生きている。最後は死んだのかどうか分からない。
けっこうめちゃくちゃ。
リアリティはあまり重視しない。おもしろければそれでいいというような話だった。
批評家の女性が良かった。いかにもいそうな感じだった。

同じ監督の他の作品も見てみようと思う。
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阿満利麿『親鸞からの手紙』

2017年12月11日 21時05分29秒 | 文学
親鸞の書いた手紙をまとめた阿満利麿『親鸞からの手紙』(ちくま学芸文庫)を読んだ。
親鸞について興味があり、少しずつ本を読んでいる。
手紙などを読んでみたら、そのひとが身近に感じられて、そばで話している感じになるかと思って読んではみたがなかなかそうはならない。ただ親鸞が他力を勧めている様子がよくわかった。悪人正機についてはあまり語られない。
息子に裏切られて失望を感じたかもしれないなと思った。
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菊地成孔・大谷能生『憂鬱と官能を教えた学校 上』

2017年12月09日 01時40分22秒 | 文学
菊地成孔・大谷能生『憂鬱と官能を教えた学校 上』(河出文庫)を読んだ。
娘がピアノを習っていることもあり、家にピアノがあるので少し音楽の勉強をしようかと思い、また菊地成孔の映画の本を読んでおもしろかったので音楽の本も、と思い読んでみた。
音楽の勉強というのはなかなかむずかしい。
結局は何かの楽器をきちんと勉強しないと理解できないのではないかと思う。
Cがドということは分かるのだが、じゃあGはなんだというとぱっと出て来ないし、鍵盤の場所もすぐにはわからない。
長調は一種類だが、短調は三種類ということがわかった。ドレミファソラシドでいうとミとラとシ(ドを1としたときに3番目と6番目と7番目)が半音下がるのだが、どの組み合わせで半音下がるかにより短調は三種類に分かれる。
ここのところが以前別の本を読んだときに理解できなかったのだが、今回わかった。
しかし「完全4度」についてよくわからなかった。何が完全なのだろう。
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新海誠監督『君の名は。』

2017年12月03日 01時23分24秒 | 映画
そろそろ見ておかないと噂話だけですべての内容が分かってしまいそうで、新海誠監督『君の名は。』を見た。
評判通りとってもおもしろかった。
近年見た映画の中でも、そしてアニメ映画という限定をつけなくても、すごくおもしろい部類に入る。
この映画を語るときにいろいろなところで『シン・ゴジラ』(庵野秀明監督)と比較されるのがなぜなのかよくわかっていなかったのだが、どちらも東日本大震災のときの原発事故を想起させるからなのだということがよくわかった。
女子学生と男子学生の入れ替わりという『転校生』(大林宣彦監督)を思わせる話がなんで『シン・ゴジラ』かと思っていたが、一つの町の崩壊ということが原発事故を思わせる。
それにしても、『西郷どん』のナレーションが市原悦子から西田敏行に変わったのはほんとうに残念だ。やはり市原悦子はいいなあとこの映画を見て改めて思った。
昔、藤井フミヤが携帯電話が出来てこれからは「すれちがい」だか「待ちぼうけ」だか、そういう言葉が無くなるではないかと語っていたことがあったが、この映画は携帯電話の時代に上手に「すれちがい」を実現できている。
趣味としては、そのまますれちがったままでいて欲しかったという気がしないでもない。
そんなふうに出会ったところで、思いが強すぎて、上手くいきはしないだろうと冷めた目で思ってしまわないでもない。
どうせなら死者のままで、死者への思いを強く持ち続けるというほうがテーマとしてはいいかなとも思ってしまう。
が、そんなふうに思うのも、とてもいい映画だったからだと思う。
起きたら夢の記憶がなくなる感じもとっても良かった。

たったの二時間でRADWIMPSのものすごいファンになってしまった気がする。
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