じゃじゃ馬馴らし(1929年 映画)

2022-01-19 00:00:48 | 映画・演劇・Video
原作はシェークスピア。何年か前に「シェークスピア映画大全集」というパッケージを購入していた。10枚まとめてだと、さすがに根性が出ないためなかなか手が出なかったが、本年のささやかの目標として1年間で10本を観るということに考えている。毎月1枚で2か月はサボる。



10枚のどれから観てもいいのだが、10枚目の「じゃじゃ馬馴らし」からにする。逆順。10枚の最初はロミオでその後四大悲劇でその後史劇で最後に喜劇。ということで適宜順番は変化。

あとで調べると、この1929年版の「じゃじゃ馬馴らし」は名作らしい。主人公のカタリーナをメアリー・ピックフォードが怪演。現実的に室内の破壊行為をしてまで暴れまわる。いつもムチを持っていて使用人たちは怖がっていて、父親もお手上げだった。

そこに現れたのがペトルーキオという素性の怪しい男性で、富豪であるカタリーナの父親の遺産目当てで結婚しようと考えている。

映画は、その後、男女の争いになり、あれこれあって夫が妻を大人しくさせることに成功するのだが、いきなり唇を奪ったり、親の同意のみで本人の意思を確認せず結婚してしまうなど、フェミニズムの観点で言うと大問題なのだが、複雑なのは、この映画では触れられないが、映画の部分は原作では劇中劇になっている。したがってなぜシェークスピアは劇中劇という複雑な演劇を書いたのだろう。逆説的に観ろ!ということだったのかもしれない。

なお、主演のピックフォードだが女優としては初めて年収が年間100万ドルを超えたそうだ。本映画と同年の出演映画(『コケット』)でアカデミー主演女優賞を得ている。なお、無理やり唇を奪ったダグラス・フェアバンクスとは映画の9年前に結婚していて、7年後に離婚している。