ピロリ菌退治

2008-12-22 00:00:04 | 市民A
5月に人間ドックで、胃袋にピロリ菌を発見されていたのだが、放置していた。思い立ったようにピロリ菌退治を始めた。ピロリ菌の正式な名称はヘリコバクター・ピロリ。ヘリコプターみたいな名前だが、関係ないわけじゃない。後述するように1983年に発見された。通常、胃の中は強酸性で、菌が生息することは不可能とされていたのだが、そこに思考の空白があったわけだ。



胃の粘膜の下に潜り込んで、胃袋の中の酸性度の低い方へ、べん毛をヘリコプターのように回転しながら移動するそうだ。

現在のところ、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因になっていることは確定していて、さらに胃癌にも関係しているようだ、といわれている。

まあ、最近、胃癌で友人が亡くなったりしたので、ついにはじめることにした。、勤務先の近くで、ピロリ菌退治を宣伝しているある美女医師のところに向かう。美女といっても、年収4000万円以下を相手にしない西川某じゃない。

そして、最初の関門は、治療を「保険扱い」にしてもらうこと。ある種の条件のもとで保険扱いになり、それ以外の場合、「予防治療」とみなされ保険適用にならない。

詳細は書かないが、あれこれ「ハーバード流交渉術」を駆使して、美女攻略に成功。保険適用。ヒントは、WIN=WIN関係の構築だ。

退治法だが、とりあえずはごく簡単。武田薬品からピロリ菌退治セットが出されていて、朝夕、5個ずつの錠剤を飲む。主に抗生物質である。それを一週間。副作用は軟便ということだが、そういうことはなかった。最初に薬を飲んでから10分後に、胃の中で格闘競技が行われている感じがあった。最初だけだが。さらに、飲んでいる間、体に疲れを感じ、夜中に水が飲みたくなったりしたが、薬のせいかどうかはわからなかった。通常、抗生物質は発熱の時などに飲むので、もともと健康な状態で飲んだときの影響はよくわからない。

そして、この1週間飲み終わった段階から1ヶ月後に再度、検査を行いそこでシロならば退治成功ということになる。成功率は60~70%ということで、失敗した人は次なる第二段階に入ることになる。結構、一次成功率が低い。第二次作戦は、生き残ったピロリ菌に効く抗生物質を使うらしい。それでもダメな場合、どうなるのかよくわからない。胃の中のピロリ菌がより強力になるだけ、とも考えられるが、深く心配するのは、現段階ではやめておく。


ところで、このピロリ菌を発見したのはオーストラリアの二人の医師、ウォーレンとマーシャル。この功績で2005年にノーベル医学・生理学賞を受賞。この二人の関係も微妙で、ウォーレンは病理学の大家で、1979年から、この研究を続けていた。一方、マーシャルは14歳年下で、1981年に、研修医としてウォーレンのもとに行ったのだが、成り行きでこのピロリ菌の研究に参加する。



そうしているうちに1983年にピロリ菌を発見。さらに若いマーシャルは翌1984年に暴挙に出る。ピロリ菌を大量に飲み込み、胃炎になることを証明。科学の発展に犠牲はつきものだ。自分で菌を飲むとは、自分のこどもに種痘を打ったジェンナーよりも、いさぎよい態度だ。

その後、マーシャルだけは、明治乳業のLG21というヨーグルトのコマーシャルに登場。コンビ解消である。ただし、ウォーレンさんが別のメーカーと契約したわけではなさそうである。