駅弁で勉強する神田橋の不思議

2014-01-10 00:00:15 | あじ
東京駅で駅弁を買うときは、いつも新幹線改札の内側だったのだが、実はそこはJR東海(名古屋本社)のテリトリーで売店もJR東海の子会社である。なんとなく割り切れないものを感じ、東京駅の中ではあるが新幹線ではない場所で買ってみるのだが、さらにJR東日本系の売店と、一般の売店とにわかれている。たとえば崎陽軒なんかがその一般の部である。元々横浜に住んでいるのだから崎陽軒を買うわけもなく、神田に本社のある某社の「神田川」という弁当を買う。雰囲気、豪華である。

kandabasi


ただ、弁当を開いて冷静に観察すると、それほどでもない。容器が紙の部分は竹皮風で、プラの部分は金色である。さらに弁当自体が6ブロックに分かれているが、よく見ると、うち3ブロックはメシである。炊込み風、チラシ寿司風、日の丸風。おかず比率は50%だ。なんとなく釈然としないが、あきらめて食べるしかない。

食材は、茶飯、鮭飯、白飯、煮物(がんも、里芋、筍、その他)、鶏唐揚、ぜんまい炒め、玉子焼、煮帆立、金平牛蒡、柴漬、鱒いくら、パプリカ、付合せ 調味料(アミノ酸等)、加工澱粉、乳酸、酸味料、着色料(赤106、赤102、カラメル色素、黄4、青1、赤3)、酒精、ソルビット、pH調整剤、甘味料(ステビア、甘草)、ポリリン酸、保存料(ポリリジン、ソルビン酸K)、グリシン、凝固剤、酸化防止剤(V、C)、リン酸塩、漂白剤(次亜硫酸Na)、水酸化Ca。後半の薬品類(調味料以下)は付合せに使われているということなのだろうか。白飯に乗っている梅干し一つのことを付合せと呼ぶのだろうか。


ところで、この弁当のネーミングが『神田橋』。すきやばし某という寿司店は有名だが、神田橋というのは何だろうと思うのだが、どうもこの弁当会社が千代田区外神田にあることから所在地の神田を気安く流用したのだろうと推測する。

そして、実際に神田橋があるかどうか探してみると・・

あるにはあるが、意外なことがわかる。神田橋は神田川の橋ではなく、日本橋川の橋なのである。この神田川だが、小石川のところで、下流に二本分かれていて、北側の川は水道橋、聖橋、万世橋などを経て、隅田川に両国付近で合流している。一方、小石川で分流された日本橋川は、その後、江戸城外堀と一体化したあと、日本橋を経て、隅田川の最下流の永代橋付近で合流。神田橋は神田川ではなく、なぜか日本橋川の方の橋なのだ。

東京駅といってもJR東海の弁当を売っているようなものなのかもしれない。