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茂木健一郎『脳を最高に活かせる人の朝時間』

2016年07月31日 20時36分03秒 | 文学
茂木健一郎『脳を最高に活かせる人の朝時間』(すばる舎)を図書館で借りて読んだ。
要するに早起きをすればすべて上手くいくというお話だった。
早起きと英語は私にとって、もっとも劣等感をかき立てるもので、このふたつが出来さえすれば自分の人生は全く違ってもっと素晴らしいものになるに違いない、と心の奥底でいつも思っているような気がする。
なので、茂木健一郎に早起きすればすべてが上手くいくと言われると、明日からでも朝五時に起きなければならないという気になってしまう。

しかし冷静に考えれば、早起きは出来るけれども(失礼ながら)何も出来ない人を私は会社で三人くらいは知っているような気がする。
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ミランダ・ジュライ『あなたを選んでくれるもの』

2016年07月29日 21時04分06秒 | 文学
ミランダ・ジュライ『あなたを選んでくれるもの』(新潮クレスト・ブックス)を図書館で借りて読んだ。
たいへんおもしろかった。
おそらく、かなりの確率で私にはおもしろくないのだろうが、彼女が監督した映画『ザ・フューチャー』が見たくなった。
そのような本になっている。
NHKでやることがあれば見たい。
ぜんぜん違う入り口から入ったのに、出口付近になると彼女の映画に興味を持たされているという、とても巧妙な、それでいて嫌な気はぜんぜんしないプロモーションだった。

インターネットの世界から離れて、そんなものとは無縁の生活をしている人たちのナマの人間の感触に触れることが出来たような気がして、自分もだいぶそういうものを忘れてしまっているなと思わせる本だった。
写真も良かった。
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ネットによって失われたもの

2016年07月27日 23時47分37秒 | 文学
少し前に雑誌の「クロワッサン」を読んでいて、そこにミランダ・ジュライの『あなたを選んでくれるもの』が紹介されていて、読んで、興味を持ち、図書館で予約し、借り、いま読んでいる。
インターネットによって私たちの生活から何が失われたかに触れようとする本で、とても興味深くおもしろい。
こんなにいまの感覚をきちんと掬いあげることができている本は珍しいと思う。
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伊福部昭『音楽入門』

2016年07月27日 20時53分01秒 | 文学
この前NHK-BS1で「ギャレス・マローンの職場で歌おう!」という番組がやっていて、ギャレス・マローンは以前本を読んだことがあり興味を持っていたので、この番組も長いものだったが録画して全部見た。
イギリスのいろいろな職場にギャレス・マローンが行って、合唱団を作り一番を決めるという番組でなかなかおもしろかった。クラシックやゴスペルよりも、知っているポップスやロックを合唱しているのを聞いているほうが楽しかった。
音楽には以前から興味があるのだが、ちょうどゴジラの新しい映画が公開されるのにあわせて発売された、伊福部昭の『音楽入門』(角川ソフィア文庫)を読んだ。ゴジラには申し訳ないくらい興味がない。
最初のほうで、音楽は解説のようなものを読んで理解すべきではなく、音楽そのものを楽しむべきだというような意見があり、それは至極もっともだけれどそれができないんだよな、と思った。
そこに感心したくらいであとはあまりおもしろいところはなかった。
クラシック音楽の聞き方のようなものを期待したが、そもそも解説のようなものを否定している人なのでそういうことは語ってくれなかった。そのわりに音楽の歴史については長いこと語っていた。
まあ、ものすごい何もすることがなくなって、テレビも映画もネットも見られないというような状況にならない限り、音楽を聴くということは僕にはないのかもしれない。
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パオロ・マッツァリーノ『エラい人にはウソがある 論語好きの孔子知らず』

2016年07月25日 23時24分12秒 | 文学
パオロ・マッツァリーノ『エラい人にはウソがある 論語好きの孔子知らず』(さくら舎)を図書館で借りて読んだ。
『論語』にはあまり感心した記憶がないので、この本はとても楽しく読めた。
孔子を立派な人物ではなかったのではないかという観点から書かれてある。タレントの出川哲朗のようなキャラクターの人物だったのではないかというふうに書かれている。その他にも「アメトーーク!」をよく見ているんだろうなと思うところが多かった。
孔子は実は立派な人物ではなくて弱虫なのに、後の時代の人間が立派な人物に仕立て上げてしまったという話は、遠藤周作の描くイエス像によく似ている。たぶん、そのようなこと(後付けで立派な人物になってしまうこと)はあるだろうなとは思う。しかしこのようなものの見方は小林秀雄的ではないなと思う。小林秀雄的でなければならないということはないが、小林秀雄には気に入らない考え方だろうなと思う。どちらが得るものが大きいかと考えたときに、小林秀雄的なほうが得るものが大きいのではないかと思う。
この本を読んでも『論語』を読もうという気にはならなかった。いつか、小林秀雄の『考えるヒント』か何かを読んで『論語』を読んだことがある。

おもしろいとは思ったが、ところどころで「ちょっと言い過ぎだな」と思うことはあった。
何かを言った後に、さらに何かを言って重ねる感じが、頭の良すぎる人か、あるいは口の達者な子供のような感じで(どちらも私は好きではないのだが)、もう周りのひとはちょっともういいよ、言い過ぎじゃない? と感じるようなそんな雰囲気があった。それは個人の感覚なのでもちろんそんな風には思わない人もいるだろうが、私はそのように感じるところが少なくとも2カ所はあった。
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青山南編訳『作家はどうやって小説を書くのか、じっくり聞いてみよう!(パリ・レヴュー・インタヴュー I)』

2016年07月25日 22時08分41秒 | 文学
青山南編訳『作家はどうやって小説を書くのか、じっくり聞いてみよう!(パリ・レヴュー・インタヴュー I)』(岩波書店)を図書館で借りて読んだ。
最初に出てくる、イサク・ディネセンに興味を持った。
彼女の『アフリカの日々』を読んでみたいが、ちょっと買って読むほどではないので読まないだろう。図書館で借りて読むような本でもない気がする。映画『愛と哀しみの果て』はこの本をもとにしたものらしいが、「愛と哀しみの果て」などというタイトルの映画をこれまで見ようと思ったことがないので見ていない。ロバート・レッドフォードには惹かれないが、メリル・ストリープには興味があるのでいつか見てみてもいい。
イサク・ディネセンのほかには惹かれる作家はいなかった。
ヘミングウェイがよく言及されるので、ヘミングウェイに興味を持った。フォークナーやフィッツジェラルドよりもよく出てきたように思う。
日本の作家にインタビューしたら誰の名前がよく登場するだろうか。夏目漱石か太宰治だろうか。志賀直哉ではない気がする。なんとなく、ヘミングウェイは日本文学では志賀直哉に当たる気がするので(個人の意見です)、ヘミングウェイの人気がちょっと意外だった。

やはりどういうものを書いている作家か分かっている人のインタビューでなければ興味を失ってしまう。
この本に登場した作家で、少しでも読んだことがあったのは、トルーマン・カポーティとホルヘ・ルイス・ボルヘスとジェームズ・ボールドウィンとトニ・モリスンだったが、いずれも好きな作家ではない。読んだ本の内容をすっかり忘れている。
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鴎外の(心臓破りの)坂を越えられず

2016年07月19日 20時45分17秒 | 文学
夏目鏡子の『漱石の思い出』を読んだときにこういうものもおもしろいなと思って、森まゆみの『千駄木の漱石』に興味を持ったのだが、その前にと思い同じ森まゆみの『鴎外の坂』を読んでいたのだが、ぜんぜん興味が持てないので断念します。
森鴎外にも、鴎外が住んでいた土地にもまるで興味が持てない。
東京に土地勘のないせいかもしれないとも思うのだが、そもそも私はどんな土地にも土地勘がないのだ。方向音痴だし。
妻が大好きなテレビ番組「ブラタモリ」を見ていてもなにがおもしろいのやらさっぱり分からない。
土地に対する愛情がまるで持てないのだ。
なにか私の幼年期の育てられ方とかそういうものと深い関係があるのだろうと思う。ほんとうに土地に対して興味が持てず、いまだに日本の都道府県をすべて言えないと思う(興味がないので試す気にもならない)。

森まゆみの本は今後相当のことがないと読まないだろうな。
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新しいドラマ「神の舌を持つ男」

2016年07月13日 00時11分22秒 | テレビ
テレビドラマ「私結婚できないんじゃなくて、しないんです」が終わってしまったので、同じ時間帯の新しいドラマ「神の舌を持つ男」を先週見た。
「やっちまったな!」(©クールポコ)と何度も思った。
堤幸彦のドラマはスベってると思わせることがこれまでも多くて、そのギリギリを狙っているのだろうと思っていたが、今回は本当にスベっているのだと感じた。「SPEC」(のドラマ)はとてもおもしろかった。
が、これはつまらない。
どこにおもしろさを感じればいいのか分からない。
ふんどし姿でがんばる向井理がかわいそうになってくる。火野正平を見てもかわいそうにはならない。コメディはむずかしいのだな。
「SPEC」の映画を見ても思ったが、向井理はこういうのは合わないんじゃないかなあ。貧乏だけど優しい夫、みたいなのが良いんじゃないでしょうか。

このドラマで気になるのは、主人公が追う温泉芸者「ミヤビ」を誰が演じているのかで、そこしか(僕には)見所がない。
後ろ姿は上野樹里のようにも見えたが、「ミヤビ」といえば一つ前のドラマ「私結婚できないんじゃなくて、しないんです」で中谷美紀が演じた主人公が「橘みやび」だった。中谷美紀といえば「ケイゾク」だな。「ケイゾク」は堤幸彦だな。
でも繰り返すと後ろ姿は中谷美紀には見えなくて、上野樹里だった。
そこだけが気になるので次週を見るかどうか迷っている。もう一回言うと、このドラマはつまらない。
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青山南編訳『作家はどうやって小説を書くのか、たっぷり聞いてみよう!(パリ・レヴュー・インタヴュー II)』

2016年07月11日 23時31分02秒 | 文学
青山南編訳『作家はどうやって小説を書くのか、たっぷり聞いてみよう!(パリ・レヴュー・インタヴュー II)』(岩波書店)を図書館で借りて読んだ。
ヘミングウェイとヴォネガットとフィリップ・ロスのインタビューを特に興味深く読んだ。
ヴォネガットは『スローターハウス5』を読みたいなと思った。ヴォネガットの小説はいくつか読んだことはあるが、いつも期待外れに終わる。『スローターハウス5』は有名だし、これまでも気になったことはあるが、どうなのでしょうか。
フィリップ・ロスは『ゴースト・ライター』が気になった。生き残ったアンネ・フランクらしき人物が登場するようだ。なかなかおもしろそうなのだが、本が手に入りにくいので読めない。

フィリップ・ロスは、
《われわれは知らなかったんだよ、われわれが背を向けたいと思っていた大衆の無知がそれから二十数年後にはカミュのペストのごとく国中を汚染していくことになるとはね。》(213頁)
と語っていて、今回の参院選の選挙結果を見ると、そのような気持ちになる。しかしこれはフィリップ・ロスも感じたことなんだな、と思う。なんであれ誰かが一度通った道であれば先があるということで勇気づけられる。
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三浦瑠麗『日本に絶望している人のための政治入門』

2016年07月10日 01時21分52秒 | 文学
選挙前なので、三浦瑠麗『日本に絶望している人のための政治入門』(文春新書)を図書館で借りて読む。
政治について知りたいと思っていくつか本を読むがなかなかわからない。おもしろいものがない。この本でも「はじめに」で述べられているように、俗な「政治本」か難しい「政治学」しかない。
この本も「政治入門」と言いながらぜんぜん入門ではなくて、ある程度分かっている人(著者本人レベルか?)を対象にしている。「日本に絶望している人のため」でもない。
タイトルと「はじめに」で期待させておいて読んでみたら、さていつもの本なので不愉快になる。「嘘をつくな」と思う。
安倍晋三に対する評価も高すぎる気がする。
この人の言葉で言えばコンパッションが足りないのではないかと思う。

新聞を読んでもよくわからない出来事を、すらっとわかりやすく卑近な比喩を用いて解説し、しかも普遍的な思想を感じさせる、そういう政治入門書を私は読みたい。
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