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井伏鱒二『荻窪風土記』

2023年03月29日 22時38分32秒 | 文学
井伏鱒二『荻窪風土記』(新潮文庫)を読んだ。
邱永漢の『邱飯店交遊録』を読んで昔の文壇の雰囲気が書かれたものが読みたくなり、読んでみた。大岡昇平の『成城だより』にこの本が出てきて気になったことがある。

太宰治は出てきたが他には知っている人が出てこなかった。
戦前と戦中の感じがよく描かれていると思った。言っちゃいけないことを誰かが言ってそれを周りがなだめるという雰囲気は戦争中もあったのだなと思った。
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西研『NHK「100分de名著」ブックス ニーチェ ツァラトゥストラ』

2023年03月28日 00時31分40秒 | 文学
西研『NHK「100分de名著」ブックス ニーチェ ツァラトゥストラ』(NHK出版)を図書館で借りて読んだ。
これがニーチェだろうかという気がしないでもない。西研じゃなかろうか。
ニーチェをダシに西研が自分の思想を語るのはべつに悪いことでもなんでもないのだが、この本は一応ニーチェの『ツァラトゥストラ』の参考書のような扱いでそのように読む人が多いと思うのだが、実際にそういう人がこの本を読んだあとにニーチェの『ツァラトゥストラ』を読んだら、ぜんぜん違うと感じる、または読めない、またはそこから西研の思想を必死に拾い集める、というようなことになるのではないかと思ったりした。
私も間違いなくそうなりそうなのでしばらくは『ツァラトゥストラ』は読まないことにする。

この本から学んだこと。
これから私は自分を肯定したい。これに尽きる。
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大江健三郎『「自分の木」の下で』

2023年03月27日 01時13分07秒 | 文学
大江健三郎『「自分の木」の下で』(朝日新聞出版)を図書館で借りて読んだ。
大江健三郎については少し前に全集で読みたいものはあらかた読んだので亡くなられても読むつもりはなかったのだが、全集にエッセイは載っていなかったのでこのエッセイのことが気になり読んでみた。出た当時、彼の本気の仕事ではないように思いバカにして読まなかった。
読むと、感心できることとそうでもないことが書かれている。

たとえば以下のようなところに感心した。

《あなた方が、ある本とジャストミートするためには、それを読むことを急ぎすぎてはなりません。しかも、いつも自分の知らない本に目を光らせていて、これは良い本らしいと思ったら、まず、その実物を本屋なり図書館なりで、見ておくことです。余分のお金があったら、買っておくのがいちばんいい。そしてずっと忘れないでいて、ある日、その本に向かってバッター・ボックスに入って行くのです。》(103頁)

《そのいま、はっきりわかることはですね、なにより大人と子供は続いている、つながっている、ということなんです。(中略)さらに、自分の生きてきたやり方がまちがっていた、と考えることになったら、そこで死んでしまったりしないで、生き方をやりなおすことができる。》(110頁)

死んだと聞いてから読んでみると、大江健三郎は元気を出して死んだかなとか、大江健三郎の死を彼の家族は「ある時間」を待ってきれいに解くことができるかな、とか考える。
少なくとも私にはもう少し「ある時間」を待ってみる必要がある気がする。ちょっとまだよくわからない。

続篇も読んでみようかなと思うくらいは心を動かされた。
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備忘

2023年03月26日 20時35分35秒 | 文学
ここ最近興味を持った本で、なぜ興味を持ったかを忘れてしまいそうなのでメモしておく。

・奥村土牛『牛のあゆみ』(中公文庫)
NHKで放送している『人と暮らしと、台所 冬から春』という番組が、台所を見るのが好きなので見ている。台所が好きというよりもそこで料理するのを見るのが好き。
取り上げられた人のひとり、画家の牧野伊三夫が七輪で食パンを焼いていたのだが、もともとそれが「こけい」がやっていたのを読んだからと語っていた。「こけい」がわからなかったのだが、調べてみると、おそらく日本画家の小林古径のことで、七輪で食パンを焼くことが弟子である奥村土牛の『牛のあゆみ』に書かれているのではないかと思っている。

・沢木耕太郎『深夜特急』(新潮文庫)
こちらもテレビだが『アナザースカイ』で、俳優の斎藤工がかつて香港へ行ったが、そのきっかけが『深夜特急』だったという話だった。
沢木耕太郎はわりと好きで読んでいるが、この代表作を読んでいない。文庫の文字が大きくなったときに読もうかと思ったが読んでいない。読んで、いま香港に行きたくなっても困るのではあるが。
番組で語られたウォン・カーウァイ監督の『花様年華』はまた見たい。

・新井白石『折りたく柴の記』(中公クラシックス)
少し前に食あたりになり寝込んでいた。原因はおそらく店で食べた焼き肉。
寝込んでいる間に退屈しのぎに逝去した大江健三郎について調べていると、大江健三郎が担当編集者のために新井白石の『折たく柴の記』の言葉を色紙に書いたというがあった。
大江健三郎が新井白石について何かを語っているのを聞いたことがなく、『折たく柴の記』というのも、タイトルを覚えるものであって人が読むものではないと思っていたので驚いた。

・杉田玄白『蘭学事始』(講談社学術文庫)
大江健三郎の『「自分の木」の下で』のなかで、『折たく柴の記』について書かれているところに同様に登場し、興味を持った。『蘭学事始』もタイトルを覚えるものであって人が読むものではないと思っていた。

・ポール・ヴァレリー『ドガ ダンス デッサン』(岩波文庫)
三島由紀夫と小林秀雄の対談「美のかたち」のなかで、小林秀雄が三島由紀夫に勧めていた。
この文庫が出たときに気になったが、読まなくてもいいかと思っていた。
対談のなかで「かたち」ということが多く語られるがこの本を読んでから対談を再読したい。
小林秀雄と言えば、『小林秀雄全作品』の27巻と28巻(どちらも『本居宣長』の巻)の表紙は奥村土牛の「山桜」という絵のようだ。奥村土牛のことも27巻で書いている。
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浜崎洋介『シリーズ・戦後思想のエッセンス 三島由紀夫 なぜ、死んでみせねばならなかったのか』

2023年03月23日 16時54分42秒 | 文学
浜崎洋介『シリーズ・戦後思想のエッセンス 三島由紀夫 なぜ、死んでみせねばならなかったのか』(NHK出版)を図書館で借りて読んだ。
少し前に見たテレビ番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』で俵万智が、言葉から言葉をつむぐのはよくないというような主旨のことを語っていたが、三島由紀夫はまさしく言葉から言葉をつむいだ人だったのだなと感じた。そこには触れることのできる現実がない。彼にとってはそうしかやりようがなかったということなのだろう。
本はわかりやすかったが、三島由紀夫を読む気にはなれなかった。
三島由紀夫にとって戦後日本が生きづらかったのはわかるが、それを確認するためだけに読むことになりそうであまり楽しくない。いまの日本もそれなりに生きづらい。
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エリザベス・ストラウト『オリーヴ・キタリッジの生活』

2023年03月21日 19時12分31秒 | 文学
エリザベス・ストラウト『オリーヴ・キタリッジの生活』(ハヤカワepi文庫)を読んだ。
なんというか、ものすごくおもしろかった。最近読んだ小説のなかで最もおもしろい。
連作短篇集で、オリーヴ・キタリッジという女性が主人公だったりそうじゃなかったりで登場する。夫との関係や息子との関係、近所の人との関係など、いろいろなことを思わされる。
ほんとうはもっとオリーヴ・キタリッジが善い人で、周りの人間たちをほっこりさせていくようなそういうものを期待していたのだが、ぜんぜん違って、どちらかと言えば嫌な人だった。腹が立ったら何かを言わずにはいられない。
上手に書いてるなと思った。
続篇も文庫になったら読む。

誰に似ているかと言えば、フラナリー・オコナーに似ているかな。
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『宝島』挫折

2023年03月18日 00時28分41秒 | 英語
『宝島 Treasure Island (ラダーシリーズ Level 3)』(IBCパブリッシング )を図書館で借りて読んだ。
途中で挫折。
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中島岳志『NHK「100分de名著」ブックス オルテガ 大衆の反逆〜真のリベラルを取り戻せ』

2023年03月12日 11時17分29秒 | 文学
中島岳志『NHK「100分de名著」ブックス オルテガ 大衆の反逆〜真のリベラルを取り戻せ』(NHK出版)を読んだ。
『大衆の反逆』を読む予習として。
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松本清張「天城越え」

2023年03月12日 00時40分45秒 | 文学
松本清張の「天城越え」(双葉文庫『松本清張映画化作品集3 遭難』所収)を図書館で借りて読んだ。
川端康成の「伊豆の踊子」との関連が気になって読んだが、それほど関連のある作品ではないように思った。それにそれほどおもしろい作品とも思えなかった。松本清張の作品はいつも期待外れだなと思うし、世間の評価もなぜか高すぎるなと感じる。
おもしろければ短篇集に入っている他の作品も読もうと思ったが、読まない。
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『シャーロック・ホームズの思い出』

2023年03月10日 22時18分00秒 | 英語
『シャーロック・ホームズの思い出 The Memoirs of Sherlock Holmes (ラダーシリーズ Level 3)』(IBCパブリッシング )を図書館で借りて読んだ。
日本語の本を読むのに忙しくて長くかかってしまった。良くない傾向だ。
「最後の事件」はぜんぜんおもしろくない。なんの事件も起きないし、何も解決されない。
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