![能の物語 (講談社文芸文庫)](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41tcVy2tWNL.jpg)
白洲正子『能の物語』(講談社文芸文庫)を読んだ。
「はじめに」で、現代語訳ではないと断っているが、わかりやすく言えばやはり現代語訳。
能の雰囲気が良く出ている。(といって私は能を観たことがあるわけではない。)
「井筒」
『伊勢物語』の「筒井筒」の紀有常の娘の幽霊かと思っていたら在原業平となり、どちらだか判明としなくなる。
それを見る僧の話。
この間途中まで『風の谷のナウシカ』の歌舞伎を観ていたのだが、子どもの王蟲(オーム)とナウシカの心が通じ合う場面を、子どもの王蟲の精霊を表す人間の子どもが登場し、ナウシカと舞を踊っていた。このように表現するのだなと思った。
感動の山場を和歌で表現する古典文学よりも、舞で表現する能や歌舞伎のほうがまだ近づきやすいと思った。
「鵺」
「頼政」
「実盛」
髪を黒く染めて最期の戦いに臨む実盛の話は『新・平家物語』で読んで印象に残っている。
読んだときにヴィスコンティの『ベニスに死す』を思い出した。
実盛の幽霊が昔の話を物語る。
「二人静」
静御前が二人になるところが実際にはどのように演じられるのか観てみたいと思った。
「葵上」
「藤戸」
自分が殺した人間の幽霊に出会うというのは怖いと思った。
「熊野」
「俊寛」
俊寛だけが島に残されるところは『新・平家物語』でも覚えている。
「巴」
巴御前は木曾義仲の妻。
「敦盛」
「清経」
「忠度」
「大原御幸」
まだ『新・平家物語』では読んでいないが、平清盛の娘の建礼門院が息子の安徳天皇らと海に落ちて死のうとするが彼女だけ生き残り、そこに後白河法皇が訪ねてくる話。
「舟弁慶」
「安宅」
「勧進帳」の話。
「竹生島」
「阿漕」
「桜川」
狂った母親が息子に再会するというこの話が私の心の琴線に触れるのはなぜだろう。
私の母親は(まだ)狂っていない。
「隅田川」
これもまた狂った母親の話。
「道成寺」
鐘のなかから大蛇が出るところは舞台で見れば驚くだろうなと思う。