アーツ&クラフツ(汐留ミュージアム)

2008-12-21 00:00:36 | 美術館・博物館・工芸品
アーツ&クラフツの二つの展覧会が開かれる。汐留ミュージアムで1月18日まで。東京都美術館で、その後開催されるようだが、入場料金の安い(500円)汐留の方に行く。



このアーツ&クラフツというのは、簡単にいうと、19世紀末から20世紀初にかけて、身の周りの生活用品が大量生産されるようになった初期段階に、その反動として、手作りのデザインを取り入れていこうという運動である。英国で始まり、米国に拡がる。そして、フランスでは、アール・ヌーボーに発展していき、日本では、アーツ&クラフツもアールヌーボーも、いずれも中途半端に終わった。

運動の中心人物は、ウィリアム・モリス(1834-1896)。そして日本でも有名なフランク・ロイド・ライト。



英国で活躍したモリスは、布や椅子という身の回りの品々が多く、比較的柔らかい線が特徴。アール・ヌーボーの原型と見た。フランク・ロイド・ライトは日本で帝国ホテルを設計したり、大がかりなものが多く、会場に展示することができないため、玄関のガラスドアのデザインが展示されていた。



日本でアーツ&クラフツもアールヌーボーも中途半端になった理由を少し考えてみたら、その時代(明治末期)は、ちょうど日本が苦しい時期で、国内に人があふれて海外に移住が始まったころだった。「生活に芸術」どころじゃなかったのだろう。




実は、学生の頃、ウィリアム・モリスを勉強したことがあり、彼のようなハンドクラフターなろうと思ったことがあった。が、周囲の理解が得られず、人生の方針を変更したのだ(と、ひとのせいにしてしまう)。