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ガウリ・シンデー監督『マダム・イン・ニューヨーク』

2022年04月30日 21時50分39秒 | 映画
BS松竹東急というチャンネルが新しく出来て、映画を放送するのでおもしろそうなものがないかをチェックしていて気になった、ガウリ・シンデー監督『マダム・イン・ニューヨーク』を録画して見た。
インドから親戚の結婚式の準備・出席をするためにアメリカにやってきた女性が、こっそりと英会話を勉強するという話だった。
英語の勉強の方法なり、動機付けなりを多少なりとも期待したがそのような話ではなかった。
最初の方にアメリカにやってきた女性がカフェで注文できなくて、店員から罵倒される場面があるがとてもリアルだった。こういうことは外国に行くとあって、もう二度と外国語で話をしたくなくなる。そういう気持ちがすごく理解できた。
リアルなのはそこだけでそこからあとは、まったくの”お話”だった。フランス男から言い寄られたり(たしかにたいへん綺麗な女性だった)、たった一ヶ月程度で英語が話せるようになっていた。
夫も子供もいても、フランス男に言い寄られてこの程度であれば恋をすることはインドでは許されるのだな、と思った。特にキスも肉体関係もあるわけではないが一度別の男を好きになって元の夫に戻ってきてもいいのだなと思った。
日本で例えば吉永小百合の映画で、家庭の主婦である吉永小百合が別の男を好きになったら、もう夫のもとに戻ってくることは出来ないのではないだろうか、とふと思った。少なくとも夫の前で涙して許しを請うくらいは必要なように思う。

おもしろい映画だった。
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井上ひさし『新釈遠野物語』

2022年04月26日 16時26分29秒 | 文学
井上ひさし『新釈遠野物語』(新潮文庫)を読んだ。
若者が老人に話を聞くという連作短篇集でとてもおもしろかった。
柳田國男の『遠野物語』の感じはあまりなかった。
老人の話に夢中になっていると、若者が老人に話しかけ中断するという場面が何度かあった。そこで読者としては、あ、いま自分は老人の話に夢中になっていたなと気づくことになる。そこがおもしろかった。
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京極夏彦『遠野物語remix』

2022年04月24日 23時51分04秒 | 文学
京極夏彦『遠野物語remix』(角川文庫)を読んだ。
柳田國男の『遠野物語』を京極夏彦が訳して、順番を変えたりもしているものだが、読みやすく最後まで読むことができた。(あ、最後まで読むことができたと言っても、最後の獅子踊りの歌は読んでいない。これが読める人がいるのだろうか。)
最後まで読めたが、『遠野物語』のおもしろさがやはり僕にはわからなかった。
死者に会ったり、河童に逢ったりしたひとの話が、身近なところにいるひとから話が聞けているというところがすごいのかな。ほんとうにわからない。
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戸谷洋志『ハイデガー『存在と時間』 (NHK100分de名著)』

2022年04月23日 13時54分18秒 | 文学
戸谷洋志『ハイデガー『存在と時間』 (NHK100分de名著)』(NHK出版)を読んだ。
番組の二回目の放送を見ていて、わかりやすく、興味を惹かれたのでテキストを買って読んでみた。
ハイデガーの『存在と時間』の話をするときはどうしてもナチスとハイデガーの話をしないといけないようで、番組でも最後の一回はそれに充てられる。全部は紹介できないので焦点だけと言っているくらいなのだから、『存在と時間』の話だけをすればいいのではないかと思った。
こういう本を読むと昔であれば、ハイデガーの『存在と時間』そのものを読まなければいけないと思ったものだが、まあもういいかなという感じがする。中山元訳の光文社古典新訳文庫版は半分以上が解説で八冊もあるので読む気がしない。他のものもそうだが、解説がいらないひとのために翻訳部分だけ半額で半分の分量で出版してくれないかなと思う。「文庫の半分の解説いらない」と思っている人は多いと思う。
読むなら熊野純彦訳の岩波文庫版なのだが、それでもなかなか大儀だ。

ハイデガーは世人に従って生きている人間が、死を契機にして本来性を取り戻すということを言っているらしいのだが、ほんとうだろうかなと思った。自分自身の死を考えるということも、その後に自分本来の生き方になるということも、結局は世人に従っているということにはならないのだろうか。誰も考えなかったように生きる(考える)などということは、たとえ死を考えたところで出来はしないのではないかと少し思った。
死ぬような経験をした人達が語ることも、あるひとつの型があるように前々から思っている。
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稲垣えみ子『魂の退社』

2022年04月18日 21時38分24秒 | 文学
稲垣えみ子『魂の退社』(東洋経済新報社)を図書館で借りて読んだ。
五十歳近くなって、これからの自分の会社での行く末を考える気持ちはものすごくよくわかる。そのあたりはおもしろかった。
しかしまあ、独身だから辞められるんだろうなと思った。
会社生活をずっと続けてきて、自分が辞めたら会社生活を批判するのもいかがなものかと思った。
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須藤元気『面倒くさがり屋の僕が3ヶ月で英語を話せるようになった唯一無二の方法』

2022年04月18日 21時23分02秒 | 文学
須藤元気『面倒くさがり屋の僕が3ヶ月で英語を話せるようになった唯一無二の方法』(幻冬舎)を図書館で借りて読んだ。
日本語であろうが英語であろうが自己紹介すると思うとものすごく憂鬱になるので、僕にはこの方法は合わないなと思った。
船橋由紀子の『英会話は筋トレ。』でも自己紹介をするパートがあったが、ひょっとすると自己紹介ができない人間は英語ができないということなのかもしれない。
だったら僕には英語ができない。
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テレビドラマ『雪国』

2022年04月17日 00時06分33秒 | テレビ
高橋一生主演のテレビドラマ『雪国』を見た。
ドラマの後半は駒子の視点でこれまでのことが描かれ、駒子にとって島村は好きでもなんでもない男だったことがわかる。
川端康成に限らず昔から文芸作品に描かれる、作家本人と目される男性主人公と彼と恋をする女との関係で実はこのようなこと(男の勘違い)はよくあることなのかもしれないと思った。
ちょっと川端康成の原作を読んでみたくなった。
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カフカ『変身』

2022年04月14日 00時11分45秒 | 文学
カフカ『変身』(白水uブックス)を読んだ。
何度か読んだことはあるが、これまでで一番楽しめた。
主人公が虫になるということに気を取られて、他のことを見落としがちになるが、これはきちんと家族を描いたものだということに改めて気付いた。伊集院光の『名著の話』でも語られていたように、これは虫になるというよりも、引きこもりになって会社に行けなくなった男の話として読むといろいろと納得がいく。そして心が動かされる。伊集院光が登校拒否だったころに姉から「友だちが来るから部屋から出ないで」と言われたという話が印象に残ったが、まさに扱いとしては『変身』の虫と同じ扱いだなと思う。
いつか自分も、会社に行けなくなって家族から世間の目に触れさせたくない存在になるということも有り得るのだな、と思う。
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伊集院光『名著の話 僕とカフカのひきこもり』

2022年04月11日 23時59分20秒 | 文学
伊集院光『名著の話 僕とカフカのひきこもり』(KADOKAWA)を読んだ。書店で見かけて気になり購入した。
取り上げられるのは、カフカの『変身』、柳田國男の『遠野物語』、神谷美恵子の『生きがいについて』の三冊で、読んだことがあると言えるのは『変身』くらいで、『変身』もそんなに好きとは言えない小説だし、『遠野物語』は擬古文でぶつ切りというもっとも苦手な読み物だが、どの本も読んでみなければならないなと思った。
そして読んでからもう一度この本を読もうと思う。
とっても良い本だった。
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橋本一監督『劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班』

2022年04月06日 20時57分46秒 | 映画
橋本一監督『劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班』を見た。
テレビドラマはとてもおもしろかったけれど、雑な脚本と無駄なアクションで、もう見るに値しない。
だんだんと無理矢理話を作ろうとして、最後は悪い印象だけ残して終わるようなことがある。『SPEC』もひどかった。
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