ダブログ宣言!

ひとりでするのがブログなら、
ふたりでするのがダブログ。

ハワイ日記

2010年10月31日 21時21分39秒 | 文学
10月26日(火)
(日本)
朝6時に目が覚める。旅行に行くことで多少興奮しているようだ。
新幹線に乗り大阪へ行く。
飛行機の出発までに時間があるので司馬遼太郎記念館に行く。
入った瞬間に天井までの書棚に圧倒される。ボルヘスの小説に出てきそうな、と言われそうな、そういう空間。
でもそれでおしまい。それ以外にはとくにこれといった展示物もない。
こんな書斎がうちにもほしいと思った。
隣に(正確には記念館の敷地内に)司馬遼太郎が実際に住んでいたという家がある。いつか何かの本で写真を見たことのある書斎が窓からのぞける。
大きな庭のある邸宅だった。
文学記念館というのはどこへ行っても「ふうん」で終わりだ。

出発前に空港でうどんを食べる。
手続きを済ませ、免税店の並ぶあたりをうろうろしていると、青年が、免税店の上の、出国手続きを行う前に私たちがいたロビーのガラスの後ろに立った女性と別れを惜しんでいる姿に出くわす。青年は見上げながら胸を拳でこんこんと叩く。たぶんコリアンだろうなあ。
こういうのは切なくて好き。

これから飛行機で眠るのでトイレで歯を磨く。すっきりして気持ちがいい。
21時頃、飛行機に乗る。
少し眠る。
機内食が出る。後ろの方の席なのでなかなか来ない。やっと来て、食べる。デザートまで食べる。そして眠る。何度か目が覚めながらもわりとよく寝る。
飛行機がかなり揺れる。なんどか死を覚悟する。

(ハワイ)
時差があるので火曜日がまだ続く。
ハワイ時間で10時頃ハワイに到着。眠くはない。
入国カードを手に持ちながら渡し忘れていたら女性職員に「オーイ!」と目を見て怒られる。迫力があって恐ろしい。もう帰りたい気持ちになる。なんで「オーイ!」なんて日本語を知っているのだろうか。
バスでホテルに到着。
レイをかけられる。生まれて初めての経験。チェックインまで時間があるので待合室のようなところでジュースを飲む。トイレの場所を訊ねるために初めて英語を話す。簡単な英語だがちゃんと伝わり答えも分かった。
さらにチェックインまで時間があるので昼御飯を食べに街に出掛ける。
ごはんのうえに海老の乗ったプレートランチを食べる。量がむちゃくちゃ多い。半分ほど残す。少し雨が降る。
チェックインのあと買い物に出掛ける。日本語で買い物ができる。店員も日本人にしか見えない。たぶん日本人なのだろう。
夜はホテルのレストランで食べる。ステーキを食べたが量が多く、半分ほど残す。食べながら胃が膨れるのがわかる。これ以上食べたらやられる!というところまでは頑張って食べた。
お酒も飲み、早く眠る。たぶん22時頃には寝ていた。寝ながら誰かが洗濯機を回しているなと思ったら波の音だった。波の音を聞きながら眠る。

10月27日(水)
朝食はホテルでビュッフェを食べる。
ごはんと味噌汁、漬物まで置いてある。しかしせっかくなので洋食を食べる。パイナップルが美味しい。
そのあと海で泳ぐ。楽しい。
昼食はハンバーガーを店で食べる。上のバンと下のバンが分かれて、片方にサラダとトマトとベーコン、もう片方にハンバーグが乗ってかごの上に盛ってやってくる。ナイフとフォークも机のうえにあるので、どうやって食べるのか迷う。ナイフとフォークで食べるのだろうか。試みるが難しいので自分ではさんで食べるのだろうと思い、やってみる。こちらのほうが食べやすい。
しかしでかい。
店にいたアメリカ人らしきおじいさんも同じようにはさんで食べているのでおそらく食べ方はあっていたのだろう。
店内にも鳩が歩いている。ハワイにはこの白い鳩が多い。あちこちにいる。

ホテルに帰り再び泳ぐ。
朝泳いだ時よりも引き潮で、砂浜がある程度の高さでえんえんと続いているので水の量が少なく泳ぎにくい。泳ぐなら午前中が良いと知る。

アラモアナショッピングセンターに行き、買い物をする。トイレの位置がなかなかわからない。日本の施設はどこからでもトイレの位置が分かるようになっているので、親切なのだなあと思う。
夜も店に食べに行くが、目当ての店が見つからず、別の店に入る。
ゲイっぽい(いや、あからさまにゲイ)のウェイターにサービスされる。若いころの武田真治みたいな雰囲気の顔で、背筋がぴんとして、歩き方が坂東玉三郎みたいな、青年。
マンゴージュースを頼んだつもりが、緑茶風味の意味不明の飲み物を出される。メニューをきちんと見なかったこちらが悪い。たぶん「マンゴー風味の緑茶」と書いてあったのだろう。疲れていたのでメニューをあまり見ずに「これ」と頼んだ。
僕は魚のハンバーガー、妻はロコモコを頼む。どちらも大量。食べきれない。
ホテルに帰って眠る。

10月28日(木)
朝は近所の、自分たちが泊っているホテルとは別のホテルに朝食を食べに行く。ピンクの建物のホテル。
パンケーキがとても美味しい。

新聞で台風のことが書いてあるのを見つける。
天気図の台風の印の横に「CHABA」と書いてある。
台風には「14号」とかではなくそれぞれ名前がついているのだなと知る。同じ台風でもずいぶんと印象が違う。

泳いだあと、バスに乗ってホノルル美術館に向かう。いままではJALパック専用のバスに乗っていたので、現地のひとたちも乗るバスに乗るのは初めて。緊張する。
下車する時にひもを引っ張って運転手に知らせるのに驚いた。
ホノルル美術館はとても広い美術館だった。日本の仏像や源氏物語についての絵があって、英語で説明が書かれてあるのが新鮮だった。
昼御飯を美術館のカフェで食べる。スパゲティーを頼む。美術館だし上品な量だろうと油断していたら、スパゲティーのうえに鶏の丸焼きみたいなものが乗ってくる。どこまでも量が多い国だ。
しかしこれは完食できた。

夜はホテルのプールサイドのバーで酒を飲む。
これまで話には聞いていていつか食べたいと思っていたフィッシュ&チップスを頼む。まあそんなに期待していたほどでもなく予想通りの品。

10月29日(金)
(ハワイ)
朝はビュッフェ。パンケーキも食べる。食べすぎ。
妻は食べすぎて気分が悪くなり出発まで横になるというので、僕はベランダで読書。江藤淳の『アメリカと私』を読む。江藤淳は自分勝手な夫だなと思う。「家内」にアメリカで運転免許書を取らせる。そのほうが効率的だから、という理由で。ものすごく「家内」に威張っているのが端々からわかる。とてもおもしろい。江藤淳はいい文章を書くなと感心する。引き込まれる。

ホテルを出発。さようなら、ハワイ。アローハ! マハロ!
税関で前の白人一家がサンダルまで脱がされていて、驚いていたら、お前も靴を脱げと言われる。アメリカの税関は厳しい。
空港の店でキーホルダーを買う。硬貨の区別は最後までつかなかった。25セントと10セントと5セントの区別と、一瞬での合計の計算ができない。これは僕の頭が悪いせいではなく慣れの問題だ。そう信じたい。

飛行機に乗り映画を見たりゲームをしたりして過ごす。
『ナイト&デイ』は見る価値がない。『ちょんまげぷりん』は終わりの30分ほどを見たが、あまりおもしろそうではない。やっつけるために不良を無理やり悪く描きすぎている。子供がいなくなるのは『となりのトトロ』の影響か。
ゲームの種類も多い。
将棋と麻雀を何度もやった。
ゲームをやっているときに飛行機が揺れ、乗り物酔いになる。残り一時間ほど祈りながら過ごす。

10月30日(土)
(日本)
日本に着くと土曜日の夕方。
空港でお好み焼きを食べる。量も適量で安心して食べられる。美味しい。
家に帰って風呂に入って眠る。

10月31日(日)
(日本)
江藤淳の『アメリカと私』を帰りの飛行機に忘れたことに気付く。乗り物酔いのせいだ。
まだ読み終わってないしおもしろそうなのでまた買うことにする。
コメント

機内で『ナイト&デイ』

2010年10月31日 10時44分38秒 | 映画
旅行から帰ってきた。
帰りの機内でトム・クルーズとキャメロン・ディアス出演の映画『ナイト&デイ』を見た。
飛行機の中で、機長の話とか、身体を動かしてボタンを押してチャンネルを変えてしまったりで何度か中断させられたりして、話がよくわからないところもあったけれど、おもしろくもなんともない映画なのだろうということは分かった。『007』とか『スパイ大作戦』が好きな人には楽しい映画なのかもしれない。気楽に見られる映画だ。
トム・クルーズって最近ろくな映画に出ていないのではないか。
見たことを忘れてしまいそうな映画なので、メモしておく。
コメント

モーム『雨・赤毛』

2010年10月24日 22時53分43秒 | 文学
モーム『雨・赤毛』(新潮文庫)を読んだ。
「雨」、「赤毛」、「ホノルル」の三編が入っている。
「ホノルル」はハワイ観光案内のようなものをすこしだけ期待したがそのようなものではなく、呪い殺されそうになる話だった。
どの短編も、最後はきちんとオチのある話で、最近あまりこんな感じのものを読まないので新鮮だった。
「雨」の結末はわかりにくい。訳のせいかもしれない。たぶん、何のことかよくわからないひとも結構いるのではないかと思う。キリスト教徒の男が売春婦と肉体関係にあったというオチなのだろうと思ったが、違うのかもしれない。
コメント

食と思想

2010年10月21日 23時14分23秒 | テレビ
NHKハイビジョンの「愛と胃袋」の三回目、角田光代の回を見る。
これまで見たなかでいちばんおもしろい回だったと思う。バスク地方に行ってみたくなった。バル(BAR)でピンチョスが食べたい!
角田光代が、家族というのは相手のお腹の減り具合をいつも心配しているもの、それが家族だ、という定義をしていてなるほどと思った。母親が病気になったときに、角田光代がひとりでレストランに入って食事をしたという話もおもしろい話だと思った。
角田光代はなかなか癖のある人だ。
興味を持った。
しかし(やはり)ドラマの部分を見て本を手に取るほどの興味には育たなかった。
すべて主人公が外国人の女性、というところが興味を失う原因かもしれない。外国を女性作家が旅行して書いた小説の主人公が外国人女性である、というところがどうにも読む気を失わせる。もうひとひねりあってもよいものだと思う。
しかしそのような縛りのある企画なのかもしれない。

今日は「辰巳芳子 食は命のいとなみ」という番組を見ていた。料理家の辰巳芳子に興味を持った。
料理をすることは哲学なのだと思った。
彼女も癖のある人だ。
あるひとの思想に惹かれるのは、必ずしもそれが正しいから、というわけではなく、そのひとがそのような思想を持たなければ生きていけなかったのだと感じさせるときだと思う。そのような癖を感じるときがおもしろい。
コメント

コンビニスイーツ

2010年10月19日 00時28分38秒 | テレビ
「お願い!ランキングGOLD」というテレビ番組をこの間見ていたら、コンビニのローソンのスイーツの順位を発表していて、とてもおいしそうに思えたので、今日食べた。3位の「プレミアムエクレア」。
まあ、ふつうだった。
1位のティラミスは食べなくていいや。
テレビで大袈裟に美味しいと言っているものはこのくらいのものなのだなあと肝に銘じた。
かといって、べつにもう二度とだまされまいぞ、とかそんなことは思わない。
期待して、食べて、ああこんなもんか、と思う。
そういうもんです。
「お願い!ランキング」もそうだが、「シルシルミシル」とか、最近は企業の宣伝を番組内でやっていることが多い。
それが民放の正しいあり方なのかもしれない。
コメント

江藤淳とアメリカと私

2010年10月18日 19時34分09秒 | 文学
結局一度も開かずに持って行って持って帰ってくるだけかもしれないが、旅行用に本を買う。
永井荷風の『あめりか物語』と
司馬遼太郎の『アメリカ素描』と
江藤淳の『アメリカと私』
で迷って、『アメリカと私』を選ぶ。
そう、アメリカに行くのです。ハワイだけど。
その他、伊丹十三の『ヨーロッパ退屈日記』や村上春樹の『シドニー!』も候補になっていた。
旅をするときは旅の本を読むべき、なのかどうかわからないが、なんとなくそういう気分になってそういう本を選択してしまう。
しかしまあ、結局読まないんじゃないかと思うんだけどね。
飛行機でも読めるほど手軽でありながら、それでいて読む価値のある本を選ぶのはなかなか難しい。
江藤淳は飛行機には重すぎるかもしれない。
コメント

テレビドラマ「スペック」第二話

2010年10月16日 12時01分27秒 | テレビ
テレビドラマ「スペック」の第二話を見る。
とてもおもしろかった。
このドラマは毎週見ようと思う。ひさしぶりに来週が楽しみなドラマだ。
竜雷太が付き合っている女の子はAKBの子なのかと思っていたが違うようだ。
最近、若くて長い黒髪の女の子がテレビに出ているとみんなAKBのひとかと思ってしまう。
神木隆之介の登場シーンは毎回すごい。
コメント

関川夏央『家族の昭和』

2010年10月14日 00時39分01秒 | 文学
関川夏央『家族の昭和』(新潮社)読了。
向田邦子、吉野源三郎、幸田文に続き、「金曜日の妻たちへ」と「男女7人夏物語」について詳しく語られる。ものすごく詳しく。
どちらのドラマも見ていないので「そんなにくわしく言われても、しらんよ」と思いながら読む。
「金曜日の妻たちへ」は篠ひろ子や古谷一行やいしだあゆみが出演していたドラマなのだが、当時三十代後半くらいの設定で(本人たちもそのくらいの年齢で)あったということが驚きだった。こどものころやっていたオトナのドラマって、いつまでも自分より上の年齢を描いたドラマだと思ってしまうのだけれど、篠ひろ子が今の僕の年齢くらいで、「不倫」をしていたと思うと、ものすごく不思議だ。
この不思議さはなかなか表現しにくい。
自分がそこにいて、古谷一行の奥さんである篠ひろ子と「不倫」をしていてもおかしくないと考えると、とてもへんな感じだ。
「男女7人夏物語」の話もとても詳しかった。
青春時代がいちばん良くてあとは下り坂であるというのは「イデオロギー」である、というのがこの本でもっとも言いたいことだったのかもしれない。
なにが言いたいのかいまいちとらえにくい本だったが、さまざまな作品から昭和の家族を振り返るという試みはとてもたのしい。
コメント

直木賞受賞経験のある女流作家

2010年10月12日 22時19分25秒 | 文学
NHKハイビジョンで「愛と胃袋」という番組をやっていて、前回に引き続き第二回目を見た。全四回で、直木賞受賞歴のある女流作家がヨーロッパを旅行し、料理を食べて、その経験をもとに小説を書き、ドラマ化したものを放送するという、なかなか手の込んだ番組だ。
前回は井上荒野で、今回は森絵都だった。
どちらの作家の本も読んだことはない。ドラマを見ても、本まで読んでみようという気にはならなかった。
料理はおいしそうだし、旅行したくなる番組ではある。

関川夏央の『家族の昭和』という本が、文庫になるようで、ハードカヴァーで出たときも気になったのだが、今回さらに気になった。というのも、吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』が取り上げられているからで、最近気になっている本が取り上げられていると気になってしまう。
『君たちはどう生きるか』は池上彰がテレビで紹介したということで、平積みになっているのを見たのがきっかけとなり気になっている。立ち読みして本には興味を持ったのだが、「池上彰が紹介」というところで歯止めがかかり購入にはいたっていない。
このままでは、『家族の昭和』が文庫になると買って読んでしまいそうなので(買ってもいいのだけれど)、先手を打って図書館で借りて読んでいる。
向田邦子と幸田文に興味を持った。
幸田文にはもう何度も興味を持たされているのだけれど、いまだに読めずにいる。ちゃんと文章を書こうとして一度断筆したというところに興味を持った。
向田邦子も一度読もうとしたことがあるのだけれど、小説を本人が書いたわけではなく、別のひとが脚本から小説にしているのを知って読むのをやめたことがある。確か『阿修羅のごとく』。
『あ・うん』は本人が書いているようなので読んでもいいかもしれない。
肝心の吉野源三郎についてはあまり書かれていない。関川夏央はあまり好感を持っていないような書きぶりだった。
コメント

『モーム短篇選(上)』

2010年10月11日 15時01分30秒 | 文学
サマセット・モームの『モーム短篇選(上)』(岩波文庫)を読んだ。
読みやすくて楽しい短編集だった。
最後の短編「十二人目の妻」で、ディケンズの『荒涼館』を朗読している場面があり、最近この作品が気になっているので、奇妙な偶然を感じた。村上春樹的に言えば、何かの「しるし」みたいなものを感じた。
モームの小説には読書をしている場面がわりとよく登場し、そこも好きなところだ。
語り手がモームを思わせる(ときにはモームという名前だったりする)作家で、彼が見聞きしたことを語るという形式の短編も多い。作家が身のまわりに起こった出来事を、自分自身はそんなに巻き込まれたわけではない出来事を、たんたんと語るという形式は結構好きだ。
コメント