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「没後50年 21世紀のための三島由紀夫入門」

2020年11月30日 01時04分24秒 | 文学
雑誌「芸術新潮」の「没後50年 21世紀のための三島由紀夫入門」を読む。
写真だけでなく内容もしっかりしていて良かった。
美輪明宏のインタビューで、三島由紀夫がノーベル文学賞がとれなくてがっかりしていたときに美輪が励ましたら「君は強いね。どうしてそんなに強いんだ?」と言った、という話はつい最近NHKの番組で同じことを美輪が語っているのを聞いた。しかし最後の美輪の答え「半分女だからですよ」はNHKでは聞かなかった。なかなかいろいろとテレビで放送するのが難しい時代になった。
この一言だけでも買った甲斐があった。
平野啓一郎の三島文学解説はきちんと読んだ。おもしろかった。
平野啓一郎は『禁色』が苦手で(「得意ではありません」)、『豊饒の海』もあまり評価していないところがあり、雑誌のこのような紹介文でも正直に書いてあって良い。三島由紀夫の『豊饒の海』が好きだなんて言われたら今後平野啓一郎の言うことが一切信用できなくなってしまう。
しかしながらかえって『禁色』を再読してみたくなった。
やはり『鏡子の家』は読むべきだろうなと思った。
軽いものと重いものを少し読んでみてもいいかなと思った。
堂本正樹の『回想 回転扉の三島由紀夫』に興味を持った。

特集記事以外では、彫刻家の大森暁生というひとが幻の大日如来像を蘇らせるということをやっているという記事があり、並々ならぬ興味を持った。
つい最近、仏像というのはだいたい古いものばかりだけれど、最近作られる新しいものもあるのだろうかとふと思ったばかりだったこともある。
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吉川英治『新・平家物語(七)』

2020年11月29日 21時47分42秒 | 文学
吉川英治『新・平家物語(七)』(新潮文庫)を読んだ。
源義経と弁慶が出会う話は有名で、何度か映像で見たりしたことある。
義経が女装していて、橋で出会うのだが、どうしてそのような状況になっているのかは知らなかった。
義経が平時忠に逃がしてもらって、それに気付いた弁慶が五条大橋まで追いかけてきてそこで出会うということだった。
弁慶は橋を渡る人を力自慢のためにいつも待っていて、相手を倒しその武器を奪い取り、その武器が九百九十九集まり、念願の千個目を奪おうとするときに橋を渡りに来たのが義経だった、というような話を聞いたような気がするが、何の話なのだろう。『キン肉マン』のバッファローマンの千の傷の話に関連して作者のゆでたまごが創作したのだろうか。そんな気もする。
弁慶がなぜ義経の家来になるのかは、五条大橋の対決で負けたからだと思っていたが、そうではなく、橋から逃げた義経を追いかけてきた弁慶を、彼の母親が叱ったから、ということだった。まるで『ドラえもん』のジャイアンのような話だった。

義経にまつわる話は、全体的に嘘くさい話が多い。
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DISH//「猫」

2020年11月26日 23時30分52秒 | 音楽
昨夜テレビで「ベストアーティスト2020」という音楽番組を、録画していた気になる歌手の部分だけを見たのだが、もっとも良かったのはSEKAI NO OWARIでもMr.ChildrenでもなくDISH//だった。
SEKAI NO OWARIの新曲「silent」は少し前に別の番組でも聴いたが、やはりあまりぴんと来るものがない。番組では夏に冬を思って作った曲であると紹介されていた。そんなようなせいかもしれない。そんなような曲に感じる。
ある時期から村上龍の小説はあまり実感がこもってないような感じで、他人の切なさを探して拾って書いているような、悪く言ってしまえばそんな雰囲気があったけれど、SEKAI NO OWARIにはたまにそんなような節が見える。十代で感じた切なさをずっと維持していくのは難しい。
DISH//の「猫」を初めて聴いたがとても良いと思った。
イントロが松任谷由実の「ダンデライオン」のようで、歌詞の始まりも同じく「夕焼け」なので何か意識しているのかもしれないが、やはりどうしても思い出すのは尾崎豊で、僕はずっと尾崎豊的であることが良いことで、そこから離れると良くないと思っているのではないかと思われる。趣味嗜好はしょうがない。
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吉川英治『新・平家物語(六)』

2020年11月23日 22時49分05秒 | 文学
吉川英治『新・平家物語(六)』(新潮文庫)を読んだ。
鹿ヶ谷の陰謀の話が中心。
少しこの巻は退屈だったかもしれない。
終わり頃に有綱の祖父の頼政が、源氏なのに平家の手下になっているということでずっと馬鹿にされていたが実は平家に対抗しようと密かに思っていることが分ってくる。
このあたりおもしろくなってくる。
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ロジャー・ミッシェル監督『ノッティングヒルの恋人』

2020年11月22日 21時31分09秒 | 映画
ロジャー・ミッシェル監督の『ノッティングヒルの恋人』を観た。
この映画を私は観たことがあるのかどうかいつも分らなくなるのだが、過去の日記を参照すると観たことがあるようだ。
ロマンティック・コメディで、ジュリア・ロバーツ演じるアメリカの女優がヒュー・グラントのイギリス人の本屋に猛烈に迫る。いきなりキスするし、夜中に彼の寝ているところにやってくる。
とてもジュリア・ロバーツが可愛らしいのでヒュー・グラントのことを羨ましいと思わせる映画なのだが、ヒュー・グラントの家にマスコミが殺到したときに怒ったジュリア・ロバーツが「どうせあんたの友だちがバラしたんだろう」とか「本屋が儲かってよかったな」みたいなことを言う。そのようなことを言うような人と絶対に仲良くはなれないだろうなと思った。
思ってもいないことは言えない。やはりどこかにそのようなことをこの女優は考えているんだなと思うとやっていけないように思う。
ヒュー・グラントはジュリア・ロバーツのあのヒステリーが怖くて一度は断るのだが、最後は勢いで結婚することになる。良かったのだろうか。疑問が残る。
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三島由紀夫の番組

2020年11月22日 00時21分55秒 | テレビ
テレビで「名探偵ポワロ  エジプト墳墓のなぞ」を見る。
これまで見たものと違い短篇の映像化だった。ポワロが依頼を受けて仕事をしていた。お金はもらっているのだろうか。
短いものでもやはり誰が誰だかよくわからなくなる。しかし映像なので黙って見ていれば誰が犯人かだけはよく分かる。

それから「NHKスペシャル 三島由紀夫 50年目の“青年論”」を見る。
期待して見たが驚くような話は何もなく、焼き直しのような番組だった。
長生きしている人がいて、長生きしている人の語ることが真実になる。

私は忘れていないが、今年は三島由紀夫の没後五十年で、平野啓一郎が三島由紀夫論を出すということで待っているのだけれどまだ出ない。
三島由紀夫が死んだのが11月25日なので出すのならそろそろかと思っていたがまだ出そうにない。やめたのだろうか。
期待している。
三島由紀夫では『鏡子の家』が気になっていて、気になりながら長いし、失敗作だということも聞いているのでなかなか読む覚悟ができないのだが、平野啓一郎が薦めてくれて読む気にならないかと勝手に過剰な期待を寄せている。
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吉川英治『新・平家物語(五)』

2020年11月19日 23時47分56秒 | 文学
吉川英治『新・平家物語(五)』(新潮文庫)を読んだ。
北条政子の行動が謎だった。縁談を断らずにおいて、婚礼のときに相手の家に火をつけさせて逃げる。
ちょっとここの行動がよく分からなかった。そんな覚悟があるのなら最初から断れよ、と思ったがそういうものでもないのだろうか。
またこの巻では弁慶が登場した。
弁慶の行動もよくわからない。
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お弁当を使う

2020年11月17日 22時31分57秒 | 文学
吉川英治の『新・平家物語』は新潮文庫で二十冊あるのでなかなか長い。
いまのところ飽きずに読めているが、たまにちょっと疲れると白洲正子の『十一面観音巡礼』を読んでいる。
『十一面観音巡礼』は新潮社からカラー写真が多く載っている(という。実物を見たこことがない)愛蔵版が出ているのだけれど、お値段が張るのでさんざん迷って、講談社文芸文庫版で読んでいる。
白洲正子のものをそんなに読んだことはないが、読みやすい紀行文だった。
もっと小難しいことが書かれているのではないかと恐れ、そしてそうであれば愛蔵版で押し頂くように拝読したほうがいいのではないのではないかと思っていたが、そんなことはなく、実際もそうであるし読んだ感じも、雑誌連載の紀行文だった。いまで言えば、酒井順子とか平松洋子とかそういうひとたちが雑誌「クロワッサン」などで連載しているような感じなのだと思う。
今後も白洲正子は気分転換に読んでいきたい。

読んでいたところで「お弁当を使わせて頂く」という表現があった。
お弁当は食べるのではなく、使うものだったんだな、と驚いた。いまは誰もこんなふうに言わない。もうわりと長く生きているほうだが、これまでの人生で一度も聞いたことがなかった。
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吉川英治『新・平家物語(四)』

2020年11月17日 12時50分27秒 | 文学
吉川英治『新・平家物語(四)』(新潮文庫)を読んだ。
この巻は表紙の通りずっと義経だった。
二巻で描かれた頼朝ほどは魅力的ではなかったように思う。
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「雲をつかむ死」「愛国殺人」

2020年11月16日 23時43分47秒 | テレビ
テレビドラマ「名探偵ポワロ」シリーズの「雲をつかむ死」と「愛国殺人」を見た。
「ABC殺人事件」がおもしろかったので他のものも録画して見たのだが、どちらも途中からよく分からなくなってしまった。というのも、たぶん、どちらの話も別の人物に変装する話なので、ちょっと誰がだれなのか明確に分らないように映っているせい、なのだろうと思う。
最初おもしろく、途中からだんだんと何を言っているのか分らなくなり、最後の謎解きでやっと理解できる、というような成りゆきでどちらも見た。
最後まで見てみればどちらもおもしろかったように思う。

僕が今わからないのは、ポワロというのはどうやって生計を立てているのか、というところだ。
誰か依頼人がいて、お金をもらっているようなふうには三つとも見えなかった。
ジャップ警部から委託されて働いているのだろうか。
それともそもそも金持ちで趣味で探偵をしているのだろうか。これが一番ありそうに思える。
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