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ドナルド・キーン『明治天皇を語る』

2015年05月31日 22時50分11秒 | 文学
ドナルド・キーン『明治天皇を語る』(新潮新書)を図書館で借りて読む。
ドナルド・キーンの『明治天皇』を読むか迷っているのだが、その判断のために借りて読んでみた。おもしろかったので、『明治天皇』もいつか読んでみたい。
司馬遼太郎の小説を読んでも明治天皇については書かれていなかったと思うので、明治天皇を中心にあの時代を語るのはおもしろいのだろうと思う。それに外国人が(ドナルド・キーンはいまでは外国人ではないのだろうが、まあ外国で生まれ育った人が)、日本の明治維新などをどのように語るのかに興味がある。司馬遼太郎よりもおもしろいかもしれないとも思い期待している。
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なかなか学生と読まない『三四郎』

2015年05月30日 23時46分21秒 | 文学
夏目漱石の『三四郎』を読んだので、図書館で借りていた石原千秋の『学生と読む『三四郎』』(新潮選書)を読んでいたのだが、『三四郎』をなかなか学生と読み始めない。
成城大学の話が延々と続く。
僕は、成城大学にも、最近の大学事情にも、首都圏の交通事情にも、あまり興味ないんだよね、と思いながら読み、途中から飛ばしとばしで読み、七十頁あたりまで読んだが、ぜんぜんおもしろくならないのでもう読まずに図書館に返すことにする。
ここまで読んで興味を感じられない本は、おそらく最後まで興味を感じられない本だと思う。
この人の本は『『こころ』大人になれなかった先生』もこの前読もうとして読めなかった。(これも図書館で借りた。)
たとえ興味のない内容でも、文章を読んで「なんか凄そう」と思うことはあるのだけれど、そのようなこともなかった。
残念。

やはり夏目漱石について読みたければ、江藤淳とかを読んだほうがいいのだろうな。
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夏目漱石『三四郎』

2015年05月30日 22時51分00秒 | 文学
夏目漱石『三四郎』(新潮文庫)を読んだ。
やはりどうしても、そこまで熱中して読むというほどにはこの小説に入り込めなかった。でもこれまで読んだ経験のなかではいちばんおもしろかった。
三四郎が美禰子に惹かれている感じがよくわかった。でもとても好きであるみたいなことをはっきりとは書いていない。このへんがこの小説の楽しみ方の一つなのだろう。
最後のほうで広田先生の夢の話があり、明治憲法の発布(明治二十二年)によって母親が死んだ(=自分のなかで何かが死んだ)、というふうに取れる。この小説は普通に読むと恋愛小説なのだが、こんな話を混ぜ込んでいるところが漱石に惹かれるところだ。
美禰子は迷子(迷羊)で、誰も(野々宮も三四郎も)引き取りに来てくれなかったから、別の男のところにお嫁に行ってしまった、そういう話なのだろうか。そのへんがよくわからない。
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アレクサンダー・ペイン監督『ファミリー・ツリー』

2015年05月25日 22時29分50秒 | 映画
録画していたアレクサンダー・ペイン監督『ファミリー・ツリー』を見た。
アレクサンダー・ペインの映画は、僕としてはわりと見ているほうだと思うのだが、おもしろいと思ったことがない。それでも今回はまだおもしろいほうだったが、やっぱり「なにか理解できたか」と問われれば「なにも」と答える程度にしか楽しめなかった。山田洋次のほうがおもしろい。
これは、もう仕方のないことだろうと最近考えている。
この間ジェイソン・ライトマン監督の『JUNO/ジュノ』を見たときにも思ったが、そこに住んでいないと理解できないことがあるんだろうと思う。軽々におもしろいとかおもしろくないとかで判断できない。
まるっきり理解できない映画がその土地では高い評価を受けているということを、たまには思い知ることも大切だと思い僕はアレクサンダー・ペインの映画をこれからも見ていく。
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原武史『知の訓練 日本にとって政治とは何か』

2015年05月25日 00時19分48秒 | 文学
原武史『知の訓練 日本にとって政治とは何か』(新潮新書)を読んだ。他の本を図書館で借りようと予約したのだがこの本も気になって借りてしまった。手軽に借りれてしまうので図書館は要注意だ。読む本が増えすぎてしまう。
原武史の本を初めて読むのだが、なかなかおもしろい。他の本も読んでしまうかもしれない。
もともとこの本は政治について勉強したいと思って借りたのだが、あまり政治についての(私の考える政治についての)話は出てこず、どちらかといえば宗教に関する本だった。特に天皇の話が多かった。
日本の政治を考える上では天皇は欠かせない存在ということかもしれない。

政治について、理解したいとしばらく前から思っているのだが、なかなか理解できないし、深く興味を持つことができない。
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水村美苗の影響で『三四郎』を読む

2015年05月20日 00時04分17秒 | 文学
書店に水村美苗の『増補 日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で』が平積み(しかも山積み)されているのを見て、ちょっと気になり、ふと奥付を見る。発売一ヶ月で二刷になっている。そんなに売れたとも思えないので(売れたのかもしれませんが)、「文庫版に寄せて」を確認する。
やはり《森鴎外の『高瀬川』》が《森鴎外の『高瀬舟』》になっている。
よかった。
この間違いは早急に修正しないといけないと判断したのだろう。「文庫版に寄せて」の主張が吹っ飛んで、ひどい間違いをしていることしか頭に残らない。

『日本語が亡びるとき』を読んだので、夏目漱石の『三四郎』を読んでいる。まだ最初。おもしろいような気がする。いままで三度ほど読んだと思うが一度もおもしろいと思ったことがないので、今回は楽しめたらいいなと思う。
『日本語が亡びるとき』では他に福沢諭吉の『福翁自伝』も取り上げられていたが、こちらも読んでみたい。
水村美苗は『母の遺産』も最近読んだが、カミュの『異邦人』とフローベールの『ボヴァリー夫人』とバーネットの『小公女』と尾崎紅葉の『金色夜叉』と谷崎潤一郎の『細雪』が思い出せるだけで登場した。このうち最近読んだ『小公女』と、読みにくそうな『金色夜叉』以外は再読したい。
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ドラマ「64」最終回

2015年05月16日 23時27分24秒 | テレビ
テレビドラマの「64(ロクヨン)」の最終回を見た。
とってもおもしろかった。期待以上のドラマだった。
こんなふうに話が進むとは予想外だった。びっくりした。
ドラマがおもしろければ横山秀夫の原作も読んでみようかと思っていたのだが、とてもおもしろかったのでもう読む必要もないだろうと思ってしまっている。もう大切なことはすべてわかったのだろうし。おそらく警察組織の話がよくわかっていないのだが、まあ些末なことだろう。ミステリーはネタが明らかになってしまうと途端に興味を失ってしまう。
「あまちゃん」の再放送も見ているのだが、尾美としのりは自動車の運転ばかりしている気がする。
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水村美苗『母の遺産 - 新聞小説(下)』

2015年05月16日 02時41分23秒 | 文学
水村美苗『母の遺産 - 新聞小説(下)』(中公文庫)を読んだ。
第二部の舞台はずっとホテルである。アニータ・ブルックナーの『秋のホテル』と同じ名前のホテル。あの小説は僕にはおもしろくなかったのだが、今読むとまた違うのだろうか。そう思いながら読んだ。アニータ・ブルックナーの名前は出てこないが、たぶん下敷きにしているのだろう。また、夏目漱石の『明暗』の後半も(どこまでが漱石の書いた話で、どこからが水村美苗の書いた続編か区別がきちんとついていないが)旅館が舞台となるが、それも思い出した。
ずっとホテルから動かないで過ごすのは好きだ。
なので、ずっとホテルから動かないで過ごす小説も好きだ。
ホテルには長逗留しているひとがたまたま何組かいて、それぞれの物語がある。占い師がこのなかで誰かが死ぬという不吉な予言をしたこともあり、第一部に比べとても小説的だ。水村美苗は実話的(私小説的)に書いてもおもしろいが、小説が大好きなだけあって物語的に書いてもとてもおもしろい。
第二部では、お金の話が出てきて、主人公の美津紀は小説を書いて収入を得ていないことがわかる。水村美苗とは違う。だんだんと作者本人とは違うことが分かる。
最後は小説らしい終わり方だった。
熟年離婚を考えている女性は必読の小説だと思う。

ホテルで出逢う、薫(カオル)と武(タケル)は村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』の赤坂ナツメグとシナモンを思い出した。水村美苗の小説を読むと、村上春樹の小説を思い出すことがよくある。

夜更かしして最後まで読んでしまった。
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水村美苗『母の遺産 - 新聞小説(上)』

2015年05月12日 21時48分44秒 | 文学
水村美苗『母の遺産 - 新聞小説(上)』(中公文庫)を読んだ。
水村美苗の小説は、作者と非常に近いところに舞台を設定しているので、ここに書かれていることはほんとうに起きたのか、どうなのかという興味を嫌でも持ってしまう。水村美苗の夫はほんとうにここに描かれてあるように浮気をしていたのだろうか。母親はこんなひとだったのだろうか。姉は相変わらずこんな感じだが、ほんとうに実在するのだろうか。など。
大江健三郎の小説に近い。
しかし大江健三郎の小説はここは嘘だろう、と思うことが出てくるので、現実と虚構の線引きがわりとできる。
水村美苗の小説は違う。どこまでほんとうか本当にわからない。全部本当のような気がする。主人公の名前を美苗ではなく美津紀としたり夫の名前も変えてはあるが、明らかに作者、明らかに作者周辺の人物ということで、興味を惹かれる。水村美苗周辺の人物と知り合いではないので、ほんとうだからどうということはないのだけれど、ここまで本当のことを書く水村美苗に興味を持ってしまう。嘘だとしても生活に支障が出そうだ。
「径鼻(ケイビ)」や「胃瘻(イロウ)」という言葉を文学に持ち込むのが今回の課題だったのかもしれない。文学好きの自分が覚えたくなかった言葉を自分の小説のなかに入れるということがひとつの冒険だったのだろう。

現在から遡って、ある過去の時間を中心にまた語りだすのが特徴だと思う。
現在を現在形で語り、少し過去に遡りまたそこを現在形で語り、それよりもさらに遠い過去を過去形で語る、というようなことをする。

呆けて死にかけた母親に対する恨みみたいなものをきちんと書いている。
また病院で無理やり延命させられることに対する違和感、それへの抵抗を書いている。
母親が死んで上巻は終わり。
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ドラマ「64」第四話

2015年05月09日 23時38分19秒 | テレビ
NHKのドラマ「64(ロクヨン)」の第四話を見た。
とても興味を惹かれる。
来週が最終回なのだが、一週間も待てるだろうかという気分になる。原作を読んでしまいそうになる。
ここまでのところ、私には何がどうなっているのやらよくわからないところが多くあるのだが、とくによくわからないのがD県の新聞記者と県警の関係がよくわからない。第四話では詳しく描かれたのだが、東京から来た新聞記者にD県の県警が馬鹿にされ、D県の新聞記者が泣く場面があって、よくわからんなと思った。そんな関係? しかし確かにそういう関係なのかもしれないな。
誘拐事件の描写と、それを新聞記者に伝える広報の現場の描写が描かれることで緊迫感のある小説になっているのだろうな、読んでみたい、と思う。
最後はどうなるのだろう。
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