乙島シャコ

2016-06-03 00:00:51 | あじ
倉敷のある料理店で、美味い食材を食べる。

一応、シャコ。シャコの全国的な食べ方は、寿司のネタにするか、皮ごとゆでて、それをエビのようにむきながら食べる方法。

otosimashako


ところが、現在は倉敷市に含まれるが、話題の自動車工場がある水島地区と高梁川を隔てた乙島(おとしま)地区の海岸の砂地で漁獲される「乙島シャコ」という生物がいるのだが、通常のシャコの3倍ほど太っていて、そのまま油で揚げて食べるわけだ。

これが絶品なのだ。エビの唐揚げみたいにバリバリしてなく、全体に柔らか感があるのと身の味が甘い。二人で五尾と大量に食べることになったが、飽きることはない。ただ、季節物なので、個人的には生涯二度と食べることのない幻の食材になるかもしれない。そういうものこそ、10年後に再び食べると、感動で胸がいっぱいになるはずが、「もっとうまかったような記憶があるのだが」と困惑することが多い。

ところで、乙島周辺だが、源平合戦である意味有名な戦があった。水島の戦いというのだが、源平戦争の最終局面は、平家が負け続けるのだが、この水島の戦いでは、戦闘中に思わぬできごとが起きる。「皆既日食」だ。実は公家化していた平家の中には、中国から朝廷に伝わっていた天文学に精通していた博士がいた。このため、空が暗くなることを科学的に知っていた平家に対し、山出しの源氏は「たたり」と思い兵士の気力をそがれることになる。唯一平家が勝った戦として知られている。

その時流れた源氏側の兵士の生き血に含まれるDNAが砂浜のシャコのDNAを変化させることになり、現代に生きるわれわれは人間のDNAを含んだシャコを「うまい」と言いながら丸ごとかみ砕いている、という話はないから。