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中村元訳、丸山勇写真、佐々木一憲解説『ブッダの言葉』

2022年01月30日 23時44分16秒 | 文学
中村元訳、丸山勇写真、佐々木一憲解説『ブッダの言葉』(新潮社)を図書館で借りて読んだ。
今度光文社古典新訳文庫で『ブッダの言葉』の新訳が出るようなので興味を持ち、ほぼ写真であまり文章が載っていないこの本を読んで購入するかどうか決める参考にした。すぐに読めるが、気になる言葉がいくつかあった。
思えば私の祖父などはわりと熱心な仏教徒だったが、どうしてそのように熱心にお経を読むようになったのか自分自身が彼がお経を読んでいたであろう年齢になってもよくわからない。時代とか戦争経験とかそういうものが影響しているのだろうか。しかし何か生き方の指針のようなものが欲しくなる気持ちはよく分かる。どう生きていくべきか実はよくわからない。
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シェイクスピア「夏の夜の夢」

2022年01月30日 01時13分50秒 | 文学
シェイクスピア「夏の夜の夢」(ちくま文庫『シェイクスピア全集4 夏の夜の夢・間違いの喜劇』所収)を読んだ。
有名で、一度くらいは読んだことがあると思うのだが、こういう話だったのだなと思った。
惚れ薬によって二組のカップルが出来上がるというところが印象に残り、その他の部分が印象から消えてしまう。第五幕の劇中劇のところはつまらなくて読む気がなくなった。もう話終わっているのに何を読まされるんだろうという気になる。
『快読シェイクスピア』で、河合隼雄と松岡和子もあそこは演出が難しいだろうと言っている。
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アーザル・ナフィーシー『テヘランでロリータを読む』

2022年01月29日 21時40分17秒 | 文学
アーザル・ナフィーシー『テヘランでロリータを読む』(河出文庫)を読んだ。
分厚い本なので途中で「読み終えられないな」と思ったのだが、ギャツビー裁判のところで興味を持ち最後まで読んだ。
イラン人の名前に馴染みのないせいで、語り手の家に集まる生徒たちの名前が憶えられず、誰が誰だかわからない。もうそこを理解することはほぼ諦めて、誰が誰でもまあいいかと思って読み進んだ。
ヘンリー・ジェイムズについてはあまり興味が持てなかった。『デイジー・ミラー』を読み返す気にはならなかった。
ジェイン・オースティンの『高慢と偏見』はつい最近読んだばかりなので、語られる内容がよくわかった。ダンスをするように男女の仲が描かれるという感じはよくわかった。オースティンの小説をまた読みたくなった。
「私の魔術師」という人物がイランでの生活のときの場面で何度か現れるのだが、この人物がずっと謎だった。途中で空想の人物なのかなと思ったが、はっきりと書かれてはいないがたぶんそういうことなのだろう。
イランでの生活が語り手たち女性にとって非常に辛いものだったということが、私のように登場人物の名前が区別できずに適当に読んでいる人間にもよくわかった。どうしてこんなに生きづらい世の中にしてしまうのか非常に謎だが、こういう状況になっていることはよくある。日本でもある。
生きづらい世の中の中で文学で別世界を読むことで救われるというところから、谷崎潤一郎の『細雪』を読みたくなった。
『細雪』はもう何度も読み返したいと思っているのでそろそろほんとうに読みたい。
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シェイクスピア「間違いの喜劇」

2022年01月25日 21時21分19秒 | 文学
シェイクスピア「間違いの喜劇」(ちくま文庫『シェイクスピア全集4 夏の夜の夢・間違いの喜劇』所収)を読んだ。
主人も双子で召使いも双子の生き別れになっていた二組の話で、ある人だと思ったら双子のもうひとりの方だったという間違いを繰り返し描いたものだった。芝居で見たらおもしろいのかもしれないが、本ではそんなにおもしろくはなかった。
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『ミステリと言う勿れ』と『恋せぬふたり』

2022年01月25日 00時48分20秒 | テレビ
毎週月曜日はテレビドラマを二つ録画していて、『ミステリと言う勿れ』と『恋せぬふたり』というドラマを見ている。
『ミステリと言う勿れ』(菅田将暉主演)は毎回意外な展開で楽しめる。今回三話目で、そういうふうに話が進むのだなとまた意外に思いながら見た。一話目と二話目で期待したせいか、三話目はこれまでほどはおもしろくなかったかなという印象。
永山瑛太で最終回の前フリをやったので、あとはルーティンが毎週続くのかなと思うが、そうならないで定型を崩していってほしいなと期待する。

『恋せぬふたり』も三話目だったのだが、こちらは前回よりもおもしろく見られた。
前回、岸井ゆきのと高橋一生の二人で世間に背いても生きていくのだという雰囲気があり、ちょっとずっとこういう話だとこのまま見ていられないなと不安になったが、今回はわりと緩和された。
岸井ゆきのと高橋一生のふたりではどんどん思想が強固になって外側と遮断されてしまうし、高橋一生には強い主張があるのでそれに引っ張られてしまうのだが、岸井ゆきのの”元カレ”濱正悟が入ることでだいぶ見やすくなっていくように思う。三話を見ると、高橋一生の強い主張はこのテレビドラマが心から言いたい主張なのではなくて、ちょっと引いたところから高橋一生を見ていることもわかる。
映画『ハウルの動く城』で、ソフィーとハウルがサリマンから逃げるときに荒地の魔女も連れてきた感じで良い。ドラマにはごった煮みたいなところが必要。
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フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』

2022年01月24日 01時04分30秒 | 文学
スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』(中央公論新社)を読んだ。
家にあった村上春樹訳で読んだ。
きちんと読んで初めてあらすじが理解できた。とってもおもしろかった。村上春樹が言うほどに名作とはやはり思えないのだけれど、アーザル・ナフィーシーの『テヘランでロリータを読む』でも名作の扱いをされているのでやはり名作なのだろう。
『テヘランでロリータを読む』で読んで「素晴らしい」と思い、今回これを再読しようと思ったきっかけの『グレート・ギャツビー』からの引用はこのようになっていた。

「あなたはいつも涼しそうね」デイジーはくりかえした。
 あなたを愛してる、彼女はそう言ったのだが、トム・ブキャナンもそれに気づいた。彼は愕然とした。


ここのところが村上春樹訳では、

「あなたはいつも涼しげね」と彼女は繰り返した。
 彼女はついさっきギャツビーに向かって、あなたを愛していると告げていたし、トム・ブキャナンもそれを見て取った。彼はあっけにとられていた。


となっていた。
前者では、デイジーのギャツビーに対する「涼しそう」の言葉がそのまま「愛してる」と言っている、ということなのだが、後者では、その直前にトム・ブキャナンのいないときにデイジーがギャツビーに「愛している」と言ったことが、なぜかトム・ブキャナンにわかってしまったというような意味に取れる。
ここは村上春樹訳が間違っているように思える。
「オールド・スポート」問題もあるので、別の訳でもう一度読んでみるべきかもしれない。
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ギャツビー裁判

2022年01月21日 21時21分04秒 | 文学
アーザル・ナフィーシーの『テヘランでロリータを読む』(河出文庫)はぜんぜんおもしろくないなと思いながら読んでいたが、「ギャツビー裁判」のところがむちゃくちゃおもしろい。
イスラム世界のことがよくわからないのだが、イスラム社会で『グレート・ギャツビー』を学校で読んで、ギャツビーを裁判にかける授業を行う。日本の60年代の学園紛争あたりの雰囲気で、楽しいことがいけない、というような窮屈なことをいうような人が大勢いて、そこで『グレート・ギャツビー』に代表されるアメリカ的なものに対して良いか悪いかを討論する。
『グレート・ギャツビー』ってよくわからない話だなと思って、何度か読んだがあらすじすらよく理解できない。なんとなくギャツビーがプールで死んでいるイメージ。
しかしこの「ギャツビー裁判」を読むと『グレート・ギャツビー』がむちゃくちゃ名作なんではないかと感じた。(「むちゃくちゃ」は『ネプリーグ』の最後で商品説明を行う村瀬哲史の言い方で。)
『グレート・ギャツビー』のことがよくわかる気がした。『グレート・ギャツビー』を読んでみることにする。

赤坂真理の『東京プリズン』という何故か高評価だった小説があったが、これを目指したのかもしれないと思った。
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シェイクスピア『ロミオとジュリエット』

2022年01月21日 00時35分29秒 | 文学
シリーズ全巻揃えるとかそういうのがわりと好きで、ちくま文庫の松岡和子訳の『シェイクスピア全集』の全訳が完結したので気になっていた。でもよく考えてみたら、シェイクスピアをおもしろいと思ったことがこれまでほとんどないので全巻揃えても読まないだろうなと思い気になるものだけ読んでいくことにした。
河合隼雄と松岡和子の対談をまとめた『決定版 快読シェイクスピア』(新潮文庫)を読んで取り上げられる作品を読んでみる。

シェイクスピア『ロミオとジュリエット』(ちくま文庫)を読んだ。
ずっと昔に平井正穂訳で読んだこともあるはずだし、さまざまなところで引用されるので知らない話ではないのだが、改めて読んでみるとこんなに(簡単に)人が死ぬ話なんだなと思った。
ロミオとジュリエットの他に、ティボルトに刺されてマキューシオが死に、そのティボルトはロミオに刺されて死ぬ。さらにロミオはパリスも殺す。またロミオの母親のモンタギュー夫人も息子が追放された悲しみで死んでいる。ロミオに関わると長生きできない。
悲劇と言われると読んだら悲しまなければいけないような気が若い頃はしていて、そういう読み方をして「ぜんぜん悲しくないじゃんか。つまんない。」と思っていたが、いま読んでも悲しくはない。おもしろくはあった。
ロミオとジュリエットは幼馴染みで昔から親に反対されながら密かに恋をしていたのかと思いこんでいたが、そんなことはなくて仮面をつけたロミオとジュリエットは初めて逢って好きになって数日後にふたりとも死んでしまう。ロミオはジュリエットに出会う前はロザラインという女性に恋をしている。

昔いくつか読んだときはシェイクスピアはくだらない言葉遊び(ダジャレ)みたいなものが多くて、これの何が面白いんだろうと思っていたが、そんなに読めてないせいか今回はそこはそんなに気にならなかった。
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ジェイン・オースティン『高慢と偏見』

2022年01月18日 22時51分34秒 | 文学

ジェイン・オースティン『高慢と偏見』(ちくま文庫)を読んだ。
『テヘランでロリータを読む』を読んでいて、つまらなくてあんまり進んでいないのだが、この本にジェイン・オースティンの本も登場するそうなので先に読んでおこうと思って再読した。
とってもおもしろい。こんなにおもしろい小説があるかなというくらいにおもしろい。
読んでいて、ダーシーがいつも都合のいいときにやって来てわくわくする。ここでダーシーがやってくるんじゃないかなと思ったらやっぱりやってくる、という感じだった。
以前読んだのもずいぶんと昔なのでぜんぜん憶えていなかった。最後の方に気位の高いおばさんがやってきて、主人公に対して良いことか悪いことをするという印象だけは残っていた。良いことだったか悪いことだったかは思い出せなかった。ただ強烈な印象だったことは憶えていた。
気位の高いおばさん=キャサリン夫人はエリザベスに対して、まあ悪いことをしに来たのだが、結果的には良いことだった。それによってエリザベスはダーシーと結ばれた。

今回はエリザベスたち五人の姉妹の両親が印象に残った。父親は皮肉屋で結構いい加減、母親はめちゃくちゃ。
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吉田修一『横道世之介』

2022年01月13日 00時20分42秒 | 文学
吉田修一『横道世之介』(文春文庫)を読んだ。
吉田修一といえば私にとっては『横道世之介』で、かなり前から気になっていた。映画もテレビ放送を録画して、見ようとしたがなんだか見ることができなかった。
いくつか吉田修一の小説を読んで、いい機会なので読んでみることにした。古本屋で百円くらいで売っていたことも大きな要因だ。
映画は最後まで見てなくて吉高由里子の登場前に挫折したのだが、主人公横道世之介の恋人祥子は吉高由里子でぴったりだったのだろうなと思う。読みながら吉高由里子のイメージで読んでいた。
この本は続編もあり、さらにその後新聞連載しているようだが、この一冊を読む限りどのように話を続けているのだろうか、と思う。もう死んじゃったじゃん、と思う。死ぬまでのことを書いているのだろうか。ちょっとすぐには読む気にならない。
『横道世之介』の続きも、さらには吉田修一の小説もしばらくは手に取ることはないだろうなと思っている。
おもしろくないこともなく、退屈もしなかったし読みやすい小説だったが、なんだかお腹いっぱいです、という感じ。
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