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読みたい本があまりない

2017年03月31日 00時19分58秒 | 文学
本屋に行っても、最近読みたいと思える本があんまりない。
いまもっとも気になっているのは梯久美子の『狂うひと』なのだが、この本を読むにはやはり島尾敏雄の『死の棘』を読まないとなと思い、新潮文庫の棚の前でしばらく迷うが、やはりあの分厚さと、それと長い小説の間中ずっと主人公が奥さんに責められ続けるのだろうと思うと、どうも勇気が出ない。やはり奥さんに責められるのはいやだ。
そして『死の棘』を読んだあとに『「死の棘」日記』でさらに奥さんに責められるのだろうと思うとまたいやになる。
これは死ぬまで読めないかもしれないな。奥さんに責められるの、いやだしな。
梯久美子の『狂うひと』が文庫になったときにまた考えよう。

それで代わりに沢木耕太郎でも読もうかと思っている。
『流星ひとつ』とか『檀』とか、読んだことのあるものの再読から始めて、未読の、評価の高い『敗れざる者たち』とか『一瞬の夏』とか読んだらいいかな(しかしスポーツにあまり興味がないんだな、とくにボクシング、と思いながら)、そしてやはり『深夜特急』を読まないわけにはいかないだろうな、と思う。
しかしずっと以前にも書いたような気がするが、『深夜特急』はまだ字が大きくなっていない。文庫の字が大きくなってから読もうと思っているのになかなか大きくならない。

ちょっと前に色川武大の『私の旧約聖書』を読んだので、ふと阿佐田哲也の『麻雀放浪記』を再読するのもいいかなと思っている。
しかし、今さら読んでおもしろいのだろうか、とも思う。

あとは三浦しをんの『まほろ駅前多田便利軒』シリーズが気になっている。
これが一番読みやすそう。

読みたい本がない中で、読むとしたらこのくらい。
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『吉本隆明 江藤淳 全対話』

2017年03月28日 22時08分45秒 | 文学
印象に残る話というのはあるもので、この間立ち読みした集英社の雑誌「kotoba」の沢木耕太郎と梯久美子の対談のなかで、沢木耕太郎が『檀』の取材をしていたときに檀一雄夫人に毎週月曜日に話を聞きにいっていたのだが、夫人から月曜日じゃなくて火曜日にしてと言われ、取材日を毎週火曜日にした、という話をしていた。後から、それは夫人が沢木のために鯖寿司を作ってくれていたのだが、月曜日にいい魚が手に入らないためだったということを知った。
こういう、歳をとって家事をずっと続けてきた女性の、気遣いで料理を作ってくれる話になぜだか心惹かれる。
森友学園問題の一連の報道の中で、菅野完が籠池理事長の家にインタビューに行ったときに籠池夫人がにゅうめんを出してくれたという話があり、本当にあったことかどうかは知らないが、それでも心惹かれるものがある。にゅうめん食べたい。
やっぱり誰かが家に訪問してきてそういう時間になったら、「何にもないけど」とか言いながら何かを出してくれるほうが、何も出してくれないよりはいい。

『吉本隆明 江藤淳 全対話』(中公文庫)を読んだ。
久しぶりに読んでおもしろく、この二人がいま生きていて、いまの世の中の状況を見たらどのように言うのかな、と思った。
江藤淳は結局最後まで村上春樹を読まなかったのだろうかと思った。堀辰雄を読んで村上春樹を読んだような気になっていたのだろうと思った。フランスやアメリカに憧れることでは文学は成立しないと考えていた。
吉本隆明は江藤淳が占領期のGHQの言語統制について調べていることについてその意義をあまり理解していなかった。多くのひとは吉本と同じように何のためにそんなことをしているのか理解していなかったと思う。いまのほうが理解される気がする。
江藤淳はほんとうの保守だ。
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伊集院光『伊集院光の今週末この映画を借りて観よう vol.1』

2017年03月27日 23時10分59秒 | 文学
図書館で借りて、伊集院光『伊集院光の今週末この映画を借りて観よう vol.1』(宝島社)を読んだ。
vol.2と違って見たくなった映画はなかった。強いてあげれば玉袋筋太郎お薦めのブライアン・デ・パルマ監督の『ミッドナイトクロス』なのだが、この映画って見たことがあるんだったかなかったんだか思い出せない。僕が映画をよく見ていたときにブライアン・デ・パルマもいくつか見て、退屈で、この『ミッドナイトクロス』も見ようしたのだが、この映画はミケランジェロ・アントニオーニ監督の『欲望』を下敷きにしていると聞き(当時はインターネットで検索とかなかったのです)、そっちを見たような気がする。結構映し方が不思議な映画だったと思う。そのあと『ミッドナイトクロス』を見たかどうかがどうしても思い出せない。
なので、結局何が言いたいかと言えば、ブライアン・デ・パルマの作品に尻込みしてしまう。
戸田奈津子お薦めのビリー・ワイルダー監督の『情婦』は見た記憶はあるが、この本で言われているどんでん返しが思い出せないし、おもしろいと思ったかどうかも思い出せない。
たぶんこれも『欲望』と同じくらいの時期に見たのだと思うが、映画をあまりにたくさん、一度に見ると、全く記憶に残らない。
やはり落ち着いて、多くても週に一本くらいのペースで見るのがいいのだと思う。

崔洋一お薦めの大島渚監督の『太陽の墓場』だけは絶対に見ないなと思った。
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梯久美子の『狂うひと』に興味がある

2017年03月27日 12時11分41秒 | 文学
梯久美子の『狂うひと』(新潮社)がとてもおもしろそう。
島尾敏雄の『死の棘』はずっと興味がありながら読んでいない本で、『狂うひと』が文庫になったらそのときに読もうと思う。しかし、『死の棘』を読んだら、『「死の棘」日記』も読まないといけない。そんなことを考えていたら、なかなか『狂うひと』まで辿り着けないのだ。
集英社の雑誌「kotoba」の最新号はノンフィクションについての特集で、梯久美子と沢木耕太郎の対談が載っている。買おうかとも思ったのだが、他に載っているものに興味が持てそうなものがあまりなかったので立ち読みした。(対談一つだけを読むために買うにはこの雑誌は僕には高い。)
梯久美子の『狂うひと』にますます興味を持ったのだが、沢木耕太郎をまた読みたくもなった。
沢木耕太郎の『檀』は語り方に興味があって読んでおもしろかったが、まだ檀一雄の『火宅の人』は読んでない。梯久美子の『狂うひと』だけ読んで島尾敏雄は読まなくてもいいかな。おそらく『狂うひと』を読んでしまうと、『死の棘』は読まないことになってしまいそうだ。
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菅野完『日本会議の研究』

2017年03月26日 21時57分10秒 | 文学
いま所謂「森友学園問題」に注目していて、テレビを見たりネットを見たりしている。
籠池理事長の証人喚問も、あの日は休みだったのでテレビをよく見た。
証人喚問でもっとも驚いたのは、大阪府私学課の担当者が森友学園が建設中の小学校に立ち入り調査をした際に”ガラケー”で籠池夫人が写真を撮り始め、府の担当者が「やめてください」と言ったのにもかかわらずやめないので調査を中止したという話があり、「携帯電話で、でいいのにわざわざ、ガラケーで、写真を撮ったという言い方に、ガラケー所有者を馬鹿にした気持ちが込められているな」と思ったのと、「まあしかしあそこの夫人ならやりそう」と思っていたのだが、証人喚問で籠池理事長がそれも含めて嘘でまわりにはめられているという話をしていて、もしそうだったら本当に怖いことだなと思った。そして先入観で人を判断してはいけないなと思った。(または先入観で判断するのはしょうがないとして自分が間違っている可能性を考慮しておくことは大事だなと思った。)
証人喚問では籠池理事長が驚くほどまともな人間に見えた。それがまた不思議だった。
どんなものであれ、何かを信じているということはこういうことなのかなと思った。
それとそのあとで、安倍総理大臣夫人にお付きの人が籠池理事長に送ったFAXに「当方としても見守ってまいりたい」との文があり、国会でこの当方というのがお付きの人のことかという質問に菅官房長官が「当然、谷さん(お付きの人)です」と答えたのにはびっくりした。そのようなことを言っていたら言葉なんて話せない。相手はこちらの言う意味は理解できるはずだという信頼が成り立たない。この場合「当方」が書いている本人ただひとりということは絶対に、ない。
(政治のニュースは時が経つとすぐに忘れてしまうのでくわしく感想を書いておいた。)
「森友学園問題」で話題の人物で、興味があったので菅野完の『日本会議の研究』(扶桑社新書)を読んだ。
日本会議はたまに名前を見るが、どういう組織なのかよくわからなかったので勉強になった。
しかしすぐに忘れてしまいそうなので他の本も読んでおきたい。
この本では、60年代の学生運動での左翼への恨みを、いまでもまだ晴らそうとしている人たちの物語として描かれていた。(そしてそれはとても馬鹿馬鹿しいことだ、と思わせる。)
思想的にどのような思想をもっている人たちなのかはあまりよくわからなかった。ただただ左翼への反動として描かれていたように思う。明治憲法に戻そうというのも、どうしてそんなふうに思うのかよくわからなかった。
もしかすると、日本会議の人たちも突き詰めて考えて、明治憲法のほうが良いと考えて選択しているわけではなく、そのように尊敬すべき人や親が言っているからそのように信じているというだけなのかもしれない。そんな気もする。
私が今の自分の考えを突き詰めて選んで選択してきたかと言われれば、必ずしもそうでないのと同じなのかもしれない。

菅野完は私と同じ年だが、「ゲバルト」とか「ブント」とかという言葉を使いこなす。読むことはあるが、「ゲバルト」とか「ブント」とかどうも使えないな、知らないしな、と思ってしまう。
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周防正行監督『舞妓はレディ』

2017年03月22日 00時05分09秒 | 映画
というわけで、周防正行監督『舞妓はレディ』を見た。
舞妓がミュージカルをするというのがなんかすごい。
奥さんを芸妓にして映画を撮るなんて『あげまん』か、と思った。しかも津川雅彦が登場する。周防正行は伊丹十三をいまでも尊敬しているのだなと思った。
上白石萌音の歌声は、松田聖子、の娘の神田沙也加、に似ていた。聞きやすい。
富司純子のこういうお母さんの役は何度か見た気がするが(『フラガール』とか)、なんどでも見たくなる。やさしい気持ちになる。樹木希林のお母さんもよく見てあちらは、ああやだな、と思うのだが、それと対照的だ。しかし僕自身のお母さんがどちらのタイプかといえば樹木希林。

ちょっと長いのだがおもしろい映画だった。
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伊集院光『伊集院光の今週末この映画を借りて観よう vol.2』

2017年03月20日 23時12分31秒 | 文学
図書館で借りて、伊集院光『伊集院光の今週末この映画を借りて観よう vol.2』(宝島社)を読んだ。
ラジオ番組を書籍化したもののようで、ゲストが映画を薦め、伊集院光がその映画を見て、二週間後に同じゲストがまた来て映画について語り合うという番組らしい。おもしろそうな番組だと思った。
ほんとうは伊集院光といっしょにゲストの話を聞き(読み)、週末に映画を見てから、またゲストと伊集院光の話を聞くというのがいいと思うのだが、図書館の返却期限もあるので一気に読んだ。
おもしろそうだと思ったのは、
ピーター・バラカンの薦める『暴力脱獄』
周防正行の薦める『フォロー・ミー』
それと話の中で出てきた、周防正行監督の『マルサの女をマルサする』と『舞妓はレディ』
だった。

伊集院光ってNHKの「100分de名著」の司会をしていて、たまにすばらしいと思うことがあるのだが、今回も素晴らしいと思うことが三回くらいあった。すばらしい。
伊集院光とマツコ・デラックスの声が似ているとずっと思っていて、この番組のゲストにマツコ・デラックスが出たときにその話をしていてやっぱりそうだよなと思った。ここはほんとうに番組を聞きたかった。たぶん区別がつかない。
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トーマス・アルフレッドソン監督『裏切りのサーカス』

2017年03月13日 22時30分43秒 | 映画
トーマス・アルフレッドソン監督『裏切りのサーカス』を見た。
最初から最後まで、まったく、さっぱり、意味が分からなかった。何がおもしろいのか、まったく、さっぱり(何度でも言いたい)、わからなかった。
これは原作そのままなのだろう。ということは僕には原作は読めない。
映画なので、犯人だけはわかったが、まったくおもしろくもない。よくわからないけれど、この人が犯人だろう。有名だから。と思っていたらやっぱりそうだった、というだけのことだった。
これは本当によくわからない映画だった。

しかし、まあ、このような映画は初めてではなくて、『ユージュアル・サスペクツ』も『L.A.コンフィデンシャル』も、なにがおもしろいのやらさっぱりわからぬまま終わる映画というのはあるので、珍しいことではない。
多分、僕には、ミステリーに関する何かが決定的に理解できないのだ。
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裏切りのジョン・ル・ カレを求めて

2017年03月13日 20時11分08秒 | 文学
風邪を引いて喉が痛いので午後から会社を早退して帰って来た。
録画していた映画『裏切りのサーカス』を途中まで見る。おそらく半分くらい見たと思うのだが、まったく話が分からない。ぜんぜんついていけていない。誰が生きていて誰が死んでいるのかわからない。どれが今の話で、何が回想なのかわからない。
なんにもわからない。
こんな宙ぶらりんの状態で長いこと見させられると、僕などは飽きてしまう。
この映画の原作『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』(ジョン・ル・ カレ著)を読もうとしたときも全く同じで、意味が分からず最後まで読めなかった。
映画であれば最後まで見れると思っているが、もしかしたら見れないかもしれない。
最後まで見ても意味が分からない、ということはさすがにないだろうけれど。
この映画を見ようと思ったのはジョン・ル・カレの『われらが背きし者』に興味を持っているのだけれど、この作者の作品は僕には難しいのではと思ったからで、どんなものか一度最後まで見ておこうと思ったからだ。

角田光代・芳川泰久編訳の『失われた時を求めて 全一冊』(新潮社)を図書館で借りてきて読んでいる。
いまはバルベックにいて、画家のエルスチールやアルベルチーヌを含む「花咲く乙女たち」の一団が登場した。あっさりしていてスラスラ読める。どんな話だったか見通すのにちょうどいい本だと思う。文庫になったら買うかもしれない。


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第89回アカデミー賞授賞式

2017年03月12日 01時04分19秒 | テレビ
米アカデミー賞授賞式を見た。
だんだんと知らない俳優が増えてきて、あんまりおもしろくなくなってきた。おもしろそうと思える映画もあまりなかった。
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』という映画にもっとも興味を惹かれた。いつか見たい。

「青春の光と影」を歌ったサラ・バレリスに実は一番注目した。
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