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トルストイ『戦争と平和(四)』

2020年05月30日 22時32分03秒 | 文学
トルストイ『戦争と平和(四)』(岩波文庫)を読んだ。
アンドレイとマリアの父親が死ぬ。
いま私自身の父親もあまり長くないと思われるので、父親が死ぬというところに過度に反応してしまう。
この巻は戦争場面が多いし、トルストイの論評も多くてなかなか読みづらい。戦争シーンなんて「結果だけ教えてくれないかな」と思ってしまう。
ピエールはドーロホフに再会し、アンドレイはアナトールに再会する。アナトールは足を切り落とされている。

438頁に誤植があり、
《「こんな時にさ」アンドレイはくり返した。あの連中にしてみれば(後略)》
とあるのだが、”あの連中”の前に”「”が必要だ。
岩波文庫では珍しい。

この『戦争と平和』訳では、各巻の最初に前巻のおさらいが書かれていて、読んでみると発見がある。
ピエールがナポレオン抹殺を決意していることをまったく知らなかった。
なんのためにピエールが戦場をうろちょろしているのか私にはまったくわからなかった。馬鹿じゃないか、と思っていた。しかし、ナポレオン抹殺を決意していると知っても、「馬鹿じゃないか」という感想は変わらない。
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高橋源一郎『一億三千万人のための『論語』教室』

2020年05月25日 20時20分26秒 | 文学
高橋源一郎『一億三千万人のための『論語』教室』(河出新書)を読んだ。
読みやすいのですぐに読めたが、あまり身に付いていない感じ。
悪い政治家の例では安倍晋三のことがすぐに思い浮かぶ。安倍晋三が悪い政治家であることがよくわかる。
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父親のこと

2020年05月19日 23時12分54秒 | 育児
父親の状態がだいぶ悪くなっているという連絡が姉から入る。
あまりものが食べられなくなっているらしい。
ちょっとこの週末に様子を見に行くことにする。
胃癌が見つかって、あと一ヶ月とか三ヶ月とか言われて、手の施しようがないので手術も何もせず半年以上が経つ。
そろそろ(自分の番)、という感じで、プールの高い飛び込み台の上に自分が立っているようなそんな気持ち。

娘(八歳)にお祖父ちゃんが病気であることを初めて伝える。案外悲しそうな素振りは見せない。まだよくわからないのかもしれないし、よく分かっているのかもしれない。
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トルストイ『戦争と平和(三)』

2020年05月18日 23時13分06秒 | 文学
トルストイ『戦争と平和(三)』(岩波文庫)を読んだ。
ロストフ家の狩猟に参加するおじさんがいるのだが、このひとの口癖「きれいさっぱり、行くぜ」というのが可笑しい。なんどもこの台詞を喋る。お笑い芸人のスギちゃんのような印象。デニーソフという登場人物がいて、そのひとはちょっと訛りのある喋り方をするのだが、この翻訳では登場人物の喋り方で印象に残るようにしているのだろうか。
このおじさんとの狩猟の場面はとても幸せな感じで、印象に残る。
この巻の最後はナターシャがアナトール・クラーギンに惹かれ、アンドレイ・ボルコンスキーとの婚約を断ってしまい、さらにアナトールと駆け落ちしようとしてしまう。さらに自殺未遂。アナトールには友人ドーロホフがいる。ドーロホフがいるとろくなことが起きない。あのとき(ピエールとの決闘)に死んでおけば良かったのになと思う。
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「BRUTUS」の「クラシック音楽をはじめよう。」

2020年05月18日 20時21分17秒 | 文学
首が痛くて本を読むのもつらかったので雑誌「BRUTUS」の「クラシック音楽をはじめよう。」の号を妻に買って来てもらう。
クラシック音楽を聴くような生活に憧れるが、そのような生活をどうしてもできない。
この前ガルシア=マルケスの『わが悲しき娼婦たちの思い出』を読んだが、あの小説の語り手の新聞記者のような、クラシック音楽を聴くような生活を送りたいと思う。
この雑誌にもガルシア=マルケスのことが出ていて、ニューヨークではいま彼の『コレラの時代の愛』が”爆発的に”読まれているらしい。『百年の孤独』を読んだので、もうガルシア=マルケスはいいかなと思っていたがしばらくしたら読んでもいいかもしれない。
「BRUTUS」を読んでもクラシック音楽の聴き方というのがわからなかった。結局は子どもの頃に両親の影響で聞き始める以外にクラシック音楽を聴くようにはなれないのではないかと思った。うちの実家にクラシック音楽が流れたことは一度もなかったな。
湯山玲子(彼女は親が作曲家)が「BGMではダメ」と書いているが、どうすればBGMではなく聴けるようになるのか教えて欲しいものだ。

ここでトルストイ『戦争と平和』を読んだ後に読む予定の本の整理をしておく。
吉川英治『三国志』
ディケンズ『大いなる遺産』
トルストイ『アンナ・カレーニナ』
島崎藤村『夜明け前』
バルガス=リョサ『楽園への道』
小林秀雄『ゴッホの手紙』
ウエルベック『地図と領土』
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首の痛み

2020年05月18日 00時16分10秒 | 衣食住
金曜日の夜に眠っていられないくらい首が痛くなって病院に行く。
湿布と痛み止めをもらう。
最近子どものために任天堂のゲーム機Wiiを出してやっていて、そのせいでへんに力が入って痛くなったのだろうと思う。
子どもとおうちで過ごす弊害。

首の左側が痛くて、寝ようとするときに座っている状態から横になるのだが、そのときに首に力が入るらしくものすごく痛い。起き上がる時も同じ。
「もう死ぬ」と思いながら頑張って、横になったり起き上がったりする。
寝る時は痛くない右側を下にするのではなくて、痛い左側を下にするほうが安定するからか眠りやすいように思う。
また次回痛くなった時のためにメモを残しておく。

何年か前に同じ状態になったことがあり、二度目なのでもうなりたくない。
日本舞踊を習っている人と間違われるくらい毎日姿勢を良くして過ごすことにしたい。
月曜日は会社を休む。
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沢木耕太郎の身辺整理

2020年05月14日 20時59分26秒 | 文学
注目しているからそう見えるだけなのかもしれないが、最近沢木耕太郎が本をたくさん出していて、それが新しく書いたというものではなく過去の仕事をまとめたものが多いように思う。身辺整理をしているような感じ。
沢木耕太郎は、たくさんは読んでいないが注目していて本が出ると気になる。
字が大きくなったら読もうと思っていた『深夜特急』の、たぶん新装版がもうすぐ出るようで、外出のあまりできない今は良い機会のように思うので読むかもしれない。

いま読んでいるのは、トルストイの『戦争と平和』と高橋源一郎の『一億三千万人のための『論語』教室』。
『一億三千万人のための『論語』教室』は書き下し文と高橋源一郎の翻訳が順番に載っているが、だんだんと翻訳だけ読むようになっている。最初は書き下し文も読んでいたのだが、だんだんと「こんなふうに勉強として読むことこそこの本は否定しているのではないか」と思い、新刊の気軽なエッセーのように読んでいる。あまり頭に残っていない。
読みやすいが、すごくおもしろいのかと言われればすごく、とまでは言えない。もっとおもしろい本はあるだろう。井上靖の『孔子』をまた読みたい。
『戦争と平和』はピエールのフリーメーソンの話。ここで前回挫折したのではなかったと思う。ここが踏ん張りどころ。
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本木雅弘の永い言い訳

2020年05月13日 00時22分14秒 | テレビ
録画していたテレビ番組『プロフェッショナル選「本木雅弘スペシャル+ひとり反省会(副音声)」』を見た。
本放送の時も見たのだが、今回の副音声の本木雅弘の反省会のほうが楽しかった。
せっかくならもう少し樹木希林のこと、シブがき隊やシブ楽器隊のメンバーのことについても語って欲しかった。
今年の大河ドラマ『麒麟がくる』は見ていない。東京オリンピック期間中に放送しないという話を聞いて、「そんな根性でドラマを作るな! スポーツに興味のない奴が時代劇を見るんだ!」と思い見ないでいたのだが(嘘)、こんなふうに先行き不安になるのであれば見ておけば良かったと少しだけ後悔している。ほんの少しだけ。
「麒麟がくる」というタイトルは「希林(の婿の本木雅弘)がくる」という意味なのだろうか。それも、見ていないので分からない。

この副音声の方式でNHKはしばらくやっていけるのではないかと思う。
吉永小百合の「プロフェッショナル」でもできるし、本人の副音声ということにこだわらなければ高倉健の「プロフェッショナル」でもできる。
いろいろな名作を副音声で味付けして再放送するというのは良いと思う。
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トーマス・マン『ヴェネツィアに死す』

2020年05月11日 21時04分21秒 | 文学
トーマス・マン『ヴェネツィアに死す』(光文社古典新訳文庫)を読んだ。
以前新潮文庫で読んだときにぜんぜんおもしろくなくて意味が分かりにくく、訳が古いせいだろうと思ったのだが、新しい翻訳で読んでもおもしろくなかった。トーマス・マンは文章が難しいのだろう。
美少年に恋するインテリおじさんの話で、映画は好きなのだが、小説で読むと難しい。
今回は伝染病を扱っている小説だから読んだ。
《こうだという記事があり、それを取り消す記事があった。罹病者と死亡者の数が、二十人、四十人、いや百人、それ以上に膨れあがったと書かれ、それからすぐに、伝染病の発生そのものが、はっきりとではないまでも否定され、完全に個別の、外から持ち込まれたケースだということにされた。》(113頁)
なかなかいまの状況と重なるところもあった。
しかしこの小説で、なぜ伝染病が扱われ、それによって主人公が死ぬことにされたのかよくわからなかった。美少年を愛することとコレラというのがあまりつながらない気がした。
最初に年老いているのに若く装っている男を見て嫌悪感を持った主人公が、最後には自分も若くなろうとするのは痛々しい感じだった。
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トルストイ『戦争と平和(二)』

2020年05月10日 22時59分41秒 | 文学
トルストイ『戦争と平和(二)』(岩波文庫)を読んだ。
前回途中まで読んだときにも思ったが、第一部の最後で負傷したアンドレイが憧れのナポレオンに会うのだが、高い空を見上げて人間の小ささを思うところは素晴らしい。トルストイをすべて読みたくなる。
ピエールとドーロホフの決闘があり、リーザが出産するときに死んだと思われていた夫のアンドレイが帰ってきて妻が死に、ニコライはドーロホフにギャンブルで莫大な借金をする。財産の半分以上を妻エレンに渡して別居したピエールはフリーメーソンの老人バズデーエフと出会い、フリーメーソンに入会する。
とんでもない話が次から次に起こり、とても楽しい。
とくにピエールとフリーメーソンの老人との会話はなかなか感動させる。
いま真理や神などを真剣に考える社会にいないが、このような話を読むと崇高な気持ちになる。いまこのような自分ではいけないな、駄目だな、と感じる。
この巻の最後でニコライは兵隊である自分に空しさを感じる。
トルストイは素晴らしい。

コロナ禍のなかでインターネットで調べても(結局は分からないので)納得できることがなくそれでも調べていると、自分がどんどん地面を掘ってもう地盤が固くて掘れなくなっているのにまだスコップで掘っているような思いになる。
こういうときに長い小説というのはいいものだなと思う。少なくとも前に進んでいる気持ちになる。
『アンナ・カレーニナ』も再読したい。
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