流行語的にはガッカリな年だった2012

2012-12-10 00:00:52 | 市民A
第28回ユーキャン新語流行語大賞に選ばれたのは、

ワイルドだろぉ

その他のトップテンは次の9点

iPS細胞
維新
LCC
終活
第3極
近いうちに・・・
手ぶらで帰らせるわけにはいかない
東京ソラマチ
爆弾低気圧


オリンピック関連1、政治(というか選挙)関連3、ノーベル賞関連1、コトバというより一般単語みたいのも多く含まれている。

で、大賞の「ワイルドだろぉ」という言葉の語感がなんとなく微妙なのは、「ワイルド」という言葉を、ややネガティブに表現していることから感じるのかもしれない。ノーマルに対して、20%位違っているような状態を、ワイルドと表現していて、何かワイルドというのが標準と異なっているような潔くない言い方だからではないだろうか。

というか、この流行語大賞の歴史は、まさにバブル崩壊の歴史をなぞっているわけで、オシンドローム(1984年第1回)、文衆(1985)、究極(1986)、マルサ(1987)、ハナモク(1988銀賞)、そして流れが変わったのが、セクシャル・ハラスメント(1989)、ファジィ(1990)、「じゃあ~りませんか」(1991)・・・コトバのはやりが、あいまい方向に進んだのは国民が未来に対する自信を失ったからだろうか。


自分的には、「手ぶらで帰らせるわけにはいかない」という五輪での水泳メドレーリレーの松田選手が先輩の北島選手のことを思ってレース後、公言したセリフがいいな、と思っていたのは、北島選手自体が2004年に金メダルを獲得した後に発した「チョー気持ちいい」という大賞受賞語が、チョージコチュー(2000年入賞)であるのに対し、「手ぶら・・」では逆に他者中心的な思考回路が働いていて、とてもいい感じだ。


このエントリを調べながら書いているとお笑い芸人が受賞すると、1年で消える、というジンクスがあるそうで、確かに芸人のギャグというのも、計算されて作られているわけで、どこか不自然なところがあって、さらに大当たりすればするほど、次のネタとのギャップが大きくなり、芸人としてグッバイとなるのだろう。

さらに、流行ったコトバがその後、生き続けるのかそれとも消滅するのかというのも問題で、もちろん流行語なんか、そのまま消滅してもまったく構わない(というか、流行の美学)のだが、いつまでも記憶に残ったり、さらに日常的なコトバ(あるいは表現)となっていくもののある。

ちょっと驚いたのだが、自分的にはよく使う表現である「ワタシ的には・・」というのは、今は亡き飯島愛さんが2000年に受賞している。

さらに、受賞したものの該当者なし、というか、表彰式に現れない例がいくつかある。代表的な例を並べると、

「あなたとは違うんです(福田康夫首相辞退)」、「貸し渋り(該当者が名乗り出ない)」、「コメ泥棒(無論、該当者所在不明)」、「食品偽装(多過ぎて特定できず)」、「脱小沢(受賞者仙石氏辞退)」、「天の声(受賞者拘留中)」。

ところで、前年である2011年のトップ10は、なでしこジャパン(大賞)、絆、スマホ、どじょう内閣、どや顔、帰宅難民、こだまでしょうか、3.11、風評被害、ラブ注入。

やはり、今年が小粒過ぎるのだろう。