名人戦、全国で解説会

2008-05-10 00:00:52 | しょうぎ
名人戦は佳境に入りつつあるが、5月8日(木)、9日(金)の両日行われた第三局は、全国で大盤解説会が開かれるそうだ。各都道府県に将棋連盟が棋士を派遣し、9日から11日の間に行われる。突然の企画らしい。

もちろん、名人戦の感動を共有するというライブ解説は人気があって、以前は新聞社の大ホールで行われていたこともあったが、テレビ中継が始まると、いつの間に消滅していた。(もちろん対局会場ではやっていたようだが、それは地方の温泉とかが多いわけで、マイナー規模だった)

将棋連盟のホームページには、各地の開催日時・場所と解説棋士の一覧表があるが、実際、9日、つまりライブ解説会と10日・11日の解説会では、かなり異なるものになると思われるわけだ。

まず、終わってからの解説というのは、どうしても味気なくなるものだ。負けた方の途中の好手をほめればほめるほど、どこかで悪手を指したのだろう、と言うことになる。

当然ながら、解説棋士は事前に盤上に並べて、「ここを、こういうように解説しよう。時間の制約もあるし・・」ということになるし、見るほうも、しょせんは終わった将棋なのだから、1時間程度にしてほしい、と思うだろう。というか見にいくかどうかもよくわからない。まして、1000円とか2000円とか入場料を払うかどうかだ。

一方、ライブ解説の方だが、これがまた大変だ。だいたい、いつ終わるかわからない。2日後の夕食前に終われば大変うれしいが、そういうことは前例からして考えにくい。16世名人を称することになった棋士のように、なるべく早く対局を終了して、別件を・・というために飛車も王も中住まいにしての突撃戦法を考えれば解説者にとっても幸甚だが、今回の両対局者は、今のところ、本格派だ。

さらに、テレビの中継などでは、控え室で若手プロとか大勢で研究していて、その内容を頭に入れて解説することができるが、若手のプロが一人で大盤解説しながら、究極の絶妙手を発見したりは、ほぼできない。だいたい大盤解説は盤の方ばかり見るわけではなく、お客さんの方を向いていなければならないし、お客さんのレベルに合わせて話を変えたり、ジョークを言ったりしなければならない。必死に読みふける対局者よりいい手を見つけられるわけない、と思われるわけだ(まあ、それがライブ解説会の面白いところだけど)。

まあ、来年はもう少し企画の準備をしてからだろうから、期待をしたい。

朝毎両新聞社からGETしたおカネは、こうしてC2クラスの若手棋士の年収の底上げ資金として「砂漠のシャワー」のように散布されるのだろうか。

先日、参加した将棋職団戦で、「若手四段の年収が100万円増えた」という話を仕込んだのだが、こういう仕組みだったのだろうか。女性棋士が含まれていないのは、「砂漠ののシャワー」の恩恵に預からなかった、ということなのだろう。




さて、4月26日出題の解答。

▲1八飛 △2九玉 ▲1九飛 △同玉 ▲3六香 △2九玉 ▲4七馬 △2八玉 ▲3八馬 △1七玉 ▲2八金 △2六玉 ▲3七馬まで13手詰。

途中6手目2八合には1八金打まで。

最初の4手を省略して持駒に金を置くという構想もある。その場合、1六竜ではなく、もう少し弱い駒の方がバランスがいいかもしれない。

が、その場合、9手詰にしては易しすぎるので、お手軽に飛車の消去で手数を伸ばしてみた。

馬を斜めではなく縦横方向に一マス動かすというのは馬鋸などでは常套手段だが、ちょっとした「いい感じ」になることが多い。

動く将棋盤は、コチラ





今週の問題のヒントは、「主役は誰か?」「基本構造は何か?」といったところをはっきりさせること。決して難解ではない。



コメント欄に最終手と手数と酷評いただければ、正誤判断。