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沖田修一監督『モリのいる場所』

2021年09月28日 16時49分42秒 | 映画
沖田修一監督の『モリのいる場所』を観た。
このところNHKで樹木希林を見ることが多いので、ちょっと振り返ってみようと思い未見のこの作品を観た。

『ドリフに大挑戦』という昔ドリフターズがやっていたようなコントを最近のお笑い芸人がやる番組があって、なぜだか娘(九歳)がそれを録画して大爆笑しながら見ている。もう私には何がおもしろいのやらさっぱりわからないが、パイを他人の顔に投げたり、何かで他人の頭を叩いたりという事が、新鮮でおもしろいのかもしれない。最近のテレビでは確かに見ることがない。
ドリフを子どもに見せたくなかった四十年前の親たちの気持ちに共感する。
『モリのいる場所』では樹木希林がくしゃみをすると(特に加藤茶のものまねのようではないが)、みんなの頭の上にタライが落ちてくるという場面がある。
この場面と、三上博史の出演シーンはすべていらないなと思った。
監督がこの映画の退屈さに耐えられなかったのだろうか。とてもいい映画の雰囲気のある、残念な映画だった。

ちょっと前に藤子・F・不二雄の『T・Pぼん』を読んでいたらネフェルティティの像の話があり、そのすぐ後でテレビゲームの『あつまれどうぶつの森』にネフェルティティらしき像が登場して驚いた。
『モリのいる場所』で山崎努が旅館の看板を書いてくれと頼まれたのに「無一物」という自分の好きな言葉を書く画面があったが、先ほど河合隼雄と白洲正子の対談を読んでいたら「無一物」という言葉が登場し驚いた。最近そういうことが続く。

樹木希林はこの映画でカレーうどんを作っていたが、是枝裕和の『海よりもまだ深く』でも作っていなかったかなあ。
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河合隼雄『明恵 夢を生きる』

2021年09月26日 16時10分35秒 | 文学
河合隼雄『明恵 夢を生きる』(講談社+α文庫)を読んだ。
河合隼雄の本を久しぶりに読むが、最初のほうはすごく読みやすくて良いなと思いながら読んでいた。
最後のほうは井筒俊彦の本の感想のようになり、難しかった。井筒俊彦という名前を最近よく見るが、難しい印象がある。
明恵が耳を切ったという話があって、最近小林秀雄のゴッホの本を読んだが、ゴッホが耳を切った事よりも明恵が耳を切った事は肯定的にとらえられていた。河合隼雄がゴッホが耳を切った事についてどのように語るのか聞いてみたかった。

鎌倉時代の明恵が『夢記(ゆめのき)』という、自分の見た夢について日記を書いていたというところに興味を惹かれて読んだ。
もっとユング心理学を使って明恵の深層心理について河合隼雄が分析を行っていく事を期待したのだが、そのような感じではなかった。
ちょっと話として無理矢理難じゃないかなと感じるところもあった。そのように感じ始めてあまり熱心に読めなくなった気がする。
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『藤子・F・不二雄大全集 T・Pぼん』

2021年09月23日 21時15分42秒 | 文学

『藤子・F・不二雄大全集 T・P(タイムパトロール)ぼん』全三巻を図書館で借りて読んだ。
昔読んだ記憶ではもっとおもしろかったように思うのだけれど、読んでいくとだんだんにつまらなくなった。
最後あたりは、最近のテレビのバラエティー番組でVTRをスタジオで出演者が見る、その姿をワイプに映すといったような感じだった。どこかの時代にぼんとユミ子が行って、その時代に起きる事をただ眺めて、最後に感想を言うというような感じになっていた。
どこかの時代に行って、後の世に影響を与えない人物だけを助けることができるという設定がちょっと難しいように思う。そんな人物いるのかな、というように思う。
ナポレオンとクレオパトラと豊臣秀吉なんかが歴史を動かしていて、無名の人間はそこに何も関与していないという考えは、いまの時代ではちょっとないように思う。連載時とは世の中の考えが変わってきているのだろう。

藤子・F・不二雄祭りはもう終わると思う。
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『藤子・F・不二雄大全集 エスパー魔美(1)』

2021年09月23日 11時37分21秒 | 漫画
『藤子・F・不二雄大全集 エスパー魔美(1)』を図書館で借りて読んだ。
おもしろかった。

エスパー魔美がちょっとずつ成長するところは読んだ事がなかった。後のほうの話しか読んだ事がないのだろう。
仁丹を顔にぶつけようとすることで瞬間移動するということを知らなかった。仁丹ってまだあるのかなあ。
エスパー魔美からは仁丹の匂いが漂うのだろう。エスパーじゃないかと疑われる前に、おじさんじゃないかと疑われそう。
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鈴木雅之監督『マスカレード・ホテル』

2021年09月22日 22時56分32秒 | 映画
テレビの放送を録画して、鈴木雅之監督『マスカレード・ホテル』を観た。
昔原作を読んだ事があって、原作はおもしろかった記憶がある。
映画は木村拓哉を見る映画だったな。
『あすなろ白書』のころの木村拓哉はもっと自然だったような気がする。いつから木村拓哉は木村拓哉を演じるようになったのだろう。
感想はそのくらい。
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小林秀雄『ゴッホの手紙』

2021年09月20日 14時54分40秒 | 文学
小林秀雄の『ゴッホの手紙』(新潮社『小林秀雄全作品20』所収)を読んだ。
少し前に新潮文庫から『ゴッホの手紙』が出て、そこに収録されているものもいっしょに読んでみようと『小林秀雄全作品』で何巻に入っているのかを調べてみた。

「ゴッホの手紙」(20)
「ゴッホの墓」(21)
「ゴッホの病気」(22)
「私の空想美術館」(22)
「ゴッホの絵」(24)
「「ゴッホ書簡全集」」(24)
「「近代芸術の先駆者」序」(25)

文庫に入っている順番に読んでいく。

「ゴッホの病気」のなかに、
《もし芸術作品の個性という事が言いたいのなら、それは個人として生れたが故に、背負わねばならなかった制約が征服された結果を指さねばならぬ。》(301頁)
という言葉があり、好きな考えだった。
ゴッホは、貧乏しながら絵を描いて、狂ってしまって最後は自殺してしまうが、その間に手紙をたくさん書いている。その孤独な感じがものすごく身につまされる。世間と上手くいかなかくて、ひとりぼっちで取り残された感じって、若い頃に自分も感じていたなと思った。
いまも感じている人はいるだろう。
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エピクテトス『人生談義(下)』

2021年09月19日 20時54分41秒 | 文学
エピクテトス『人生談義(下)』(岩波文庫)を読んだ。
結局は、自分の身体のことも含め意志に関わりのないことはどうしようもないので気にするな、意志に関わることにだけを気にしろ、ということを言っているように思えた。
私にはそこしか聞こえなかった。
たった一つのことだけを読むには長い本のような気がするが、たった一つのことだけでも理解するには時間がかかるし、読み終わってしまうとすぐに忘れるよな、と思う。どうしたって意志に関わりのない、他人のこととか、身体の具合のこととかをこれからも気にしてしまうことだろう。
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『藤子・F・不二雄大全集 SF・異色短編』(1)(2)

2021年09月19日 10時17分58秒 | 漫画

『藤子・F・不二雄大全集 SF・異色短編』の1と2を図書館で借りて読んだ。
全集を二冊読んでおもしろくないということは僕には合わないのだろうと思うのでもう読まないことにする。
性的な話も出てきて、藤子・F・不二雄に対するイメージと合わなくてそこも気になって素直に楽しめない。
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『藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん(2)』

2021年09月18日 21時24分20秒 | 漫画
『藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん(2)』を図書館で借りて読んだ。
「のび太の海底鬼岩城」「のび太の魔界大冒険」「のび太の宇宙小戦争(リトル・スターウォーズ)」の三作品が収録されている。
「のび太の魔界大冒険」の文庫を当時もっていて、何度も読んでいたせいだと思うが、この話がもっとも好きだった。ドラえもんとのび太が石になり、その石になることが最初から暗示されている。パラレルワールドという言葉を知ったのもこの物語を読んだのが最初だった。
「のび太の宇宙小戦争」は映画を観たこともマンガを読んだこともなかった。「のび太の魔界大冒険」が僕の「大長編ドラえもん」の最後だったようだ。
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『藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん(1)』

2021年09月18日 15時04分27秒 | 漫画
『藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん(1)』を図書館で借りて読んだ。
「のび太の恐竜」「のび太の宇宙開拓史」「のび太の大魔境」の三作品が収録されている。
この時期のものは、読んだか映画をテレビで観たことがあるとは思うけれど、忘れている。
「大長編ドラえもん」はすごく長くて、ワクワクするイメージだったが案外すぐ読めてあっさり終わる。大人になるというのはつまんないものだなと思う。

「のび太の恐竜」ではタイムふろしきを使ってタイムマシンを直せばいいのにな、と思いながら読んだ。そのあとの「のび太の宇宙開拓史」ではタイムふろしきで宇宙船を直し、最後のオチもタイムふろしきだった。
「のび太の大魔境」で、未来の自分が過去の自分を助けるという発想はとても藤子・F・不二雄のSFらしくて良かった。

夏休みにこどもだけでどこかに行って、夜になったらアメニティグッズ(そんな言葉はなかったけれど)の備わった宿泊施設の別々の部屋で眠るというのが子どものころ憧れた。それを思いだした。
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