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ウディ・アレン監督『ブルージャスミン』

2018年02月27日 11時21分56秒 | 映画
ウディ・アレン監督『ブルージャスミン』を見た。
前に見た『世界にひとつのプレイブック』(デビッド・O・ラッセル監督)と内容が少し被る。主人公が精神を病んでいて、ある音楽に固執していて、過去から逃れられない。
過去と現在が、過去っぽくもなく、現在っぽくもなく、入り乱れて描かれる。
ウディ・アレンの映画はだいたいどれも似たような印象で、あまり記憶に残ることはないのだが、この映画もすぐに忘れてしまいそうだ。
ケイト・ブランシェットが小さな子どもを前に、頭がおかしい感じでしゃべるところが凄いと思ったが、アメリカで劇場で見ていたらもっと笑えただろうと思った。どんな場面を見ても、外国であればそういうことも普通なのかもしれないと思って、そのまま素通りして見過ごしてしまうことがあるような気がする。
アメリカ人の感覚がないと、アメリカ映画はほんとうは見られないのかもしれないと、元も子もないことを考えた。
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山本周五郎『さぶ』

2018年02月25日 00時09分57秒 | 文学
山本周五郎『さぶ』(講談社文庫)を読んだ。
盗みをはたらいたと疑われた栄二はやけっぱちになって、酒を飲んだり、女を買ったり、喧嘩をしたり、牢屋に入れられたり、滅茶苦茶になってしまう。ここは、どうしてそうなってしまうのかよく分からない。「よく分からない」というのは、ここで山本周五郎がどういうことをやりたいのか見えない。
『モンテ・クリスト伯』のようなものを描きたいのかなと思いつつ読む。

栄二が寄場に入ってから、いろいろな人の話を聞いたり、いろいろなことが思いつきのように次から次へと起きるが、これは必要なことなのだろうか、と疑問に思いながら読む。

最後は、いろいろあって、きちんとオチがつく。
誰が犯人だったか分かる。誰が犯人だったか分かるということは重要なことではあるが、分かってしまうと「これのためにここまで読まされたのか」という気分になる。騙されたような感じ。

栄二が苦労して、成長して、最後は報われる感じが良いと思う。
ひとりの人間が世に出て成功するためには、それを支える何人もの無名の人間がいる、という思想が二度ほど出てきて、山本周五郎の信念なのかもしれないと思った。
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デビッド・O・ラッセル監督『世界にひとつのプレイブック』

2018年02月24日 22時07分14秒 | 映画
デビッド・O・ラッセル監督『世界にひとつのプレイブック』を見た。
躁鬱病の主人公が、同じく精神を病んだ女性とダンス大会に向けて練習をしていくことで、過去を清算出来ていくという話だった。
主人公ブラッドリー・クーパーの父親役をロバート・デ・ニーロが演じていて、スポーツ中継を見るときにリモコンをたくさん並べるとかハンカチを握るとかのジンクスを信じているだいぶおかしな役だった。
最後は、父親が全財産を賭けてスポーツ賭博を行い、それといっしょに息子のダンス大会でも点数が5点以上出ることを賭ける。というよく分からない展開になって、あんまり見たことのない話だった。
が、一応ラブロマンスだった。

病んでいる時は、健康なひとを見るよりも同じように病んでいる人を見たほうがいい、というのはそうなのかもしれない。
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ユン・チアン『ワイルド・スワン 下』

2018年02月18日 01時59分23秒 | 文学
ユン・チアン『ワイルド・スワン 下』(講談社+α文庫)を読んだ。
文化大革命の時代には、こんなそうとうにひどい末期の学生運動のようなことを、国を挙げてやっていたことに本当に驚く。
恨みのある人間の弱みを見つけて、またはでっち上げて、拷問を受けさせるというようなことばかりをみんなでやっていて、農作物を作るとか工業製品を作るとか、そういう本当にやらなければならないようなことはどうやっていたのだろう。
著者の父親は拷問をされすぎて一時精神を病んでしまう。
そこまでされたことも驚きだが、それが電気ショックとインシュリン注射で治ったことにも驚いた。

この本を読んでいると毛沢東のことが、ほんとうに嫌いになる。
こんなわけの分からない思想にみんなが従わなければいけなかったということが、いまから見ると理解できない。それが私が生まれた少しあとまで続いていたと思うと不思議だ。
紅衛兵のことも江青のことも嫌になる。
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楾大樹『檻の中のライオン』

2018年02月17日 12時53分50秒 | 文学
楾大樹『檻の中のライオン』(かもがわ出版)を図書館で借りて読んだ。
国家権力と憲法の関係を、ライオンと檻の喩えで説明する本だった。
国家権力と憲法の関係はこういうものです、と説明してくれるが、最近はなんか違うのではないかと思うことが多かった。
安倍首相と自民党について考えさせる本だった。
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山本周五郎コレクション

2018年02月13日 23時14分34秒 | 文学
なぜか最近山本周五郎の本がよく文庫になるなと思ったら、没後五十年経って著作権が切れたのが原因のようだ。
新潮文庫はずっと山本周五郎の文庫を出し続けて知名度を上げ続けてきたのに、講談社文庫(と角川文庫)に出されて可哀想だなと思ったが、数年前に吉川英治で逆のことがあったと思うので、これでアイコか。同じように著作権が切れた谷崎潤一郎もどんどん文庫になれば良いと思うのだが、あまりなっていないようだ。変態が好まれない時代なのかもしれない。

で、ちょっと山本周五郎について調べていたら読みたくなったので講談社文庫の『さぶ』を買った。
講談社文庫の山本周五郎コレクションは表紙がきれいなので、このコレクションでひとまず読んでみる。どんな作品を出していくのかまだわからないが、楽しみだ。
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クリント・イーストウッド監督『許されざる者 』

2018年02月13日 23時08分50秒 | 映画
クリント・イーストウッド監督『許されざる者 』を見た。
これまで何度か、また見てみたいと思いながら見れていなかった。
昔はワルだったイーストウッドが、いまは亡くなった奥さんの墓のそばで子ども二人と暮らしている。豚の扱いも上手く出来ない。
賞金稼ぎを誘われて、若者と昔の仲間(モーガン・フリーマン)と旅に出るのだが、イーストウッドは馬にも上手く乗れない。
格好悪いイーストウッドが最後は格好良く悪者を退治するというような話ではなくて、人殺しというのは伝説で語られるように格好いいものでは全くなく、とても苦しいものでその人の過去も未来も奪ってしまう。自分もかつては人殺しだったが、もうそのころのことは語りたくない、というような話だった。
今回見てそんなに感動しなかったが、二十代で見たころはイーストウッドのそういう思想に惹かれたのだと思う。

モーガン・フリーマンがかわいそうだった。
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ドナルド・キーン『明治天皇(一)』

2018年02月11日 23時03分20秒 | 文学
ドナルド・キーン『明治天皇(一)』(新潮文庫)を読んだ。
四冊あるのでのんびり読んでいる。
NHKの大河ドラマ『西郷どん』の副読本のような気持ちで読んでいる。いつか、ドラマに明治天皇は登場するのだろうか。
明治天皇が父親の孝明天皇と違って外国人をそんなに恐れないことや、酒が好きなこと、正妻との間には子どもがないこと、いろいろな側室との間に子どもが何人もいること、などが分かった。
西郷隆盛はまだあまり出て来ない。

日本人が書いた日本語の本であれば、著者のプライド(や読者のプライド)などがあって、辞書に書いてあったり調べたりすれば分かるようなことは書かないということがある。
ちょっと品格が落ちるというか、そういう感覚があるのだと思う。そもそも調べなくたって、こういう本を読むような人であれば常識として知っているべきだというような感覚があると思う。
この本はドナルド・キーンが書いたものを日本語に翻訳しているせいか、和歌を現代語に訳したりしている。
難しい言葉なども、括弧書きで説明していることも多い。
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ユン・チアン『ワイルド・スワン 上』

2018年02月03日 23時18分20秒 | 文学
ユン・チアン『ワイルド・スワン 上』(講談社+α文庫)を読んだ。
毛沢東はやってることがめちゃくちゃ。
鉄を集めろとか、食堂でみんな食べて家で料理をしなくていいとか、芝生や花を引っこ抜けとか、思いつきでいろんなことをさせる。そしてそんな思いつきを中国でみんながやらされてしまうことになるのが凄い。
それがほんのちょっと昔、僕が生まれる十年くらい前に行われていたことにびっくりしてしまう。
しかも資本主義の国は貧乏で可哀想と当時の著者が思っていたのにも驚く。

著者の父親が、妻(著者の母親)が妊娠していようがどうしようが規則ばっかり言ってぜんぜん優しくないことに最初のころは読んでいて腹が立っていたのだが、いまは毛沢東にとにかく腹が立つ。
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J.J.エイブラムス監督『スター・ウォーズ/フォースの覚醒 』

2018年02月02日 10時29分08秒 | 映画
J.J.エイブラムス監督『スター・ウォーズ/フォースの覚醒 』を見た。
ハン・ソロとレイア姫が出てきて懐かしい。
ハン・ソロとレイア姫の息子がダース・ベイダーみたいになっていて、歴史は繰り返される。
ハン・ソロは息子に殺されるために登場したのだな。
おもしろかったが、続編を強く見たいという気持ちにはならなかった。三部作が完成されて、それがテレビでまとめて放送されるころ(五年後くらい?)に見てみたい。
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