蟹蒲鉾は「消えない入墨」か

2008-12-29 00:00:06 | あじ
「蟹工船」のことを考えていたら、「蟹工船」という蟹缶の生産スタイルは、かなり合理的な方法で、今も残る大手水産業者が日本の周りのの海洋資源と、国内で余っていた労働力を組み合わせて、欧米の金満国の富裕層の食卓から外資を獲得していたことに気付く。



問題は、その海の上に浮かぶ「漁船に対する法規制」も「工場に対する法規制」も届かない空間で、権的な労働搾取が行われていて、それでもしょうがないと、社会の底辺や裏側からわけありの人間達が集まっていたことである。

さらに、その背後には大きな世界があるのだが、きょうの話は、その時代のことではないので、歴史考察は、ここで終わり。

現代では、日本近海の蟹は、まさに貴重品。大型船でかき集めて高い労働力で缶詰にできようはずもない。

そこで、いつの時代か登場したのが代用品である「蟹蒲鉾」。通称、カニカマ。

説明する必要はないだろうが、一般的には、白身魚から蒲鉾を作る過程で、蟹風味を加え、細い糸状にし、糊で棒状に固めて、赤く着色してビニールで包んで完成。

ところが、このカニカマのおかげで、来年の正月用の紅白蒲鉾や伊達巻が品薄になり、価格が上昇しているそうだ。

なぜ?

別に、日本の正月の儀式(おせち)で、紅白蒲鉾の代わりにカニカマで代用する家庭が増えたわけじゃない。さらに、カニカマダイエットなどがはやって「蟹工船入隊ブーム」になったわけじゃない。

原因は、欧米の食卓で「カニカマ」が人気になっているからだそうだ。

まあ、70年前に欧米向けの蟹缶詰を作っていた蟹工船と繋がるような話ではある。そのため、白身魚のすり身が減少。日本の正月を影響が襲ったようだ。むろん、正月に限らず、「おでんや」を夜の常駐事務所にしているオヤジ達にも厄災は振りかかっているはずだ。

ところで、このカニカマだが、究極の「イミテーション」である。食品偽装行為。なにしろ英語で「イミテーション・クラブ」という製品名まで付けられているらしい。蟹と偽って正体不明の白身雑魚を使っている。あるいはサメ?。

思えば、このカニカマが地球上に登場したころは、日本もイミテーション製品をどんどん作っていたのだろう。まあ、多くの国民もそういうことは覚えているものの、その後、すっかり忘れたフリをして、現在は中韓両国をイビッテいるわけだ。


ところが、すっかり清廉潔白な身になったと思っていたが、今になって綻びが生じたわけだ。昔の悪事の結果が徐々に世界に広がり始めているわけだ。

江戸時代の刑罰で、死罪にするほどは罪が重くないが、棒で10回殴って放免するほどは軽くない犯罪者の腕に、切り取り線のような場所に入れ墨を入れて所払いする制度があったのだが、そんなものなのだろうか。つい、長袖シャツから見えてしまった黒い線。

まあ、「カニカマ」の出所が、「日本ではない国」に偽装するしかないだろうか。「上海蒲鉾」とか。