せ・ん・せ・い

2008-12-10 00:00:45 | スポーツ
たまたま、ゴルフ場の組み合わせで、「先生」と呼ばれる年齢60代の男性と、その男性の「同伴女性(40代?)」と3人で回ることがあった。



そのコースは6800ヤード以上あり、難易度がかなり高いことで有名なのだが、ティーグラウンドが4択になっている。前の方(つまり易しい方)から、「シニア(レディース)」、「レギュラー」、「バック」、「チャンピオン」。

ごく普通の男性は、「レギュラー」からティーショットを打つ。いわゆる「白」である。腕に自信のある人は、もう一段難しいバックティーから打つ。こちらは「青」。ところが、ここのコースでは、さらに後ろに「チャンピオン」を用意している。要するに、可能な限りの最も後ろである。まったく違う風景が見える場所だ。

そして、まず、「先生」と呼ばれる男性は、肩を丸めながらゆっくりと「チャンピオンティー」へ向かうわけだ。

あれっ、シニアって一番前じゃないのかな??

そして、小さめのスイングで放たれた打球は、・・・

見えない。プロみたいな超光速弾だったわけだ。

次に、「先生」のお供の女性の方だが、こちらは、レディースではなく、レギュラーに向かう。

なぜか、「先生」と同じフォームで同じブランドのクラブを使っている。こちらの打球は、見える。光速よりは遅いようだ。

これは、負けられないと、チャンピオンに向かうと、「先生」からは、

「好きなティーから打ちましょうよ」と易しいコトバを受けることになる。で、「バックティ」ということになる。

そして、打ち出した打球は、・・・

見えない。超高弾道のロケット花火のように左のラフの中に落下。3人がかりの捜索にも拘らず、紛失球となる。地面にめり込んだのだろう。

「好きなティーから打ちましょうよ」と二度目のアドバイスを受けることになる。

こうして、2番ホールから、適切なティーショットの位置が確定したのだが、「先生」は難コースを苦にすることなく、スコアカードにあらかじめ印刷されたとおりの数で進んでいく。というかスコアは付けない。

やっと、「先生」と「女性」と「私」の位置関係に変化があって、女性と先生が離れたところで、女性に聞いてみる。

「先生って、弁護士の先生とかなんですか?」

大笑いされる。

「ゴルフの、せ・ん・せ・い」

弁護士と愛人という関係を想定していたわけだ。おおはずれだ(というか、一部ははずれてないかもしれないが)。

せっかくの機会なので、「なぜ、先生は巧いのか」を観察していたのだが、何となく感じたことがある。ドライバーの飛距離は私とあまり変わらないようなのにだ(ティーの位置が違うので比較は難しいのだが)。

見ていると、すべてのショットは手加減して打っていることがわかった。8割くらいの力かな。だから、とんでもないところには行かない。アイアンショットは大き目のクラブで低い弾道である。これも軽く打つからだろう。だから、パー4では、かならず第2打がグリーンの上か、その近くにいく。低い弾道だからバンカーの砂に突き刺さったりしていない。単にバンカーの砂の上に転がっているだけだから、かえって打ちやすい。

そして、決して3パットしない。妙なのは、女性用の短いパターを使われている。というか「同伴の女性」とまったく同じピンクのパターだ(目印のカラーテープが貼られていた)。もっとも、3パットしないのは、結果かもしれない。第二打で、狙った方向と距離が出ていれば、3パットするような場所には行かないからだ。


昼食の時に話をしていてわかったのだが、昨夜は二人+何人かで、ナイターゴルフに行っていたそうだ。さらに次の日は別のクラブの大会に出場するそうだ。3連投。

”そういう人もいるんだ。もしかすると、女性がパトロンということだろうか”と、謎は深まるのだが、まあ、午後は三人三様のバラバラゴルフとなったため、「先生」と「同伴女性」の観察は中止。18ホール終了後、私は大浴場のサウナルームに直行し、「先生」は、バンカー練習場に直行し、「同伴女性」がどこに行ったかはまったく不明。


自宅に帰ってから、先生の名前からネット検索してみると、シニアの強豪で全国のベスト10位以内の方であることがわかった。大小あちこちのゴルフ会の幹部になっていて、プロの卵の指導などもしているようだ。

つまり、「せ・ん・せ・い」なのである。

「ピンクのパター」は謎のままである。

しかし、その後、「せ・ん・せ・い」のプレー分析結果は、私の成果には、まだ、まったく結びついていない。

ピンクのパターを買わなきゃいけないだろうか。いや、女性からもらわなければならないのだろうか。もちろん、新品限定。