あるマスカットの事情

2009-09-17 00:00:22 | あじ
mascut田舎の農業地帯に、先祖から伝わる土地があり、自分で耕すような状況にはなり得ないので、その土地の隣地の方に、管理をお願いしている。管理というのは、文字通りの管理で、農地を有償または無償で貸すということではない。

その隣地の方は、稲作を行うとともに葡萄栽培を行っていて、ハウスで何種類かの高級葡萄を育てている。付き合いもあり、シーズンには、各種大1枚ずつということで、その何種類かを送ってもらっている。

今年も、2種類の宅配。マスカット・オブ・アレキサンドリア。

アレキサンドリアとは古代エジプトの商都である。クレオパトラはこの街を舞台にジュリアス・シーザーを篭絡し、いずれコブラに喉を咬ませ、長い長い古代エジプト史の最終章最終ページを鮮やかな紅色に染める。(少し前に、『海のエジプト展』で勉強したばかりだ)

mascut2本当に、古代エジプトで、こういう水分の多い生食用の葡萄があったのかどうかは、いささか疑問だが、議論の前にまず一口。味は例年と変わらないが、見かけが少し悪いようだ。天候不順のためということらしい。農家は大変だ。


そして、その臨家でも、今年から稲作を止めたそうだ。まず、高齢化。そして、一年前には、貯水池の堤防工事のため、1年間、稲作ができなかったそうだ。そして、あらたにコンクリートの堤防ができたのだが、休んだ一年が、米作への意欲を削いだのだろうか。

ハウスでの葡萄栽培にしても、葡萄棚の高さは、高からず低からず。腰が曲がる年齢になると、もうだめだ。作業できなくなる。

ということで、あれこれ農村(村ではなく市ではあるが)では、問題が山積している。

民主党の新政権に期待するものは、

1.農業人口を国民の3%から5%に引き上げる。
2.遊休農地の有効活用のため、農地法の見直し
3.農家の株式会社化(あるいは株式会社の農業への参入)を認めること

あたりだろうか。