ダブログ宣言!

ひとりでするのがブログなら、
ふたりでするのがダブログ。

とにかくベラボーな「TAROの塔」

2011年03月30日 23時01分26秒 | テレビ
小林秀雄の『本居宣長』についての本のあとは、司馬遼太郎の『この国のかたち』についての本を読んでいる。関川夏央の『司馬遼太郎の「かたち」』という本。司馬遼太郎というのはとても特異な人物だといつも思う。文章を書く人にはあまり感じられない雰囲気がある。
次は星新一についての本が控えているので、最近作家の評伝のようなものばかり読もうとしている。

NHKのドラマ「TAROの塔」を録画していたので二回分の放送を見た。「なんだこれは!」という感じ。とてもおもしろい。
松尾スズキの岡本太郎が似すぎていて可笑しい。岡本太郎はこんな感じだったなあと懐かしくなる。
岡本かの子も怖かったんだなあと思う。
とにかくベラボーなドラマだ。
コメント

橋本治『小林秀雄の恵み』読了

2011年03月29日 00時04分18秒 | 文学
橋本治『小林秀雄の恵み』(新潮文庫)を読んだ。とても長い本だった。小林秀雄に興味があるから読めたが、小林秀雄にも本居宣長にも橋本治にも興味のない人にはこの本は読めないだろう。当り前だけれど。
本居宣長が「私はこう思いますけど、皆さんはどうか知りません。好きにしてください」というような態度で、ドライな人だなと思い興味を持った。
《本居宣長は、「悲しいことをただ”悲しい”と受け入れたい」と思い、「なぜそれをさせてくれないんだ」と思い続けていた人なのである。》(470頁)という部分に最も感動した。
小林秀雄は、本居宣長が「悲しいことはただ悲しい」と言っているのを、知性で理解して、心では分かっていない(「心で分かる」という言い方も違うように思うが)のではないかと自分でも不安に思っていたのではないかと、橋本治が言っているところに感心した。

小林秀雄の「当麻」に始まる『無常といふ事』と、講演録「歴史の魂」を読んでみようと思った。

この本(=『小林秀雄の恵み』)は近世と近代について考えさせる本だった。このような、歴史を感じさせる本はよい。テレビを見ていると近視眼的に今の世のことしか考えられなくなってしまうので、ちょうどよい。SFに興味を持ってしまっているのも、そういうこのところの情況のせいかもしれない、とも思う。

小林秀雄の本はトンネルで、読者をどこに導くかは読者次第だというようなことを最後に橋本治は書いていたが、橋本治の本も同じようにどこに連れていくかわからないところがある。内容はなかなか難しく、ところどころ感心することもあったはずなのに、読んだ後にはすっかり忘れてしまうのもいつもと同じだ。しかし何かを通り抜けたという気持ちにはなれる。
コメント

小松左京『SF魂』

2011年03月27日 22時57分07秒 | 文学
小松左京『SF魂』(新潮新書)を図書館で借りて読む。SFそのものではなくSFについての本の三冊目。
どれだけ準備をすれば気が済むんだ! もうそろそろSF小説そのものを読めよ、という気分に自分でもなるのだけれど、読みません。このまま最後までSF小説そのものは読まないかもしれない。ちょうど野球はやらないのに、野球についてのお話には興味があるのに似ている。
そういえば今日テレビで高校野球を見ていたら、ストライクとボールとアウトの数を表示するテロップ(というのでしょうか? テレビ画面の右下に出てるやつ)が、上からSBOではなく、BSOの順番になっていた。あれはいつからなのだろう。オリンピックか世界野球大会(WBC)での試合を見たときに、日本とは違ってアメリカではBSOの順番なのだなと思ったけれど、いつのまにか高校野球まで順番が変わっていたとは。アナウンサーも「ツーボール、ツーストライク」とか言っていた。知らないうちにアメリカナイズされていた。いったい誰の指示だ? ナベツネか?
小松左京の『SF魂』は長山靖生の『日本SF精神史』で読んだ話もいくつかあった。『SF魂』のほうがおもしろかった。やはりその時代に実際に生きていた人の話はおもしろい。最近、NHKの岡本太郎のドラマを録画して見てみようと思っているのだが、ちょうどあの時代の大阪万博あたりの話も出てきて興味を惹かれた。たしかNHKのドラマではカンニング竹山が小松左京役をやっていたように思うけれど、当時の写真を見ると雰囲気がある。
小松左京の小説では『日本沈没』がいちばん有名なようで、読むとすればこれなのだろうけれど、ちょっと長いので読まないだろう。地震の話をいま読むのもちょっとつらいし。
コメント

長山靖生『日本SF精神史 幕末・明治から戦後まで』

2011年03月26日 15時10分52秒 | 文学
長山靖生『日本SF精神史 幕末・明治から戦後まで』(河出ブックス)を読んだ。最初から読んでいたが、明治の歴史に飽きて、途中ぱらぱらっとめくって昭和あたりの歴史を読んだ。日本のSF小説でもっとも偉大なのは小松左京なんだろうなと思った。
もっと昭和に入ってからのSF小説の歴史を知りたかったが、そんなに書かれていなかった。
読みたいと思った小説はなかった。谷岡一郎の『SFはこれを読め!』のほうがブックガイドとしてはよかった。

読んでいて、この人は本当にSFが好きなのだろうなと思った。
SF好きのひとはこのような発想で考えるのだなと思わせるところが結構あった。
三島由紀夫の『美しい星』を江藤淳が賞賛した言葉「SFが科学という固定観念を前提にしている」について批判している部分があった(199頁あたり)。科学が固定観念というのは間違っているという話だったが、読みながら「科学っていうのは固定観念だよなあ。江藤淳のほうが正しい」と思った。
コメント

谷岡一郎『SFはこれを読め!』

2011年03月23日 22時16分59秒 | 文学
藤子・F・不二雄、『インセプション』(クリストファー・ノーラン監督)と、たまたまなのだが最近SF作品に目がいっている。
これまでSFの小説を熱心に読んだことがあるのはマイクル・クライトンくらいしかいない。いくつか他の作家のものも読んだことはあるのだけれど、カート・ヴォネガットにしてもフィリップ・K・ディックにしてもおもしろさを感じることがなかった。映画も、有名な『ブレードランナー』も『2001年宇宙の旅』もどこを見たらよいのかよくわからない。筒井康隆は読むけれどSFものはあまり読んでなく、小松左京などは読んだことはない。日本のSF小説でとっさに思い浮かぶのは三島由紀夫の『美しい星』と大江健三郎の『治療塔』という、純文学作家が気まぐれで書いたようなものしか思い浮かばないような(しかも読んでない)、大袈裟に言えばそういう感じです。
で、SFについて勉強しようと思って谷岡一郎『SFはこれを読め!』(ちくまプリマー新書)を図書館で借りて読んだ。
おもしろそうな本がたくさんあったのでメモしておく。
広瀬正『マイナス・ゼロ』
ハインライン『夏への扉』
テッド・チャン『あなたの人生の物語』
ホーガン『星を継ぐもの』
ダン・シモンズ『ハイペリオン』
このあたりがおもしろそうだと思った。
コメント

クリストファー・ノーラン監督『インセプション』

2011年03月23日 21時47分17秒 | 映画
クリストファー・ノーラン監督の『インセプション』を見た。アカデミー賞授賞式を見て興味を持って見た。
吉本ばななの『キッチン』と高橋源一郎の『ペンギン村に陽は落ちて』とウォシャウスキー兄弟の映画『マトリックス』とスピルバーグ監督の『マイノリティ・リポート』などの作品を思い出した。雪原の世界は『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』を思わせた。
思ったほどはおもしろくはなかったのだが、おもしろい映画ではあった。
夢が二重三重四重になっているのがおもしろい。
夢の世界で死んだら目が覚めるという設定もおもしろかった。
無重力の映像が良いと思った。
コメント

ディケンズ『荒涼館3』

2011年03月22日 19時56分22秒 | 文学
ディケンズ『荒涼館3』(ちくま文庫)を読んだ。
タルキングホーンが何者かに殺され、ジョージがバケットにつかまる。
長く読んでいるので、いい加減に読み終えたい。やっとあと一冊になった。
コメント

藤子・F・不二雄のSF

2011年03月21日 00時40分55秒 | 漫画
少し前にNHKの「100年インタビュー」で藤子不二雄Aのインタビューを見て、昨日は手塚治虫の番組を録画していたのを見て、今日は録画していた藤子・F・不二雄の番組を見た。最近NHKはあの周辺の人たちに注目しているのかもしれない。藤子不二雄Aをやったら、藤子・F・不二雄をやらないわけにはいかないということになったのかもしれない。
藤子・F・不二雄が「ドラえもん」や「パーマン」以外に、結構レベルの高いSF漫画を描いていたことを知らなかった。おもしろそうだった。読んでみたい。
そういえば、タイムマシンのこともロボットのことも未来の世界のことも恐竜のことも地底人のこともパラレルワールドのこともすべて藤子・F・不二雄に教えてもらったのだった。そんなことをすっかり忘れてしまっていた。ごめんなさい、藤子・F・不二雄センセイ。
コメント

雑感

2011年03月20日 14時04分53秒 | 文学
この間弁当箱を買って包装してもらうときに「ご自宅用ですか?」と訊かれ、「いえ、お出かけ用です」と答えたくなった。

アカデミー賞の授賞式を録画していたので見た。
ディカプリオの出ている『インセプション』がいちばんおもしろそうだった。おもしろそうなのであまり内容を調べないままに映画を見たいと思う。
それから『ソーシャル・ネットワーク』、『英国王のスピーチ』、『ブラック・スワン』を見たいと思った。
『ブラック・スワン』は少女マンガみたいな雰囲気なのかなと思っている。『リトル・ダンサー』にしても『花とアリス』にしてもそうだが、バレエを題材にしている映画にハズレはない。
『英国王のスピーチ』はカウンセリングの話のようで興味を持った。

マイケル・サンデルの『これからの「正義」の話をしよう』というタイトルはなかなか深いタイトルだと最近感じる。
正義の話は、「これからの」か「これまでの」話はしやすい。「いま、ここの」正義の話はなかなかしにくいものだ。「いま、ここの」正義を大声で語っている人に対して「いま、ここで、あなたの言っている正しさは本当の正しさなのか?」と疑問を言うことは普通、許されないことが多い。しかし思ったことを好きに言えない雰囲気は哲学の出来る雰囲気ではない。これからかこれまでの話だったら落ち着いてできる。
NHKの「男前列伝」で手塚治虫は人間が善人と悪人の間で変身するところにエロスを感じていたという話を聞いた。その話自体はどこかで聞いたことのある話なのだが、とても悪い人と、とても善い人(あるいはとても不幸な人)しか世の中にいないように報道されることが多いので、手塚治虫の思想(性癖)は顧みられるべきだなと思った。
コメント

震災

2011年03月16日 23時51分46秒 | 文学
毎日毎日震災と原発のニュースを見続けている。
会社に行っている時間は見ていないけれども、会社に行かなければえんえんと見てしまっているだろう。やることがあるというのは良いことだ。
テレビでつらい場面を見続けるのは結構心理的な負担が大きいものだと感じている。
たしか、村上春樹の『神の子どもたちはみな踊る』のなかの短編で地震のあとにテレビを見続けてしまう主婦の話があったように思うけれど、あれはどういう話だったのだろう。今度読んでみよう。
阪神大震災のときも地下鉄サリン事件のときもまだ子供だったせいか、それほど強く印象には残っていなくて、村上春樹や吉本隆明が何かにつけて二つの事件について語るのを、「なぜなんだろう」と思いながら読んでいた記憶があるけれども、今回の震災は非常に記憶に残る出来事になるだろうなと思っている。
コメント