フィギュアなあなた(2013年 映画)

2016-06-13 00:00:40 | 映画・演劇・Video
しばらく映画(DVD)を観てなかったのだが、そろそろ再開。

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石井隆監督と言えば『花と蛇』というような、暴力的ポルノ的作品が有名だが、『フィギュアなあなた』は、等身大の女子フィギュアが登場。もちろん映画なので生きているわけだ。

そして、この主人公の男性は、出版社をクビになり、酔いつぶれて新宿風の元雑居ビルのような廃ビルに迷い込み、覚せい剤取引の現場に迷い込み、逃げ回りながらマネキンだらけの部屋に潜入。そしてこの人間フィギュアと絡み合うことになり、自宅に運び込むことになる。(運ぶ場面はまさに喜劇だが)

ところが、本作は喜劇なのか悲劇なのか、社会派映画なのかただのポルノなのか、一向にわからないまま、恐怖的BGMが流れながら終末に向かっていく。そして覚醒したフィギュアと主人公の男が結婚するというハッピーエンドとなるのだが、よく見ると二人の結婚を祝福する人たちの中には、すでに射殺された人たちも大勢いて、どうも死者たちの結婚式なのだ。つまり大悲劇。

そもそも、ストーリー自体が、現実と妄想のはざまで行ったり来たりしていて、どうして悲劇になったのか、その男が考えることになる。シックスセンス的。

観たあと10分位で、ゾッとしはじめる映画なのだ。