ダブログ宣言!

ひとりでするのがブログなら、
ふたりでするのがダブログ。

関川夏央『昭和三十年代 演習』

2015年11月30日 21時06分49秒 | 文学
関川夏央『昭和三十年代 演習』(岩波書店)を図書館で借りて読む。
ちょっと三島由紀夫を読もうと思っていて、この本で関川夏央が三島由紀夫を論じているのを知り、読んでみる気になった。
三島由紀夫が松本清張の小説をある文学全集に入れるのに反対したという話は、猪瀬直樹か橋本治のどちらかの本で読んだ話だった(三島由紀夫の小説よりも三島由紀夫伝説みたいなものに僕は興味があるのかもしれない)。
吉永小百合の話は興味深かった。吉永小百合が両親と不仲であったという話は初めて聞いた。吉永小百合に対して厳しい書き方だった。
サガンにも江藤淳にも厳しかった。
ちょっと、関川夏央が嫌いになったかもしれない。

いま描かれている昭和三十年代には誤りがあるといっていて、それは確かにその通りなのだろうが、関川夏央の言うことにも間違いがあった。

《「きのうママンが死んだ。おとといかもしれない」というくだりで有名な『異邦人』は(後略)》(109頁)
きのうとおとといじゃなくて、きょうと昨日。

《そういえば寅さんの妹、さくらの息子はマスオといいます。》(128頁)
マスオじゃなくて満男。

なぜこう明らかな間違いが残っているのか不思議だった。誰も気付かないのだろうか。
コメント

橋本治『バカになったか、日本人』

2015年11月28日 00時30分47秒 | 文学
橋本治『バカになったか、日本人』(集英社)を図書館で借りて読んだ。
東日本大震災から集団的自衛権の動きのあたりまでの、そのときどきに橋本治の考えたことが、橋本治らしい文体で語られる。こんなことがあったな、という感じ。当時は切実に思っていたのに、もうあまり切実じゃなくなってるなと感じる。

《津波の水が引いた時から、土地の人達は「被害の惨状」と同時に、「被害に遭わずにいて無事だった時の土地の姿」を見る。震災前の土地の姿を知らなければ、そのような見方をすることは出来ない。その土地の人達の記憶を蓄積していた町が丸ごと消滅してしまう。人は、被害の惨状を見るのと同時に、町が蓄えていてくれた記憶を見る。記憶だけは残って、しかしもうその記憶がなんの役にも立たない。》(50頁)

このようなところを読んで感動した。
あとは日本の政治の動きを振り返ってみると、概してろくでもない、と思ってしまった。
政治家がろくでもないというだけではなく、それを選択している国民がろくでもない。景気のことしか頭にない。そういう暗い気分になった。

今日は久しぶりに「ドラえもん」を見た。
声も変わったが、雰囲気も変わっていた。話は一本になり、途中のCMが長くなっていた。最後に小島よしおが踊っていた。最後の最後に「めざましじゃんけん」みたいな、当たりくじはどれだ、みたいなコーナーがあった。
最後の最後まで興味を持続させようとする、このところのテレビは疲れる。
そのあと「クレヨンしんちゃん」が始まり、オープニングの歌の時点で、今日のお話はこんな感じという映像が先取りで流れる。
またまた疲れる。
コメント

三島、黒柳、小室

2015年11月27日 00時45分26秒 | テレビ
三島由紀夫の『命売ります』がとても売れているらしく、気になるので古本屋で購入。
あらすじだけしか知らないが、なんとなく平野啓一郎の『空白を満たしなさい』はこの小説の影響を受けているのではないかと、どっちも読んでいないのに妄想している。三島由紀夫が面白ければ平野啓一郎も読んでみよう。

NHK紅白歌合戦の出場歌手が決定。
毎年思うが、興味が持てるひとがいない。ものすごくがんばって(探して)、レベッカくらいかな。
司会の黒柳徹子にはものすごく興味を惹かれるので見ると思う。
しかしまた例年のように”サプライズ”の歌手が出るのかもしれない。去年は誰が”サプライズ”だったか忘れてしまった。中森明菜か。あとサザンオールスターズも去年か。

NHK「ミュージック ポートレイト」に小室哲哉が出るので楽しみにして見る。
おもしろかった。
来週は後半。
小室哲哉が事件について語るのかが気になるので見る(予告では語っていなかった)。語れないのであればまだ出演は早かったのであろう。
この番組はひとが落ちぶれたときにどう思ったかを語る番組なのだろうと思うので。
コメント

岩田健太郎『医療につける薬 内田樹・鷲田清一に聞く』

2015年11月26日 22時05分33秒 | 文学
岩田健太郎『医療につける薬 内田樹・鷲田清一に聞く』(筑摩選書)を図書館で借りて読んだ。
つい先日ひさしぶりに風邪をひき、そのあとひどい下痢になったりした。
近藤誠の本を読んだり、ネットで調べたりしていると、病院に行って薬をもらって呑むのはほんとうは良くないことなんだろうなと思っている。
風邪くらいは家にいて寝て、治るまで待てばいいと思いながら、どうしても医者に行って長い時間待って薬をもらって帰ってきてしまう。
そういうようなことについて、なにかすっきりする意見を内田樹が述べているかと思って、この本を読んでみた。が、こちらが(勝手に)期待している回答を得ることは出来なかった。

最初は岩田と鷲田の対談、次に岩田と内田の対談、最後に全員での鼎談で、やはり内田樹がなかに入ったものが面白かった。
岩田健太郎がこの本の中で何度か言及する、脳死と植物状態はちがう、という話が興味深かった。植物状態は生きているのだが、脳死はもう死にかけている、ように見えるそうだ。そして臓器を新鮮に保つために点滴を打って水分で膨らむ。
逆に、苦しまずに死ぬためには点滴などせずにだんだんと水分を減らしていくといいらしい。
病院ではなく、畳の上で死にたいものだ、と思う。
コメント

内村鑑三『ぼくはいかにしてキリスト教徒になったか』

2015年11月24日 22時00分02秒 | 文学
内村鑑三の『余は如何にして基督信徒となりし乎』の新訳『ぼくはいかにしてキリスト教徒になったか』(光文社古典新訳文庫)を読んだ。
内村鑑三については、正宗白鳥が彼のことを尊敬していて、そして小林秀雄が正宗白鳥のことを尊敬しているので、小林秀雄の本を読んで興味を持った。
新訳なので読みやすかったが、内村鑑三にたいしてそんなに興味を惹かれなかった。
コメント

野地秩嘉『高倉健インタヴューズ』

2015年11月23日 22時38分52秒 | 文学
野地秩嘉『高倉健インタヴューズ』(プレジデント社)を図書館で借りて読む。
そのときどきの高倉健のインタビューをまとめたもののような印象のタイトルだが、少し違って、高倉健へのインタビューもあるにはあるが、他のまわりの人たちへのインタビューもあり、著者の思いつきを書いたような文章もあり、いろいろだった。
ちょっと、雑な本という印象。
沢木耕太郎がこの本を作っていたとしたら、こんなことはしなかっただろうなと思う。(と、書いていると久しぶりに沢木耕太郎が読みたくなる。)

高倉健がきちんとお金のことを考えていて、作品選びにはギャラも重要な要素としているところが意外だった。悪い印象ではない。
しかし選び過ぎて同じような感じの映画にしか出演していないと感じてしまう。
高倉健がこんな役をやったのか、と意外に思えるような仕事もひとつくらいはやっていて欲しかった。
ジブリの声優とか。「古畑任三郎」の犯人とか。
コメント

村上龍『無趣味のすすめ 拡大決定版』

2015年11月22日 23時44分11秒 | 文学
少し前に金城一紀の『映画篇』を読み、まるで昔よく聴いた歌謡曲を思い出すかのように、無性に村上龍が読みたくなり、『無趣味のすすめ 拡大決定版』(幻冬舎文庫)を図書館で借りて読む。
村上龍はあいかわらずの村上龍といった感じだった。
書いてある内容はビジネス書のようであって、でも読んでいると村上龍のひとを感じることが出来る。
コメント

ざっと読んだ映画の本二冊

2015年11月22日 21時21分13秒 | 映画
図書館で映画についての本を借りてきて興味のある話だけを漫然と読む。
小林信彦の『女優で観るか、監督を追うか ――本音を申せば』(文藝春秋)と川本三郎の『映画は呼んでいる』(キネマ旬報社)。
どちらも雑誌連載をまとめた本で、連載のそのときどきの映画について書かれてあったり、昔の映画について書かれてあったりする。
キャスリン・ビグロー監督の『ハート・ロッカー』は興味は惹かれるがあまり好んで見たい映画ではないが、見なくちゃいけないのだろうなと思った。
イーストウッド監督の『ヒア アフター』はいつかまた見たい。
『まほろ駅前多田便利軒』と『探偵はBARにいる』も見たい。
ポランスキー監督の『ゴーストライター』も気になった。
ガイ・リッチー監督の『シャーロック・ホームズ』も機会があれば見たい(テレビとかで)。
映画ではこの辺が気になった。
映画ではなく小説では、スタインベックの『怒りの葡萄』を読んだあとにブラッドベリの『火星年代記』を読みたい。
コメント

市川崑監督『細雪』を見た

2015年11月21日 23時14分24秒 | 映画
市川崑監督『細雪』を見た。
ハッピーエンドの話になっていて、雪子の結婚も決まり、妙子も幸せになるであろうという予感で終わる。義兄は雪子のことが好きだったので、ひとりで酒を飲んで泣いている。うーん、そんな話だっただろうか。
しかし映画としてはまとまりがよく、これはこれでいいと思った。
が、雪子の結婚相手が江本孟紀というのはいかがなものか。

最後まで見てみるとやっぱり谷崎潤一郎の『細雪』がきちんと読んでみたくなった。
コメント

市川崑監督『細雪』を少々

2015年11月21日 00時52分37秒 | 映画
市川崑監督の映画『細雪』を録画したので半分ほど見た。
意外に、おもしろい。
基本的に会話劇で、同じ場所での役者の会話で話が進む。昔の女優はいいなと思う。
三女の雪子を吉永小百合が演じるのだが、不気味で、どう見ても義兄の石坂浩二を誘惑しているとしか思えない。
雪子ってそんなひとだったろうか。
しかしずいぶん前に読んだ谷崎潤一郎の原作の雰囲気はよく出ているように思え、読みたくなる。そして(雰囲気が味わえるので)読まなくてもいいかなとも思う。
コメント