![本当の翻訳の話をしよう 増補版 (新潮文庫)](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41cz2jINicS.jpg)
柴田元幸の論文は読めなかった。
村上春樹と柴田元幸が新潮文庫で復刊したり新訳で出したりした翻訳本についての対談をまとめたものだった。
興味を持ったのは『アリバイ・アイク』だった。
昔別のタイトルで出ていた本を復刊するときに村上春樹の一言で別のタイトルをつけて出すというのは、翻訳した人からすれば複雑な気持ちだろう。自分の思いもあっただろうし。しかし復刊していただけるなら文句は言えない。村上春樹自身が『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を、タイトルがわかりにくい(というか訳してないじゃん)という理由で別のタイトルにしますと言われたら絶対に反対するだろうな、と思う。
翻訳は、同じところを二回読ませないように訳すというのはいい基準だと思った。
柴田元幸の『ロード・ジム』で初めてこの本が読めたという村上春樹に共感した。私もそうだ。(おもしろくはなかったが。)