東海林さだお×椎名誠

2014-01-16 00:00:00 | 書評
東海林さだおと椎名誠といえば、どちらも人気エッセイストとしても有名だが、この二人の豪華対談が行われたようだ。

誌面は新潮社の書評誌『波』。実は書店では売られていないで、年間契約で自宅配送となる。1冊は100円と、105円ショップ以下である。こんなマイナーな場所で対談していいのだろうか。

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で、今回は東海林さだお氏が『殺したい蕎麦屋』というエッセイを刊行した記念だそうだ。

しかし、実際、そのエッセイのことなんか全然書かれてなく、もっぱら二人がエッセイを書くときの職業的秘密みたいなものを交換しているわけだ。

まず、二人ともエッセイを書くことが大好きだということがわかる。もっとも東海林氏の方は、書きための在庫は持たず、一つ書くたびに次のことを考えるという規則正しいやり方で、椎名氏の方は、一気にいくつも書き始めるというパターンのようだ。

もっとも東海林氏の本職は漫画家だし、椎名氏の方は色んな事をやっているのだが、二人とも共通して言っているのが、キャリアが長くなると、周囲が忠告してくれなくなることで、たとえば、東海林氏のマンガに登場する女子社員が、いつも制服を着ているのは時代錯誤であることと、最近、椎名氏のエッセイにダジャレが増えてきたことなどを、お互いに忠告して、今後、相互にチェックしましょうということになる。そして、新協定の第一号として、東海林氏は椎名氏に対し、「SFなんか書かずにユーモアのあるエッセイを書いてほしい」と忠告。

その後、話題は椎名氏が色黒であることから、アフリカ人種のことに流れ、さらに猿人に及ぶ。人間の先祖は木の上で生活していたのに、なぜ危険な地上に降りたのだろうかということになり、二人の優秀な頭脳が導き出した解と言うのは、

木の上では、行動範囲が狭くて「つまらなかった」からだろうということ。


確かに、果物以外に美味いものを食べたくなったのだろうか。