俺たちの国芳、わたしたちの国貞

2016-06-05 00:00:53 | 美術館・博物館・工芸品
ザ・ミュージアムで本日まで開催中の「俺たちの国芳、わたしたちの国貞」展。ボストン美術館から大量に出品である。

まず、本当に大量なのだ。事前に作品をチェックし、見るものと流すものとあらかじめ作戦を立てておいた方がいい。

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幕末の二大巨匠ということだが、正当派の極致に達した感がある。江戸時代に登場した文化といえば、浮世絵と俳句ということだが、浮世絵は、この二人を頂点として一応の達成感がある。言いかえれば終焉感なのかもしれない。

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展覧会のタイトルに含まれる「俺」と「私」だが、作品の中に歴史観まで含ませて物語性をもとめた国芳に男性キャラを、また瞬時的な美や、市井の中に垣間見ることができる生の喜びを描く国貞に女性キャラをあてはめたのだろう。ややセクハラ感のあるタイトルだ。美術館の出資者のT急関係者の命名なのだろうか。

両者とも日本の開国を目の当たりにしたはずだが、ある意味、明治維新以降の薩長政権による江戸文化否定の歴史を知ることなく他界したのは幸いといえるだろう。