海の都、尾道

2008-05-12 00:00:04 | 市民A
83109e7f.jpg尾道は、海の都である。とは、誰も言っていないが、そう感じる。地中海にさまざまな交易都市があるように、尾道は瀬戸内海の要所であり、古来、この地で交易が行なわれていたのは確実だろう。

目前の向島との間の尾道水道は細いところでは幅200メートル。ドライバーショットの届く距離だ。

巨大、かつ高額な橋が架かってしまったが、今も尾道と対岸の向島との交通の主流は、数社が営業しているフェリーである。乗客定員が約20人で、自動車は3台は乗せられる。10分間隔程度で便があり、乗れば5分だ。

見た目奇妙なのは、前後対称のボートであることで、距離が短いので、船の向きを変えずにスクリューが前後についていて、乗員が向きを変えて操船するそうだ。

83109e7f.jpg料金は100円。自転車を持ち込むと10円プラス。自動車は乗客込みで120円とのこと。つまり、自動車分は20円ということになる。巨大な橋の方に人気がないはずだ。

そして、内陸を見ると、出雲街道の起点になっているそうだ。中国山地の山間を抜け、日本海の出雲に通じている。この道を通り、かつては石見銀山からの銀を太平洋側に搬出していた。シルバーロードというそうだ。

そして、尾道と言えば、

古寺の町

文学の町

そして、最近は映画の町である。

尾道の古寺の王様とも言うのが「千光寺」。何しろ、ロープウェーで上る。楽だが、上ってから下界を見て、「ロープウェーがあると景色が目障りだなあ」なんて、勝手なことを考えたりする。

83109e7f.jpg千光寺は真言宗の寺院であるが、真言宗には多くの分派がある。単に真言宗と言ってはならず、真言宗○○派と言わなければならない、と少し前に怒られたことがあった。そこで、お線香売り場の女性の方に、「すみません。こちらは真言宗の何派ですか?」とつい聞いてしまった。

「タンリツです」

「えっ、タンリツ?」

「そうタンリツです!どこの派でもありません!」

たぶん「単立」と書くのだろうか。また怒られてしまった。真言宗は奥が深い。

絶景ポジションには鐘があり、時を刻む大鐘の響きは、多くの文学にも登場する。夕方で、誰もいなかったので、思わず鐘を撞きたくなったが、山を降りて逃げ切れる自信がないので、やめる。気が小さい。

巌谷小波は、「大屋根は みな寺にして風薫る」と読んだが、確かに、大屋根の寺院が多い。繁華街には料亭などがあったようだが、最近はその数が激減しているようだ。尾道には有名人が多く、林芙美子、志賀直哉などの文学者が有名だが、実は、みな出身地は尾道ではない。海の商業都市に集まり、長逗留しているうちに住み着いてしまうというパターンである。

83109e7f.jpgそして、海の幸をつまみながらの現地情報収集の際、本物の尾道出身の有名人の名前を聞く。

「山本モナ」。

尾道の旅館経営者の娘とのこと。しかし、奇妙なことに、その旅館の実際の名前を誰も語らない、というのが、部外者的には少し気になった(単に山本旅館というのかも知れないが)。






↓GOODなブログと思われたら、プリーズ・クリック



↓BADなブログと思われたら、プリーズ・クリック