首都圏に3番目の空港、まもなく開港

2009-09-29 00:00:58 | 市民A
ibarakiダム問題とも似ているし、JAL問題にも関係がありそうな問題が、まもなく世間に登場する。

茨城空港

登場するのが何年も先というのではなく、いきなり来年、2010年の3月には開港になるそうだ。

では、自ら「首都圏の空港」と名乗る茨城空港は、どこにあるかというと、霞ヶ浦の北側である。航空自衛隊の百里基地の中に併設されるわけだ。軍民共用空港である。

ただし、普通は霞ヶ浦の北側を首都圏とは言わない。が、首都圏で唯一の戦闘機を配置した防衛軍ではある。入間基地には、今のところ戦闘機は配置されていない。

とはいっても、東京が航空機で攻撃されたのは、65年前のこと。それ以来、東の空からの敵機はあらわれていない。


そして総工費220億円(内70億円が茨城県の負担)でまもなく開港する茨城空港だが、ホームページが既に完成している。

おどろくことに、空港設置者が「防衛大臣」になっている。さらに事業主体が「国土交通省」になっている。国営そのものの空港である。

滑走路は2700メートルが2本。平行滑走路である。普通は、長い滑走路と短い滑走路の2本とかだが、中途半端である。(中途半端というのは日本の公共事業の特徴の一つで、そのうち追加工事が始まる)事業の途中までは、茨城県も事業に参加していたのだが、なぜか途中で国交省の専属事業になった。

空港へのアクセスは、バスとクルマ。かなり不便だが、そもそも自衛隊の基地があるような人口の希薄な場所で、誰が利用するのか、静岡空港よりもさらに大きな疑問がある。

空港側の発表では、予想利用者数が年間80万人となっている。1日2,200人となる。実際は1,100人が乗り、1,100人が降りればいいことになる。

ところが、静岡空港や神戸空港からのJALの撤退もそうだが、地方空港に無理に運航すると、赤字になる。上場会社が、わざわざ赤字路線を運航するには、それなりの株主説明責任があるのだが、合理的説明は見出せない。

ということで、9月末の段階で、この空港への発着を表明した航空会社は世界中で1社だけである。

アシアナ航空(韓国)のソウル(仁川)便が週6便(A-320)。ブサン(釜山)便が週3便である。1日平均1.3便。国内線はゼロである。

さらに、コストかけ過ぎ批判をあらかじめ予想しているかのように、大きなケチケチが行われている。

ボーディング・ブリッジ方式ではなく、タラップ方式だそうだ。

総理大臣が特別機で到着したときのように、タラップを降りて、雨の中をターミナルビルへの連絡バスに向かうことになる(もしかしたら、バスではなく『歩き』かもしれない)。


では、なぜ、ここに空港ができたのか。
 (推測理由)茨城県にも空港が欲しいと、時の県知事が言い出したのではないだろうか。

では、なぜ、国交省の専属事業になったのか。
 (推測理由)民間を排除すれば、空港まるごと天下り先にできるためではないだろうか。

では、なぜ、韓国の航空会社が、茨城空港に路線を持とうとするのか。
 (推測理由)成田(千葉県)や羽田は、入管が非常に厳しいため、仁川空港経由で、多国籍の観光ビザ短期就労者に期待されているのではないだろうか。

*(推測理由)は文字通り、個人的な推測である。