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「ヨハネによる福音書」

2020年12月29日 07時38分46秒 | 文学
「ヨハネによる福音書」(文春新書『新約聖書1』所収)を読んだ。
他の福音書と違うところは、《わたしの教えは、自分の教えではなく、わたしをお遣わしになった方の教えである》(286頁)ということを何度かイエスが語るところだ。祖述しているだけだと、孔子と同じようなことを言うのだなと思った。
さてこれで福音書を四つとも読んだが、やはりあまりピンとくるものはなかったかな。

この本(文春新書『新約聖書1』)は最後に佐藤優の長い長い解説が載っていて、菅直人のことや、柄谷行人の『世界史の構造』のことや、佐藤優の母親の沖縄戦体験のことや彼自身の経験について語られる。それぞれなんだか思いつきのように語られて、なんだか中途半端に放り出される感じで語り終えられる。が、なかなかおもしろかった。
柄谷行人の『世界史の構造』と佐藤優の『私のマルクス』は読んでみようかなと思った。
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吉川英治『新・平家物語(十)』

2020年12月27日 11時34分00秒 | 文学
吉川英治『新・平家物語(十)』(新潮文庫)を読んだ。
平清盛が死んだ。
一代で会社を築いたワンマン社長がいなくなったみたいに、清盛不在で平家の人たちは小物ばかりでまとまりがなく、もうダメな感じ。
木曾義仲の巴や葵や山吹など、女武者が多いが、これはほんとうのことなのだろうか。この軍団だけ女性が活躍するのが不思議な気がする。
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「ルカによる福音書」

2020年12月26日 17時17分50秒 | 文学
「ルカによる福音書」(文春新書『新約聖書1』所収)を読んだ。
ここの解説で佐藤優が復活について、《イエスと同時代の人にとって、復活はそれほど珍しいことではない。夢や幻でイエスの姿が見えても、それは現実にイエスがいることと同じだからだ》(167頁)と書いていて、納得した。吉本隆明が『共同幻想論』で同じようなことを言っていたと思うが、「ある」と言ったらほんとうに現実的に科学的に「ある」ということだけではなくて、もっと広い範囲で「ある」ということを考えても良いのかもしれない。
「マタイ」、「マルコ」に続いて三つ目の福音書だが、三度目でも意味がよくわからないことがあって、例えば、「お前は神の子か」と言われて「わたしがそうだとは、あなたたちが言っている」とイエスが言うのがよく意味が分からない。
「オレが言ってるんじゃなくて先生が言ったんじゃねーか!」って中学生が言いそうな台詞だが、ちょっと何が言いたいのかよく理解できない。なんで「そうです、私が神の子です」と言わないのか。なんで逃げるようなことを言うのか。よく分からないところではある。
同じようなことで、ここで起きたことをみんなに言ってはいけない、と言ったのにみんなが言って噂が広まった、というような場面もある。初期のイエスの集団の弱腰の様子が伺えるということなのかもしれない。
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「マルコによる福音書」

2020年12月20日 20時01分12秒 | 文学
「マルコによる福音書」(文春新書『新約聖書1』所収)を読んだ。
「マタイによる福音書」とほぼ変わらない。私などのようなものには一緒。少し短い。
佐藤優の解説の解説によれば、「マルコによる福音書」にはイエスの復活が書かれていないということ。書かれてはいるが、それは後で付け加えられたものだそう。
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ドラマ「ノースライト」

2020年12月20日 01時00分29秒 | テレビ
昔、横山秀夫の小説『64』を原作としたNHKのテレビドラマ(ピエール瀧主演)を見たときにものすごくおもしろかった記憶があるので、テレビドラマ『ノースライト』も期待して見た。
おもしろくないことはなかったが、奇妙な感じだった。
わりと雑な設定の上に、綺麗な映像とちゃんとした俳優が感動ドラマを作るのだが、その土台と上物(うわもの)のちぐはぐさが変な感じだった。そんなことで、そんなことは起きんだろ。そんなことをずっと思ってて、そんなふうに償いはせんだろ。と思った。
確かに『64』も、そんなにずっと電話せんだろ、と思ったがあちらはそこまで感動ドラマにしていなくてサスペンスのほうが主体になっていたので違和感があまりなかった。
『ノースライト』は、ちょっとなんでもないことを大袈裟にやったなという感が強かった。

宮沢りえがいるだけでドラマが締まるなと思った。ひとつランクが上がる。
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「マタイによる福音書」

2020年12月19日 20時59分52秒 | 文学
「マタイによる福音書」(文春新書『新約聖書1』所収)を読んだ。
文春新書の『新約聖書1』には佐藤優の解説がついていて、少しだけ興味を惹かれるようになっている。
二段組だが字もそんなには小さくないし、一般的な聖書よりも紙が薄っぺらくない。
イエスの言葉が太字で印刷されていて、それも少し読みやすくしているかもしれない。

初めて「マタイによる福音書」を通して読んだように思うが、嫌で嫌で退屈で、という感じではなく、普通の読み物として読めたように思う。イエスが喩えで語るし旧約聖書のことを知らないのでところどころ意味がよく分からないこともあったが、基本的には意味がわかった。
しかしこの同じ話があと三回繰り返されると思うとつらいかもしれない。
新共同訳ではイエスは何度も、「はっきり言っておく」を繰り返す。
ちょっと「はっきり言っておく」を言い過ぎるので不思議な感じがする。訳のせいなのだろう。日本語でいまここまで「はっきり言っておく」と言う人はいない。
はっきり言っておくようなことでもないが、イエスがすばらしいとか、この人についていこうとか、こんな人になりたい、というふうな思いにはならなかった。
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佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』

2020年12月16日 09時53分22秒 | 文学
佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社文庫)を読んだ。
佐藤優は以前中村うさぎとの対談を読んだときに、本物のキリスト教徒だなと思ったことがありキリスト教徒として信頼している。
しかし本物なので、やはり私には理解できないと思うことも多い。
一つ例を挙げるなら、《キリスト教は、徹底した他力本願なので、人間による努力に一切価値を認めない》(33頁)とあるのだが、全体を通して見ると結局は努力すべきと言っているようにしか読めない。価値はないけれど、努力しなければならない、と言っているのだろうか。
それが納得できたらキリスト教徒になるというわけではないけれど、そのあたりのことがよく分からない。

『聖書』は、「自分にはまったく関わりのない人たちが、なぜだか信じている物語」として読むと最後まで読めない。そのように読もうとして何度か読めなかった経験がある。やはり何か自分にとって読む意味というものが必要ではないかと思う。
この前フレデリック・ルノワールの『スピノザ よく生きるための哲学』を読んで、スピノザのようになら読む意味があるのではないかと思っている。
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フロイト『幻想の未来/文化への不満』

2020年12月15日 19時36分05秒 | 文学
フロイト『幻想の未来/文化への不満』(光文社古典新訳文庫)を読んだ。
収録されているのは「幻想の未来」「文化への不満」「人間モーセと一神教(抄)」。
フレデリック・ルノワールの『スピノザ よく生きるための哲学』に「幻想の未来」のことが少し出ていて気になって読んでみたが、深く感心するようなことはなかった。
自然を擬人化して付き合いやすくした、というような話だった。

ちょっといまからキリスト教についてよく考えてみたいと思っている。

「人間モーセと一神教(抄)」については旧約聖書を読んだ後にもう一度読んでみると良いかもしれないとは思う。
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エチカ、エティカ、エチカ抄

2020年12月14日 20時20分55秒 | 文学
スピノザの『エチカ』を読もうかと思って、書店で立ち読みして、レジに並ぼうと思ってやめるということを何度か繰り返している。
僕にはこの本が、どうにも読めそうにないように思える。
この書き方はちょっと無理だろうなと思う。
それでも興味はあるのでまだ諦めがついていない感じ。
今手に入りやすい『エチカ』の翻訳は三種類あるのだが、買うのなら中公クラシックスの『エティカ』がいいかと思っている。みすず書房の『エチカ抄』のほうが新しいし読みやすそうに思えたが、抄ということなので折角なら全訳を読むべきじゃないかと思う。
そのうち光文社古典新訳文庫から新訳が出るのではないかと期待する気持ちもある。
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吉川英治『新・平家物語(九)』

2020年12月12日 21時28分37秒 | 文学
吉川英治『新・平家物語(九)』(新潮文庫)を読んだ。
頼朝のところに義経がやってくる。頼朝は昔の、爽やかな感じがぜんぜんない。
清盛は歯が抜けて、もうおしまいの感じ。
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