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稲田俊輔『料理人という仕事』

2024年08月24日 10時17分30秒 | 文学
稲田俊輔『料理人という仕事』(ちくまプリマー新書)を電子書籍で読んだ。
稲田俊輔は『ミニマル料理』を持っていて、そのレシピで料理を作ることがある。ちゃんとした本を読むのは初めて。
おもしろかった。
もっと英語学習や、自分の仕事についてなにかしか考えさせれれることがあるかな、と期待して読んだが、そんなにはなかった。
料理人の仕事は料理をするだけではなくて、お金のことも考えないといけないので私には難しいなと思った。まあ、やる気もないのだけれど。
カフェを開業することについて、
「カフェしかできない人がカフェをやるほど無謀なことはありません」(113頁)
と言っていておもしろかった。
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高橋秀実『「弱くても勝てます」 開成高校野球部のセオリー』

2024年08月22日 23時29分18秒 | 文学
高橋秀実『「弱くても勝てます」 開成高校野球部のセオリー』(新潮文庫)を読んだ。
理論でむちゃくちゃ勝っていく野球チームを期待したのだが、そこまで勝つチームではなく残念。
高校生たちの言葉は、賢い男の子たちのある特徴を捉えていると思う。男の子は頭でっかちになるとこんなしゃべりかたになるだろうな。なにかずっと言い訳をしているような感じになってしまう。私もそうだったと思う。
甲子園を見ていて、私がもっとも嫌なのはバントを始めだすときなのだが、この開成高校の監督は思い切り振れと思っているのがいいと思った。
「チームに貢献するなんていうのは人間の本能じゃないと思います」(216頁)と言う野球部の監督ってすばらしい。

桑田真澄の<解説インタビュー>もすばらしい。
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ミラン・クンデラ『緩やかさ』

2024年08月21日 21時52分33秒 | 文学
ミラン・クンデラ『緩やかさ』(集英社文庫)を読んだ。
最初のほうはおもしろかったが、だんだんとよくわからなくなり、意味不明のまま終わった。
フランスの古城に宿泊して、おしゃれにシンポジウムに参加して知的な会話を愉しむような小説を想像していたが、ちょっと違った。
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堀江敏幸『郊外へ』

2024年08月18日 10時27分58秒 | 文学
堀江敏幸『郊外へ』(白水Uブックス)を読んだ。
あとがきによれば、エッセイではなく創作とのこと。
フランスの郊外についてや小説について、そんなに詳しくないのであまり興味を惹かれるものが少なかった。
アラン・ドロンの話には少しだけ興味を惹かれたが、いまさらアラン・ドロンの映画を見ていく気にはならないな。
最後に出てきたダシール・ハメットの『マルタの鷹』を読んでみようかなと思った。たまにミステリを読みたくなる。
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堀江敏幸『オールドレンズの神のもとで』

2024年07月27日 11時42分15秒 | 文学
堀江敏幸『オールドレンズの神のもとで』(文春文庫)を読んだ。
いろいろな短篇が載っているが、「果樹園」がもっともおもしろく印象に残った。
ただ犬の散歩をする話なのだが、没入することが出来た。機会があればまた読みたい。
「柳生但馬守宗矩」も良かった。
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ガブリエル・ガルシア=マルケス『ガルシア=マルケス中短篇傑作選』

2024年07月20日 12時30分38秒 | 文学
ガブリエル・ガルシア=マルケス『ガルシア=マルケス中短篇傑作選』(河出文庫)を読む。

「大佐に手紙は来ない」
大佐と呼ばれる主人公が貧乏の中、ずっと軍人恩給がもらえる手紙を待つ。
軍鶏を売ろうかどうしようかずっと迷う。
よくわからない。

「火曜日のシエスタ」
泥棒として殺された親族の墓参り。

「ついにその日が」
麻酔なしで歯を抜く。

「この町に泥棒はいない」
ビリヤードの玉を盗んで、それを返しに行く話。
妻との関係を描くのが目的なのかな。
いまだにガルシア=マルケスのことが掴みきれないがちょっとおもしろかった。

「バルタサルの奇跡の午後」
誰もが欲しがる美しい鳥かごを作るが、少年にただであげる。

「巨大な翼をもつひどく年老いた男」
年老いた天使が現れ、そして去る。奇妙な話。おもしろい。

「この世で一番美しい水死者」
巨大な男の水死体に、エステバンと名前をつけて、名前はエステバンに違いないということになり、海に埋葬する。まったくよくわかりません。

「純真なエレンディラと邪悪な祖母の信じがたくも痛ましい物語」
少女に売春させる祖母の話。
少女を祖母から救おうとする少年がいて、そのあたりの話が非常に南米的に神話的にわかりにくく語られる。

「聖女」
腐らない娘の死体を持ち歩く父親。

「光は水に似る」
光の水の中でボートを漕ぐ兄弟。
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堀江敏幸『いつか王子駅で』

2024年07月14日 13時16分01秒 | 文学
堀江敏幸『いつか王子駅で』(新潮文庫)を読んだ。
一文一文がちょっと長くて、私にはすこし文学臭が強すぎる気がした。もう少し短いほうが好みだ。
語り手の知り合いの正吉さんがカステラを残して姿を消す。そして最後まで姿を現さない。
こういう小説は正吉さんが見つかるか見つからないかみたいな興味で本を読んでいると最後まで読めないような気がする。それはただの形を整えるための言い訳みたいなもので、ほんとうは語り手が語る本の感想を作者は書きたいのだろう。
知らない作家の知らない本について多く語られ、今回はあまり興味を惹かれる本はなかったが、安岡章太郎の「サアカスの馬」は読んでみようかと思った。
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高橋秀実『はい、泳げません』

2024年07月10日 23時31分36秒 | 文学
高橋秀実『はい、泳げません』(新潮文庫)を読んだ。
私自身は習ってクロールが泳げるし、水が怖いという思いはこれまでしたことがないので、水泳の泳ぎ方に関する部分は少し読み飛ばしたところもある。文字で読んでもちょっとわかりにくいな、と私には思えたところもあった。
この本に出てくる桂コーチの言葉がすごく良くて、私も習ってみたい、というかお話を聞いてみたい気持ちにさせられた。
いま英語の勉強をしているのだが、それにも通じるものがあり感心させられた。

《つまり「私が泳ぐ」のではなく、泳ぐことになりきればよいのだ。》(161頁)
これは桂コーチの言葉ではないが、英語も「私が話す」などと思わず、英語になりきればよいのだ。

《泳げるか、泳げないかは自分で決めることです。たとえ1mでも自分で”泳げる”と言う人が”泳げる人”なんです》(173頁)
英語も、できる、と言う人が、できる人。

《それぞれの人に体の違いがあるわけですから、ひとつのやり方でみんなが泳げるはずがないんです。泳ぎに答えなんてない》(182頁)
英語もそう。
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堀江敏幸『熊の敷石』

2024年07月09日 18時30分46秒 | 文学
堀江敏幸『熊の敷石』(講談社文庫)を読んだ。
「熊の敷石」、「砂売りが通る」、「城址にて」の三篇収録。
「砂売りが通る」と「城址にて」は堀辰雄的なのかな。堀江敏幸はもともとちょっと堀辰雄的な感じがあるのだがさらに感じた。あまりおもしろくない。
「熊の敷石」はフランスをひとりで旅行する感じがあり、たのしい気持ちになれた。
ラ・フォンテーヌの『寓話』はいつか読みたい。

これまで読んだ堀江敏幸の本の中では一番つまらなかったと思う。
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ブラム・ストーカー『ドラキュラ』

2024年07月08日 23時03分30秒 | 文学
ブラム・ストーカー『ドラキュラ』(光文社古典新訳文庫)を読んだ。
ドラキュラには、ニンニクが嫌い、十字架が嫌い、鏡に映らない、血を吸われた人間も吸血鬼になる、動けるのは日没後、などの有名な特徴があるが、招かれなければその場所に入れない、馴染みの土がそこにある必要がある、ドラキュラの血を飲んだ人間はドラキュラの気持ちがわかりいま彼がどこにいるかわかる、みたいなルールもあった。
いろいろと制限があって、やっつけられるために存在しているようなところがある。
長い小説だったが、おもしろかった。
各登場人物の日記や手紙で語られる形式で、最近の小説ではあまり、私は読んだことがない。
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