エジプトの小さなガラスの円盤

2008-05-18 00:00:15 | 美術館・博物館・工芸品
fd693439.jpg横浜で、意外に面白い展覧会があった。「エジプトの小さなガラスの円盤」。横浜ユーラシア文化館で5月18日まで。

何が、どう面白いかというと、ちょっと説明しにくいが、10円玉位のガラス製の円盤(ボタン型)がたくさん展示されている。グラス・ウェイトというものでエジプトのスーク(市場)で使われていたとのこと。では、形がコイン状だからといって通貨かといえば違う。

実は、このグラス・ウェイトだが主に計量に使われていたのだが、結構、頭が痛くなるほど複雑な方法だった。

まず、簡単なのは、ガラス製の計量カップに貼り付けられるタイプ。よく現代の呑み屋で、「日本酒、一合!」と頼むと、どうみてもその半分くらいの徳利が出てくるのだが、ガラス製の徳利に『公認・一合』と刻まれたガラスのボタンがついているようなもの。高価なオリーブ油などの液体を量り売りする時に、用いられる。


fd693439.jpg次に、重さをはかるためのもの。面白いのは、肉とか穀物とか量るものによって違うデザインのものが用いられたようだ。金属性の錘ではなく、ガラス製が用いられたのは、長く使っても磨耗しないからだ。

そして、金貨などの金属通貨をはかるためのウェイト。金貨については、さらに純度を確認する方法も考えられていた。

まあ、エジプトでは、なかなか厳しく正確に取引が行なわれていたということだろう。裏を返せば、量目詐欺というのが、売る方にも買う方にも蔓延していたのだろう。

よく考えれば、現代でも商取引の基本は度量衡と通貨の信頼性。うかうかしていると、船場吉兆のように一つの料理で二回売り上げを立てるようなつわものも現れるわけだ。

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