鬼王座

2009-09-26 00:00:17 | しょうぎ
7月13日に始まった王位戦7番勝負では、木村八段が3連勝したあと、深浦王位が3連勝して3対3になり、まだ終わらない。

一方、今月始まった王座戦(日経主催)は、あっという間に羽生王座が3連勝して終了。1992年以来、18期連続防衛である。18期の間、勝率は8割4分。特に最近の5期は全部3勝0敗。

なぜ、王座戦になると鬼のように強いのか。

今まで、はっきりとした説明を聞いたことがないのだが。私の説を披露すると、

「日経新聞を購読し、熟読しているから」ではないだろうか。

自分の勝局を新聞で見るのは嬉しいものだ。そのうち、嬉しい気持ちになるために、ことのほか気合いが入るようになった。

とか・・


9月12日に出題した詰将棋が、長いので、今回は、詰将棋の解答に重点を置く。



棋譜も略式にする。

37角 19と 33玉 25玉 24龍 36玉 26龍 45玉 46龍(途中図1) 54玉 43龍 65玉 63龍 56玉 67龍 45玉 47龍 54玉 44龍 63玉 64龍 52玉 44桂 41玉(途中図2) 42歩 51玉 53龍 61玉 52桂成 71玉 62成桂 81玉 51龍 92玉 93歩成 同玉 91龍(途中図3) 92金 83歩成 同玉 92龍 同玉 84銀(途中図4) 98飛成 82角成 同玉 83歩 92玉 82金まで49手詰。



初手は、逆王手逃れの手。玉が動いて逆王手か角の移動合か。玉移動は一手遅らせる。ただし、3手目以降、37角と38飛の関係で、角が動けなくなる。まだこの段階では、それで不便はしないのだが。

そして、9手目の46龍(途中図1)で方針がはっきりする。龍追いで持ち駒の充実をはかる。といっても桂と歩を得るだけだ。龍追いは1回転半で、今度は玉を下段に追うが、中盤のハイライトが24手目の41玉の次の手。

単に61龍、51合、52桂成で詰みそうだが、合駒に角を打つと逆王手になる。必然的に52歩と打つと、なんと打歩詰の図である。これが、ヒントに書いた「強制打歩詰」の図である(失敗図1)。



そのため、仮釈放中の被告のように、少し自由に玉を泳がせ、裾払いで攻める。35手目に93歩成で釣り上げて竜を91に回ると、金を合駒に打つしかない(途中図3)。ここで、37角が82角成と突っ込めればいいのだが、角を82に移動させる前に、38の飛で33の自玉を先に取られてしまう。そこで、次の細工。

95銀を活用するために84歩を成り捨てるのだが、龍で金を取るのよりも前に捨てなければならない。玉が92にいる状態で、ついに84銀と開き王手に成功(途中図4)。98香を38飛で取るしかなく。ついに82角成と角のV字活用に成功。同玉に83歩で簡単だが、悪戯心で83金と打つと、92歩、同龍、同金、同玉、93飛、81玉、83飛成、91玉で詰まない(失敗図2)。



実は、この問題、いくつか洗練さにかける部分があり、「さわやか風太郎さん」のご援助を受け、脩正作も完成。未来のある時期に披露する予定である。

なお、動く将棋盤はこちら





今週の問題は、途中に、ある課題が待ち受ける。詰将棋では、よく課題となる場面である。めずらしく、駒が徐々に減っていく問題である。詰むとホッとする図である。

わかったと思われた方は、コメント欄に、最終手と手数と酷評を記していただければ、正誤判断。