ほとんど報道されない不起訴のことから

2009-03-09 00:00:30 | 市民A
まず、大相撲十両力士『若麒麟』から。

『パクられたらリスクはデカイか』という流行語大賞候補の謎の名言をノートに書き残した若麒麟(25)だが、逮捕されたのは1月30日。六本木のCD制作会社で30歳のミュージシャンH氏と一緒に応接室にいたところを神奈川県警に踏み込まれる。この店に捜査に入った時に、たまたま居合わせたようだ。大麻を紙に包んで隠そうとしたところを、ミュージシャンと一緒に捕まる。さらに21歳のCD制作会社社員も大麻取締法違反で逮捕される。

その後の展開は、若麒麟が大麻を何度も吸引していたことを認め、相撲協会が解雇し、受け取ることができる退職金を本人が放棄する。そして、2月20日、大麻取締法(所持)違反で起訴が決まる。

ところが、その時に逮捕されたミュージシャンH氏と21歳の店員は、結局、放免ということになる。ほとんどのメディアは、逮捕された時にはH氏の実名を書いていたのだが、不起訴になった時には名前の公表なし。というか、今更書かれても迷惑なのかもしれないが、失った名誉は元には戻らない。

まあ、そんなところに出入りするのだから、およそ想像できるのだが、起訴と不起訴を分けたものは、「自供」なのだろう。要するに、「知らぬ存ぜぬ」ということを崩すことができないのだろう。それと、普段から、その時のために心の備えができていたのだろう。密室のできごとは、このように難しい。若麒麟には『根性がない』ということなのだろう(といって、シラを切ることを推奨しているわけじゃないから。念のため)。

と同様に『シラを切り続けている話』が西松建設献金問題。

実は、西松のことを過去に書いた記憶があって、自分のブログを大捜索したところ、やっと発見。2006年5月1日である。「とくしま藍あいプラザ&近くの建設会社」の後段に登場。虎ノ門の西松本社のそばを通った時の情景である。引用してみる。

ところで、港区にある、この物産館に行くため、ちょっと裏道を通ったら、Nという名の、ある中堅のゼネコンがあった。以前住んでいたマンションの施工が欠陥工事で、痛い目に合わされた相手だ。竣工後2~3年のマンションの設計変更問題でトラブったのだが、「設計図面は既に捨てた」と住民に捜査権がないのをいいことに逃げまくっていた。売上高利益率が非常に高いのでも有名。

そのビルの玄関の前を通ったのだが、玄関の外(つまり建物の外)で、部長風の恰幅のいい男が携帯電話でわめいている。

「・・・・・・・・」
「家は、あぶないぞ。最近は調べられるからな!」
「・・・・・・・・」
「クルマの中も駄目だ!」
「・・・・・・・・」
「捨ててしまえ!」
「・・・・・・・・」
「いいから、かまわないで、捨ててしまえ!」

物騒な話をしている。通行人には全部聞こえてしまうだろう。一体、「強度偽装」の方なのだろうか。それとも「談合入札」の方なのだろうか。それともその両方ともということだって考えられる。

そして、芋焼酎をつるして、”とくしま藍あいプラザ”の帰りに前を通ったら、今度は若手社員が玄関の外で携帯電話をかけていた。
「えっ、ダメだったのですか」
「・・・・・・・・」
「何とか、出すものは出すから、頼みますよ」
「・・・・・・・・」
「話が違うじゃないですか」

どうも、この会社の高い利益率のビジネスモデルは、玄関の外での電話に秘密が隠されているのだろう。


ところで、近くの公園では、取立屋が「おんどりゃー」とか携帯持って騒いでいるし、江戸時代は旗本の町だった虎ノ門の町にも物騒な輩が多くなっているのだ。


この「Nという名の、ある中堅のゼネコン」が西松である。やり放題である。何でもあり。

つまり、叩けばいつでも何かが出てくるのは確実である。何しろ、ビルの外で画策を行っているわけだ。そして、叩けばほこりがいつでも出るものが、なぜ今、叩き始めたのか、というのは、よくわからない。


結局、元秘書を無罪放免したり、形式的微罪にしかならないということになれば、捜査疑惑も高まるわけだが、若麒麟のようにペラペラしゃべるとも思えないのだから、どうなるのだろう。国策捜査というか戦前の特高のような匂いも漂うのである。