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テレビドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』

2021年05月30日 01時51分44秒 | テレビ
NHKのドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』をすべて見た。
松坂桃李主演のドラマで、松坂桃李は『湯を沸かすほどの熱い愛』を観て以来注目はしているのだけれど今回このドラマを見始めたのは脚本が渡辺あやだったからで、『ジョゼと虎と魚たち』以来気にしている。
『今ここにある危機とぼくの好感度について』は中途半端なコメディみたいなものかなと思っていたのだけれど、最後はとってもきちんとした真面目なドラマとして終わったように思う。
いまの私たちは腐っている。
それを肝に銘じておきたい。
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連城三紀彦『人間動物園』

2021年05月30日 01時42分15秒 | 文学
連城三紀彦『人間動物園』(双葉文庫)を読んだ。
とってもおもしろかった。
が、ミステリーというのはタネ明かしをしなければならない手品のようなもので、手品はタネ明かしをされると「なぁんだ」と言われて終わってしまう。
ものすごくおもしろいのだけれど、最終的には「なぁんだ、そんなことか。無理矢理じゃん」と思ってしまう。
それがミステリーを読んで残念なことだ。
連城三紀彦はやっぱりひっくり返す。

『造花の蜜』のほうがおもしろかったような気がする。
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吉川英治『新・平家物語(十八)』

2021年05月28日 21時26分09秒 | 文学
吉川英治『新・平家物語(十八)』(新潮文庫)を読んだ。
もうあまりきちんと読めている、という感じではないが、義経が逃げていて可哀想な話になっている。
どうしてこんなふうに兄と敵対関係になってしまったのかよくわからない。ほんとうは何か義経の側にも原因があるのではないかという気もする。
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堀江敏幸『なずな』

2021年05月24日 19時37分03秒 | 文学
堀江敏幸『なずな』(集英社文庫)を読んだ。
堀江敏幸に子どもがいるのかどうかわからなかったのだが、文庫のカバーのそでの部分に「イラストレーション/堀江 栞」とあり、この文庫のいかにも子どもの落書きのような表紙が堀江栞という人物によって描かれたことがわかる。たぶん娘なのだろう。
やはり子育てをしたことがないとこの小説は書けないと思う。
しかしこれまで読んだ小説に一度としてこのひとが子どもがいるというような雰囲気が、というよりも結婚しているというような雰囲気が感じられなかった。
独身男性が弟の生後三か月くらいの赤ん坊を預かって世話をする話なのだが、自分の子どもが赤ちゃんだった頃のことを思い出した。赤ん坊を連れていると見知らぬ人に話しかけられたり、その表情とか、しぐさとか、なんだか思い出せてとてもいい本だと思った。このひとの小説として珍しく、小説としてきちんと終わっているようにも思った。
また恋愛のようなものも少し描かれていた。
赤ちゃんの周りの人々もきちんと描かれていておもしろかった。
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ビスコ、コロナ、なずな

2021年05月23日 20時31分55秒 | 文学
堀江敏幸の『なずな』という小説を読んでいる。
三か月くらいの赤ん坊を弟から預かっている独身男性の話で、読んでいるとこのくらいの赤ちゃんはこんな感じだったかなと思い出し、懐かしい気持ちになる。堀江敏幸は独身なのだと思っていたが、子どもを育てたことがあるのだろうか。
小説のなかでお菓子の「ビスコ」を買ってコーヒーを飲みながら食べるシーンがあり、これまであまり「ビスコ」について考えたことがなかったことを反省し、スーパーで三種類くらいの「ビスコ」を買って来て食べてみた。どれもおいしかったが今日買ったなかでは「みるく&きな粉」が一番好きかな。娘は「大豆の味がする」と言っていてあまり好みではないそうだ。そんなに大豆の味がするかなあ。娘が好きなのは「焼きショコラ」。私にはお菓子のくせにチョコが苦いと感じた。今度妻おすすめの「発酵バター仕立て」も買ってみよう。

車で三十分ほどのところに住んでいる大学生の甥が新型コロナウィルスにかかって自宅療養している。買い物にも行ってはいけないらしく、うちよりもさらに遠くに住んでいる姉が食べ物を持って行ったりしているそうなのだが、昨日は私が買い物をして持って行った。玄関先に置いて、離れたところから携帯電話で連絡し、荷物を受け取ってもらう。遠目には元気そうに見えた。もう少しで外に出て良いことになるそう。
娘の学校もコロナ感染者がいるとたまに休校になる。
なかなか身近なところで感染者が出るようになってきた。
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堀江敏幸『めぐらし屋』

2021年05月20日 22時04分13秒 | 文学
堀江敏幸『めぐらし屋』(新潮文庫)を読んだ。
主人公が蕗子さんという浮世離れした女性で、ずっと昔に読んだ川上弘美の『センセイの鞄』の主人公もこんな感じだったかなと思った。あちらはツキコさん。
他の小説と同じでやっぱり取り立てて何も起きないのだが、それでもまあ読める。へんなことが起きて、変な感情を読まされるくらいならば何も起きないほうが良いのではないかとも感じる。あまり認めたくない気もするのだが、堀江敏幸の小説がまあまあ好きなのだと思う。
今回はそんなところで終わるかなというところで終わった。死んだ父親のやっていた「めぐらし屋」という意味不明な仕事を引き継ぐか、というようなところで終わる。しかしそういうところには(たぶん誰も)あまり興味を持っていないので、そこで突然終わっても、もっと続きが読みたかった、というふうにはならない。確かにもう話を続けるのもしんどくなってきたからそろそろ終わる頃合いかも、と思う。
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三浦哲哉『食べたくなる本』

2021年05月16日 18時21分51秒 | 文学
ずっと気になっていた三浦哲哉の『食べたくなる本』(みすず書房)を図書館で借りて読んだ。
料理のレシピが書かれた本が僕もわりと好きで図書館で借りたり買ったりもするのだが、この本は料理研究家について書かれた本なので気になっていた。
こんなにも料理研究家のことをずっと調べている人がいることに驚いた。
有元葉子についての部分は僕も一時期よく読んだり、少し料理を作ったりしていたので興味深く読んだ。
『ウー・ウェンの北京小麦粉料理』が名著らしいので読んでみたい。
冷水希三子というひとを知らなかったが、気になるのでチェックしておきたい。
最後のほうの東日本大震災後についての話はあまり興味を惹かれなかった。
前半軽くてだんだん話が重くなるので、読後の印象はあまり良くない。学者なので最後にどうしてもきちんと真面目なことを言って終わらせたいという気持ちが出てしまうのだろう。
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堀江敏幸『燃焼のための習作』

2021年05月14日 15時36分17秒 | 文学
堀江敏幸『燃焼のための習作』(講談社文庫)を読んだ。
『河岸忘日抄』の主人公とファックスでやりとりする枕木という人物が今回は主人公だった。
枕木の探偵事務所で、彼と事務所で働く郷子さんと客の熊埜御堂(くまのみどう)氏の三人がコーヒーを飲んだりお茶をのんだりおむすびを食べたりしながら行ったり来たりの会話をする小説だった。
たいへんおもしろい、とか、すごく興味深い、というわけではないが、そこそこおもしろい。
堀江敏幸の小説はだいたいこの、「そこそこおもしろい」というくらいの感想だ。
大きな事件が起きたり人が死んだりするわけでもないので、あまり緊張することなく読める。それが少し物足りないと言えばそうも言える。
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堀江敏幸『河岸忘日抄』

2021年05月11日 19時42分11秒 | 文学
堀江敏幸『河岸忘日抄』(新潮文庫)を読んだ。
読んでいられるので読むが、もうちょっとガツンと来るものがないかなと思わないわけではない。
一時期の大江健三郎の小説を吉本隆明は本を読むだけの小説と言って批判していたように記憶するが、堀江敏幸のことを吉本隆明はどう言うだろうかと思う。主人公はただただ本を読む。
私もこの小説に登場する、ブッツァーティ「コロンブレ」(光文社古典新訳文庫『神を見た犬』所収)とチェーホフ「すぐり」(岩波文庫『ともしび・谷間 他七篇』所収)を買って読んだ。ブッツァーティの「コロンブレ」は小説のなかでは「K」というタイトルで出てくる。チェーホフの「かき」も青空文庫で読んだ。
ブッツァーティはこの小説を読まなければ興味を持たなかっただろうから、読んで良かった。
ただ本を読むだけの小説というのもいいものだなと思う。
アレックス・ヘイリーの『ルーツ』、クロフツの『樽』、ベティ・マクドナルドの『卵と私』は興味が持てなかった。

小説に登場する「ヌテラ」というものを知らなかったのだが、これも近所のスーパーで買って来てパンに塗って食べてみた。おいしかった。
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開高健『輝ける闇』断念

2021年05月08日 10時42分16秒 | 文学
開高健の『輝ける闇』(河出書房新社『日本文学全集21』所収)を図書館で借りて読んでいたが、私にとってどうでも良いことしか書かれていない気がしてきたので百ページほど読んだがやめる。
ベトナムに行って起きた出来事をただただ書いているという印象だった。
マーク・トウェインを読んでいるというところだけが興味を惹かれた。
代わりに、と言って意図したわけではないが、同じく日本人が海外で暮らす堀江敏幸の『河岸忘日抄』を読む。
開高健は、またいつか機会があった読むかもしれない。読まないかな。
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